「listen to」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語では主に「~を聴く」「~に耳を傾ける」「~に聞き入る」と訳されます。
シンプルな表現ながら、様々なニュアンスを持ち、日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用できる便利なフレーズです。
この記事では「listen to」の基本的な意味から実際の使い方、関連表現との違いまで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「listen to」の基本的な意味
「listen to」の基本的な意味は「~を聴く」「~に耳を傾ける」です。
重要なポイントは、「listen」には「意識的に」「注意を向けて」という能動的なニュアンスがあることです。
つまり、自分から意図的に聞こうとする行為を表します。
例文
- I like to listen to classical music when I study.
(勉強するときはクラシック音楽を聴くのが好きです。) - Please listen to my explanation carefully.
(私の説明をよく聞いてください。) - She always listens to her grandmother’s stories with great interest.
(彼女はいつも祖母の話に大きな関心を持って耳を傾けます。)
「listen to」と「hear」の違い
英語で「聞く」という行為を表す代表的な動詞には「listen」と「hear」がありますが、この二つには重要な違いがあります。
「listen to」の特徴
- 能動的で意識的な行為(自ら注意を向けて聞く)
- 「to」という前置詞を必要とする(listen to something)
- 自分の意思で行う行為を表す
例文
- I was listening to the news when she called me.
(彼女が電話してきたとき、ニュースを聴いていました。) - Children should listen to their parents’ advice.
(子供たちは両親のアドバイスに耳を傾けるべきです。)
「hear」の特徴
- 受動的な行為(自然と音が耳に入ってくる)
- 前置詞「to」を必要としない(hear something)
- 必ずしも意識的でない聴覚体験を表す
例文
- I heard a strange noise outside.
(外から変な音が聞こえました。) - Can you hear the birds singing?
(鳥のさえずりが聞こえますか?)
具体的な違いの例
「listen」と「hear」の違いを理解するために、次の例文を見てみましょう。
例文
- I heard the music, but I wasn’t listening to it.
(音楽は耳に入ってきたけど、実際に聴いてはいなかった。) - I can hear you, but I’m not listening to what you’re saying.
(あなたの声は聞こえていますが、あなたが言っていることに耳を傾けてはいません。)
これらの例から分かるように、「hear」は単に音が耳に入ってくる現象を表すのに対し、「listen to」は意識的に音に注意を向ける行為を表します。
「listen to」の文法と使い方
「listen to」は次のような文法構造で使われます。
listen to + 名詞/代名詞
何かを聴く、または誰かの話に耳を傾ける場合に使います。
例文
- I like to listen to podcasts during my morning commute.
(朝の通勤中にポッドキャストを聴くのが好きです。) - Let’s listen to the teacher’s instructions.
(先生の指示を聞きましょう。) - She doesn’t listen to her brother at all.
(彼女は弟の言うことを全く聞きません。)
命令形「Listen!」
特に相手の注意を引きたいときには、「Listen!」という命令形がよく使われます。
この場合、「to」は省略されます。
例文
- Listen! Can you hear that strange sound?
(聞いて!あの変な音が聞こえる?) - Listen, I need to tell you something important.
(聞いて、大事なことを伝えたいんだ。)
時制による変化
「listen to」は様々な時制で使えます。
例文(現在形)
- I listen to the radio every morning.
(毎朝ラジオを聴きます。)
例文(過去形)
- We listened to his speech yesterday.
(昨日彼のスピーチを聴きました。)
例文(現在進行形)
- What are you listening to right now?
(今何を聴いているの?)
例文(現在完了形)
- I have been listening to this song all day.
(一日中この曲を聴いています。)
「listen to」の様々な使い方
「listen to」は様々な状況で使われます。
主な使用例を見ていきましょう。
音楽・音声を聴く
最も一般的な使い方は、音楽やラジオ、ポッドキャストなどの音声を聴く場合です。
例文
- I love listening to jazz while cooking.
(料理をしながらジャズを聴くのが大好きです。) - He listens to the news every morning.
(彼は毎朝ニュースを聴きます。) - What kind of music do you like to listen to?
(どんな種類の音楽を聴くのが好きですか?)
人の話を聴く
誰かの話に耳を傾ける場合にも使われます。
例文
- The manager listened to all employees’ opinions.
(マネージャーは全従業員の意見に耳を傾けました。) - It’s important to listen to what children have to say.
(子供たちの言うことに耳を傾けることは重要です。) - She didn’t listen to my explanation.
(彼女は私の説明を聞きませんでした。)
アドバイスや指示に従う
「listen to」には、単に聴くだけでなく、「従う」「受け入れる」というニュアンスもあります。
例文
- You should listen to your doctor’s advice.
(医師のアドバイスに従うべきです。) - If they had listened to the warnings, the accident could have been avoided.
(警告に耳を傾けていれば、事故は避けられたかもしれません。) - My daughter never listens to me when I tell her to clean her room.
(部屋を掃除するように言っても、娘は私の言うことを聞きません。)
「listen to」を含む表現と慣用句
「listen to」を含むよく使われる表現をいくつか見ていきましょう。
listen carefully to(~に注意深く耳を傾ける)
例文
- Please listen carefully to the safety instructions.
(安全指示に注意深く耳を傾けてください。) - I always listen carefully to my grandmother’s advice.
(私はいつも祖母のアドバイスに注意深く耳を傾けます。)
listen to reason(道理を聞く、理性的な判断に従う)
例文
- He won’t listen to reason when he’s angry.
(彼は怒っているとき、道理を聞きません。) - You need to calm down and listen to reason.
(落ち着いて、道理を聞く必要があります。)
listen for(~を聞き取ろうとする)
例文
- I’m listening for the doorbell, so tell me if you hear it.
(ドアベルの音を聞き取ろうとしているので、聞こえたら教えてください。) - The hunter listened for any sounds in the forest.
(猟師は森の中のあらゆる音を聞き取ろうとしました。)
「listen to」を使った会話例
実際の会話で「listen to」がどのように使われるかを見てみましょう。
会話例1:音楽について
例文
- A: What kind of music do you like to listen to?
(どんな種類の音楽を聴くのが好きですか?) - B: I usually listen to rock music, but recently I’ve been listening to classical music too.
(普段はロック音楽を聴きますが、最近はクラシック音楽も聴いています。) - A: That’s interesting! I’ve never really listened to classical music. Can you recommend something?
(面白いですね!クラシック音楽を本当に聴いたことがありません。何かおすすめはありますか?) - B: Sure, you should listen to Mozart’s Symphony No. 40. It’s really beautiful.
(もちろん、モーツァルトの交響曲第40番を聴くべきです。本当に美しいですよ。)
会話例2:アドバイスを聞く
例文
- A: I’m having trouble with my English pronunciation.
(英語の発音に苦労しています。) - B: You should listen to native speakers more often. That’s how I improved my pronunciation.
(ネイティブスピーカーをもっと頻繁に聴くべきです。私はそうやって発音を改善しました。) - A: That’s good advice. I’ll try to listen to English podcasts every day.
(それはいいアドバイスですね。毎日英語のポッドキャストを聴くようにします。) - B: And don’t forget to listen to yourself when you practice speaking.
(そして、会話の練習をするときは自分自身の声にも耳を傾けることを忘れないでください。)
まとめ:「listen to」の使い方のポイント

「listen to」は英語で「~を聴く」「~に耳を傾ける」という意味を持つ基本的な表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、
- 基本的な意味は「意識的に、注意を向けて音を聴く」です。
- 「hear」と異なり、能動的で意図的な聴取行為を表します。
- 音楽や会話を聴くだけでなく、アドバイスや指示に「従う」というニュアンスもあります。
- 通常は「to」という前置詞を伴いますが、命令形の「Listen!」では「to」は省略されます。
- 「listen carefully to」「listen to reason」など、様々な表現で使われます。
「listen to」は日常会話でよく使われる表現なので、そのニュアンスや使い方をマスターすることで、より自然な英語表現ができるようになります。
ぜひ会話の中で使ってみてください。