英語を学び始めた多くの方が早い段階で出会う「know」という動詞。この単語は「知っている」という基本的な意味を持ちますが、実は使い方によって様々なニュアンスを表現できる奥深い単語です。「know」は動詞として使われ、日本語の「知る」「分かる」「理解する」などに相当します。
この記事では、英語初学者の方に向けて「know」の意味と使い方を例文を交えて分かりやすく解説していきます。
「know」とは?基本的な意味と使い方

「know」は英語で「知っている」「理解している」という状態を表す基本的な動詞です。日本語では「知る」「分かる」「理解する」などと訳されます。時制によって形が変化し、現在形は「know」、三人称単数現在形は「knows」、過去形は「knew」、過去分詞形は「known」となります。
英語学習の初期段階でよく使われる動詞の一つであり、様々な場面で活用されます。基本的な用法としては、何かについての情報や知識を持っていることを表します。
例文
- I know her name. (彼女の名前を知っています。)
- He knows the answer. (彼は答えを知っています。)
- We know how to swim. (私たちは泳ぎ方を知っています。)
- They don’t know where the station is. (彼らは駅がどこにあるか知りません。)
「know」は状態動詞(stative verb)に分類され、通常は進行形(〜ing形)では使われません。なぜなら、「知っている」という状態は一時的な動作ではなく、継続した状態を表すからです。
「know」の様々な意味
「know」は文脈によって様々な意味を持ちます。ここでは、その代表的な意味をいくつか見ていきましょう。
「know」の基本的な意味は「知っている」ですが、使われる文脈によって微妙にニュアンスが変わります。例えば、事実や情報を知っている場合、人と知り合いである場合、場所や道を知っている場合など、様々な使い方があります。
情報や事実を知っている
最も基本的な意味で、何かについての情報や事実を知っていることを表します。
例文
- I know that Tokyo is the capital of Japan. (東京が日本の首都であることを知っています。)
- She knows when the bus comes. (彼女はバスがいつ来るか知っています。)
- Do you know how old he is? (彼が何歳か知っていますか?)
- I don’t know the answer to this question. (この質問の答えを知りません。)
人と知り合いである
人について「know」を使う場合、その人と面識があることや知り合いであることを意味します。
例文
- I know Tom. We are in the same class. (トムを知っています。私たちは同じクラスです。)
- She knows my sister. (彼女は私の姉を知っています。)
- Do you know Mr. Brown? (ブラウンさんを知っていますか?)
- We have known each other for five years. (私たちはお互いを5年間知っています。)
場所や道を知っている
場所や道について「know」を使う場合、その場所へ行ったことがあるか、道順を理解していることを意味します。
例文
- I know the way to the station. (駅への道を知っています。)
- She knows this city very well. (彼女はこの街をとてもよく知っています。)
- Do you know where the library is? (図書館がどこにあるか知っていますか?)
技能や方法を知っている
何かをする方法や技能を身につけていることを表すときにも「know」が使われます。
例文
- I know how to play the piano. (ピアノの弾き方を知っています。)
- He knows how to fix computers. (彼はコンピューターの修理方法を知っています。)
- Do you know how to make curry? (カレーの作り方を知っていますか?)
「know」の時制と活用形
「know」は英語の基本動詞として、様々な時制で使われます。ここでは各時制での「know」の使い方を見ていきましょう。
「know」の活用形は以下の通りです。
- 原形:know
- 三人称単数現在形:knows
- 過去形:knew
- 過去分詞形:known
- 現在分詞形:knowing
これらの活用形を使って、様々な時制で「know」を表現できます。
現在形
現在の状態や事実を表すときに使います。
例文
- I know the answer. (私は答えを知っています。)
- She knows many English words. (彼女は多くの英単語を知っています。)
- They don’t know where to go. (彼らはどこへ行けばいいのか知りません。)
- Do you know my friend, Ken? (私の友達のケンを知っていますか?)
過去形
過去の状態や事実を表すときに使います。
例文
- I knew the answer yesterday. (昨日私は答えを知っていました。)
- She knew how to solve the problem. (彼女はその問題の解き方を知っていました。)
- They didn’t know I was coming. (彼らは私が来ることを知りませんでした。)
- Did you know about the party? (あなたはそのパーティーについて知っていましたか?)
現在完了形
過去から現在まで続いている状態や、過去の経験が現在に影響している状態を表すときに使います。
例文
- I have known her since childhood. (私は子供の頃から彼女を知っています。)
- He has known the truth for a long time. (彼は長い間真実を知っています。)
- They haven’t known about the change. (彼らはその変更について知りませんでした。)
- Have you ever known someone famous? (あなたは有名な人を知ったことがありますか?)
過去完了形
過去のある時点より前の状態を表すときに使います。
例文
- I had known the answer before the teacher explained it. (先生が説明する前に私は答えを知っていました。)
- She had known him for ten years before they got married. (彼らが結婚する前に、彼女は彼を10年間知っていました。)
未来形
将来の状態を表すときに使います。
例文
- You will know the result tomorrow. (あなたは明日結果を知るでしょう。)
- She will know what to do. (彼女は何をすべきか知るでしょう。)
「know」を含む表現と熟語
「know」は単独で使われるだけでなく、前置詞や他の語と組み合わさって様々な表現を作ります。ここでは代表的なものを紹介します。
「know」を含む表現は日常会話でよく使われるため、これらを覚えておくと英語でのコミュニケーションがスムーズになります。
know about(〜について知っている)
「〜について知識を持っている」「〜についての情報を持っている」という意味です。
例文
- I know about Japanese culture. (私は日本文化について知っています。)
- Do you know about the new shopping mall? (あなたは新しいショッピングモールについて知っていますか?)
- He doesn’t know about the surprise party. (彼はサプライズパーティーについて知りません。)
know of(〜の存在を知っている)
「〜の存在を知っている」「〜の噂を聞いたことがある」という意味で、直接的な知識や経験がない場合に使われます。
例文
- I know of that restaurant, but I’ve never been there. (あのレストランの存在は知っていますが、行ったことはありません。)
- Do you know of any good English books? (何かよい英語の本を知っていますか?)
- She knows of the famous actor, but she has never met him. (彼女はその有名な俳優の存在を知っていますが、会ったことはありません。)
get to know(〜と知り合いになる、〜をよく知るようになる)
「〜と知り合いになる」「〜についてよく知るようになる」という意味で、人や物事に対する理解が深まることを表します。
例文
- I want to get to know my new classmates. (新しいクラスメートと知り合いたいです。)
- He got to know the city very well after living there for a year. (彼はそこに1年住んだ後、その街をとてもよく知るようになりました。)
- Let’s get to know each other better. (もっとお互いのことをよく知りましょう。)
know how to(〜する方法を知っている)
「〜する方法を知っている」「〜する技能を持っている」という意味です。
例文
- I know how to play the guitar. (私はギターの弾き方を知っています。)
- Do you know how to use this machine? (この機械の使い方を知っていますか?)
- She doesn’t know how to swim. (彼女は泳ぎ方を知りません。)
know + 疑問詞(〜を知っている)
疑問詞(what, where, when, who, how, whyなど)と組み合わせて「〜を知っている」という意味を表します。
例文
- I know what you want. (あなたが何を望んでいるか知っています。)
- Do you know where the station is? (駅がどこにあるか知っていますか?)
- She knows when the train comes. (彼女は電車がいつ来るか知っています。)
- He doesn’t know why she is angry. (彼は彼女がなぜ怒っているのか知りません。)
疑問詞 + to不定詞
疑問詞とto不定詞を組み合わせて「〜すべきことを知っている」という意味を表します。
例文
- I know what to do next. (次に何をすべきか知っています。)
- Do you know where to go? (どこへ行くべきか知っていますか?)
- She doesn’t know how to solve this problem. (彼女はこの問題をどう解決すべきか知りません。)
よく使われるイディオム
「know」を使ったイディオム表現も多くあります。以下に代表的なものをいくつか紹介します。
例文
- know by heart(暗記している)
I know this poem by heart. (この詩を暗記しています。) - know better than to do(〜しないほうがよいとわかっている)
You should know better than to lie. (嘘をつかないほうがよいとわかっているはずです。) - know for sure(確かに知っている)
I don’t know for sure, but I think he will come. (確かではありませんが、彼は来ると思います。) - get to know(知り合いになる)
I want to get to know your family. (あなたの家族と知り合いになりたいです。) - before you know it(あっという間に)
Before you know it, summer will be here. (あっという間に夏が来るでしょう。)
「know」のよくある間違いと注意点
「know」を使う際によくある間違いや注意点をいくつか紹介します。初学者が混乱しやすいポイントを理解して、正しく使えるようにしましょう。
「know」と「know about」の違い
「know」と「know about」は似ていますが、使い方に違いがあります。「know」は直接的な知識や面識があることを表し、「know about」は「〜について知っている」という意味で、詳しい情報や知識を持っていることを表します。
- 誤:I know the history of Japan.(日本史と面識がある?)
- 正:I know about the history of Japan.(日本の歴史について知っています。)
「know」と「know of」の違い
「know」は直接的な知識や面識があることを表し、「know of」は「〜の存在を知っている」「〜の噂を聞いたことがある」という意味で、直接的な知識や経験がない場合に使われます。
- 誤:I know Brad Pitt.(ブラッド・ピットと面識がある?)
- 正:I know of Brad Pitt.(ブラッド・ピットの存在を知っています。)
「know」は進行形で使わない
「know」は状態動詞(stative verb)に分類され、通常は進行形(〜ing形)では使われません。
- 誤:I am knowing the answer.
- 正:I know the answer.(私は答えを知っています。)
「know」と「understand」の違い
「know」は事実や情報を知っていることを表し、「understand」は意味や概念を理解していることを表します。
例文
- The student knows the formula but doesn’t understand why it works.
(その生徒は公式を知っていますが、なぜそれが機能するのか理解していません。)
「know」と「meet」の混同
初めて人と会う場合、「know」ではなく「meet」を使います。
- 誤:Nice to know you.
- 正:Nice to meet you.(はじめまして。)
「know」に関する問題
ここでは「know」の使い方に関する問題を10問用意しました。これらの問題を解いて、理解度を確認してみましょう。
- I ( ) his name. He is Tom.
- She ( ) how to play the piano.
- We ( ) each other for ten years.
- Do you ( ) where the library is?
- He doesn’t ( ) the answer.
- I ( ) you were coming today.
- They ( ) about the accident yesterday.
- She wants to ( ) to ( ) her new neighbors.
- I don’t ( ) what to do next.
- We ( ) of that restaurant, but we’ve never been there.
「know」に関するよくある質問
- 「know」と「understand」の違いは何ですか?
-
「know」は事実や情報を知っていることを表し、「understand」は意味や概念を理解していることを表します。例えば、「I know his name」(彼の名前を知っています)と「I understand his feelings」(彼の気持ちを理解しています)のように使います。
- 「know」を使って「初めまして」と言えますか?
-
いいえ、初対面の挨拶には「know」ではなく「meet」を使います。「Nice to meet you」が正しい表現です。「Nice to know you」は誤りです。
- 「know」と「know about」はどう違いますか?
-
「know」は直接的な知識や面識があることを表し、「know about」は「〜について知っている」という意味で、詳しい情報や知識を持っていることを表します。例えば、「I know him」(彼と面識があります)と「I know about history」(歴史について知っています)のように使い分けます。
- 「know」を進行形で使うことはできますか?
-
基本的に「know」は状態動詞(stative verb)なので、進行形では使いません。「I am knowing」ではなく「I know」が正しい形です。ただし、「get to know」(知り合いになる)のように動作を表す場合は進行形で使えます。例:「I am getting to know my classmates」(クラスメートと知り合いになっています)。
- 「know」の過去形と過去分詞形は何ですか?
-
「know」の過去形は「knew」、過去分詞形は「known」です。例:「I knew the answer」(答えを知っていました)、「I have known him for years」(彼を何年も知っています)。
- 「know how to」と「can」の違いは何ですか?
-
「know how to」は「〜する方法を知っている」という意味で、知識や技能を持っていることを強調します。一方、「can」は「〜できる」という能力を表します。例えば、「I know how to swim」(泳ぎ方を知っています)と「I can swim」(泳げます)はほぼ同じ意味ですが、ニュアンスが少し異なります。
- 「know」と「know of」の違いは何ですか?
-
「know」は直接的な知識や面識があることを表し、「know of」は「〜の存在を知っている」「〜の噂を聞いたことがある」という意味で、直接的な知識や経験がない場合に使われます。例えば、「I know the president of our company」(私は会社の社長と面識があります)と「I know of that actor, but I’ve never met him」(その俳優の存在は知っていますが、会ったことはありません)のように使い分けます。
まとめ

この記事では、英語の基本動詞「know」の意味と使い方について詳しく解説しました。「know」は「知っている」「理解している」「知り合いである」など様々な意味を持ち、日常会話で頻繁に使われる重要な単語です。
以下に、この記事のポイントをまとめます。
- 「know」は「知っている」「理解している」という状態を表す基本的な動詞である。
- 「know」の活用形は know(原形)、knows(三人称単数形)、knew(過去形)、known(過去分詞形)、knowing(現在分詞形)である。
- 「know」には情報や事実を知っている、人と知り合いである、場所や道を知っている、技能や方法を知っているなど様々な意味がある。
- 「know about」は「〜について知っている」、「know of」は「〜の存在を知っている」という意味で使い分ける。
- 「get to know」は「〜と知り合いになる」「〜をよく知るようになる」という意味で使われる。
- 「know how to」は「〜する方法を知っている」という意味で、技能や方法を表す。
- 「know」は状態動詞なので、通常は進行形では使わない。
- 「know + 疑問詞」や「疑問詞 + to不定詞」の形で、「〜を知っている」「〜すべきことを知っている」という意味を表す。
「know」は英語学習の基礎となる重要な単語です。この記事で紹介した様々な使い方を理解し、実際の会話や文章で正しく使えるようになりましょう。
「know」を適切に使いこなせるようになれば、英語でのコミュニケーション能力が大きく向上するでしょう。