TOEICを初めて受験する方や、現在のスコアから更なるステップアップを目指している方にとって、平均スコアは気になる指標の一つでしょう。
自分の実力が全体のどのあたりに位置するのかを知ることは、今後の学習目標を立てる上で非常に重要です。
この記事では、2023年度と2024年度の最新データをもとに、TOEICの平均スコアを年代別、職種別、学歴別に詳しく解説します。
これからTOEICの学習を始める英語初学者の方にも分かりやすく、各スコア帯がどのような英語力を示すのか、またどのような勉強法が効果的なのかについても触れていきます。
TOEICの平均スコアとは?知っておきたい基礎知識

TOEICの平均スコアは、テスト受験者全員のスコアを合計し、受験者数で割った数値を指します。
2023年度の公開テスト平均スコア
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が公開している公式データによると、2023年度の公開テスト全体(L&R)の平均スコアは612点でした。
スコア算出の仕組みと平均スコアの変動
- 統計処理による一貫性:
- TOEICでは、テストごとの難易度の違いがスコアに影響を与えないよう、専門家による統計処理が行われています。
- これにより、どの回のテストを受けても、一貫した評価基準でスコアが算出される仕組みになっています。
- 平均スコアの差異の主な理由:
- 各回のテスト間で平均スコアに違いが生じるのは、主に受験集団(受験者のレベル)の違いによるものです。
TOEICスコアの特徴
TOEICのスコアは、以下の特徴があります。
- 範囲: 10点から990点満点
- 刻み: 5点刻みで算出されます(例:600点の次は605点)。
- 601点や604点のような中途半端なスコアは存在しません。
- 目的: この特殊な採点方式により、受験回ごとの難易度による不公平が生じにくくなっています。
日本人受験者の傾向
日本人受験者には、以下のような特徴的な傾向が見られます。
- リスニングセクションの方がリーディングセクションよりも平均スコアが高い傾向があります。
- 背景: 学校教育で文法や読解の学習に比重が置かれている一方で、リスニングの実践的な訓練が不足していることが一因と考えられています。
最新のTOEIC平均スコアデータ(2023年度・2024年度)
近年におけるTOEIC L&Rの平均スコアは、国内および世界でどのような傾向にあるのでしょうか。
ここでは、2023年度・2024年度の公開テストデータを中心に、過去の推移や世界のデータと比較し、日本の英語力の実態を分析します。
国内受験者スコアの推移(2023年度まで)
2023年度のTOEIC公開テスト受験者数は約74万6千人で、その平均スコアは612点でした。
- 内訳:
- リスニング:335点
- リーディング:278点
過去3年間のデータと比較すると、平均スコアは以下のように610点前後で安定して推移していることがわかります。
- 2021年度:611点
- 2022年度:608点
- 2023年度:612点
2024年最新データ:傾向の維持を確認
最新の公開テストデータとして、2024年12月8日午後実施分の平均スコアは611.2点でした。
- 内訳:
- リスニング:334.4点
- リーディング:276.8点
この数値からも、2023年度までの傾向と大きな変動はなく、平均スコアがほぼ維持されていることが確認できます。
難化傾向か、受験者層の変化か?
注目すべき点として、2020年度の平均スコアが620点だったことが挙げられます。2021年度以降、平均スコアが約10点低下していることから、試験の難化傾向を指摘する声もあります。
しかし、このスコア低下は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う受験者層の変化(例えば、学習の機会や環境の変化、または受験目的の変化など)が影響している可能性も考慮に入れる必要があります。

世界の平均スコアとの比較(2024年)
2024年の世界データによると、日本のTOEIC L&R平均スコアは564点で、これは世界31位の水準となっています。
| 順位 | 国名 | 平均スコア |
| 1位 | レバノン | 853点 |
| 2位 | ドイツ | 811点 |
| 3位 | ポーランド | 785点 |
| 31位 | 日本 | 564点 |
特に、アジア圏の主要国と比較しても、日本のスコアは決して高いとは言えません。
| アジア圏の国名 | 平均スコア |
| フィリピン | 719点 |
| 韓国 | 678点 |
| 台湾 | 581点 |
| 日本 | 564点 |
日本は世界ランキングで低い順位にあり、アジア圏においてもフィリピンや韓国、台湾に後れをとっている状況がデータから読み取れます。
社会人と学生のTOEIC平均スコア比較
この分析では2023年度のデータに基づき、社会人と学生のTOEIC平均スコアの比較に加え、教育段階別の詳細なスコア傾向を解説します。
全体像として両者の間には明確なスコア差が見られ、その背景には英語学習の目的や頻度、経験が影響していることが示唆されます。
社会人と学生の平均スコア比較
2023年度のTOEIC平均スコアを見ると、社会人と学生の間には50点の明確な差があります。
| 属性 | 平均スコア | リスニング | リーディング |
| 社会人 | 639点 | 348点 | 291点 |
| 学生 | 589点 | 323点 | 267点 |
社会人はリスニング(348点)とリーディング(291点)の両セクションで学生を上回る水準を示しています。
社会人の平均スコアが高い背景には、業務での英語の必要性や、転職・キャリアアップを目的とした英語学習への取り組みが考えられます。
学生の学年別スコア推移
学生の中でも、学年が上がるにつれてTOEICの平均スコアは着実に向上しています。
| 学年 | 平均スコア |
| 大学1年生 | 549点 |
| 大学2年生 | 580点 |
| 大学3年生 | 599点 |
| 大学4年生 | 611点 |
大学1年生の549点から始まり、大学4年生では611点へとスコアが伸びており、これは大学での継続的な英語学習や、就職活動を見据えた対策の効果が表れていると推測されます。
その他の教育段階別平均スコア
大学生以外や大学院生を含む教育段階別に見ても、平均スコアには大きな違いが見られます。
| 教育段階 | 平均スコア |
| 大学院生 | 639点 |
| 専門学校生 | 514点 |
| 高校生 | 510点 |
| 短期大学生 | 485点 |
特に注目すべきは大学院生で、社会人と同じ639点という高水準です。これは、研究活動において英語文献を読む機会が多いことなどが影響していると推測されます。
一方で、高校生の平均スコアは510点で、大学生よりも低い水準です。
TOEICがビジネスシーンを想定した問題が多いことから、高校生にとっては馴染みのない語彙や状況設定が多いことが、スコアの低さにつながっていると考えられます。
年代別のTOEIC平均スコアと特徴
TOEIC の平均スコアは、受験者の年代や企業における勤続年数によって興味深い傾向を示しています。
ここでは、最新のデータに基づき、年代別・社歴別の平均スコアの現状と、その背景にある学習意欲や環境の変化について解説します。
世界のTOEIC受験者データに見る年代別平均スコア
世界のTOEIC受験者データを分析すると、年代が若くなるほど平均スコアが高くなる傾向が顕著に見られます。
| 年代 | 平均スコア (2024年データ) |
| 20代 | 646点 (最も高い) |
| 30代 | 609点 |
| 40代 | 606点 |
| 50代 | 577点 |
20代の平均スコアが最も高い背景には、以下の要因が考えられます。
- キャリア形成への意識: 就職活動や転職において、英語力をアピールするために積極的にTOEICを受験する人が多い。
- 基礎力の維持: 学生時代に培った英語学習からの時間が短く、基礎的な知識やスキルが比較的維持されている。
- 学習ツールの活用: デジタルネイティブ世代として、アプリやオンライン教材などの英語学習ツールを効果的に活用している。
特に26歳から30歳の年代は、キャリアアップを目指し、すでに自己投資を始めている層が多く見られます。
この層は、金銭的にも学習に費用をかける余裕があり、まとまった学習時間を確保しやすいという特徴があり、実際に平均600点以上を取得している人が多数存在します。
日本企業内でのTOEIC IPテストデータ
日本国内の企業におけるTOEIC IPテストのデータ(団体特別受験制度)にも、勤続年数(社歴)による特徴が見られます。
| 社歴 | 平均スコア |
| 新入社員 | 491点 |
| 入社2年目~5年目 | 511点 (最も高い) |
| 入社6年目~10年目 | 508点 |
| 入社11年目以上 | 469点 (最も低い) |
企業のIPテストにおいても、入社初期(若手社員)の方がスコアが高い傾向が見て取れます。
- 学校教育での変化: 若い世代ほど、学校教育において英語に触れる機会や学習量が増加している。
- 採用基準の高度化: 最近の新入社員は、企業の採用基準が高まっており、入社時点で一定の英語力(基礎力)を備えた人材が選抜されている。
一方で、入社11年目以降の社員の平均スコアが最も低くなっています。
これは、中堅以降の社員が日常業務に追われ、英語学習のための時間を確保しにくいという現実的な課題があるためと考えられます。
職種別・業界別のTOEIC平均スコア
TOEICの平均スコアは、職種や業界によって大きく異なる傾向にあります。これは、業務における英語の使用頻度や、企業・組織が求める英語力のレベルが異なるためです。
2023年度の公開テスト受験者データに基づき、職種別・業界別の平均スコアとその背景について詳しく解説します。
職種別のTOEIC平均スコア
職種によってTOEICの平均スコアには明確な差が見られます。特に高いスコアを記録しているのは、専門性や国際性が高い職種です。
2023年度のデータでは、以下の職種が平均スコア上位となっています。
- 教育関連: 713点
- 海外関連: 731点
- 法務: 692点
- 財務: 684点
- 経営: 679点
| 職種 | 平均スコア | 背景 |
| 海外関連 | 731点 | 実際に英語を使用する機会が非常に多く、高い英語力が必須とされるため。 |
| 教育関連 | 713点 | 英語教育に携わる人が多く、教員採用や昇進の際にスコアが条件となることが多いため。 |
一方、日常業務で英語の使用機会が限られる職種では、比較的スコアが低くなる傾向があります。
- 製造: 580点
- 現場作業: 550点
これらの職種では、TOEICの受験自体が会社の要請によるもので、業務遂行に直結しないケースが多いため、スコアも控えめな水準となっています。
業界別のTOEIC平均スコア
業界の特性(グローバル展開の度合いなど)も平均スコアに大きく影響します。
商社・国際的な業界
商社は平均スコアが598点と、比較的高い水準です。
商社では海外との取引が日常的に行われるため、英語力は必須のスキルとして位置付けられています。
多くの総合商社では、新入社員に700点以上、海外駐在の条件として800点以上を求めることが一般的です。
IT業界
IT業界では、システムエンジニアの平均が650点前後です。
プログラミング言語の多くが英語ベースであることや、海外の最新技術文書(ドキュメント)を読む機会があることから、一定レベルの英語力が求められます。
金融・証券・保険業界
金融・証券・保険業界の平均は、613点から629点程度です。
グローバル化が進むこの業界では、国際的な取引や情報収集のために英語力が重視されており、昇進の条件として一定のTOEICスコアを設定している企業も少なくありません。
製造業
製造業の平均は490点から539点程度と、業界内でも企業規模や事業内容によって大きな差が見られます。
輸出入に関わる部門では高いスコアが求められるのに対し、国内市場中心の企業では英語力の必要性が相対的に低いため、平均スコアにも反映されています。
役職別のTOEIC平均スコア
このデータは、役職の昇進とTOEICスコアの相関関係、そして現代のビジネスシーンにおける英語力の位置づけを明確に示しています。
企業が昇進基準や採用基準にTOEICスコアを組み込むことで、社員の英語力向上を促している状況が伺えます。
役職が上がるほどスコアも上昇する傾向
2023年度の公開テストデータに基づく役職別のTOEIC平均スコアを見ると、基本的に役職が上がるにつれて平均スコアも高くなるという明確な傾向が見られます。
| 役職 | 平均TOEICスコア (2023年度) |
| 一般社員 | 627点 |
| 係長 | 615点 |
| 課長 | 644点 |
| 部長 | 668点 |
| 役員 | 680点 |
| 派遣社員 | 657点 |
注目すべき点:係長と若手社員の英語力
特に興味深いのは、係長の平均スコアが一般社員の平均(627点)よりも低い615点となっている点です。
これは、以下の要因が複合的に作用していると考えられます。
若手社員のスコアが高い
近年、多くの大手企業が新卒採用の選考基準の一つとしてTOEICスコアを設定しています。
そのため、就職活動で高いスコアを取得した若手社員が一般社員の層に多く含まれており、一般社員全体の平均を引き上げています。
管理職以上のスコア上昇
課長以上の管理職になると、平均スコアは明確に上昇します。
- 昇進要件としての活用:昇進の条件として一定のTOEICスコアを設定している企業が増えていることが、このスコア上昇の大きな要因です。
- 実務での必要性:特に部長職(668点)では、海外拠点とのやり取りや国際会議への参加など、実務で英語を使用する機会が格段に増加するため、より高い英語力が不可欠となります。
役員クラス:最も高いスコア
役員クラスの平均スコアは680点と、全役職の中で最も高い水準です。
- 国際的なビジネス展開:経営層として海外企業との交渉や国際的なビジネス展開を担う立場では、高度な英語コミュニケーション能力が不可欠です。
- 昇格基準:多くの企業では、役員昇格の際に750点以上を基準として設定しているケースが見られます。
派遣社員:専門性を反映したスコア
派遣社員の平均スコアは657点と、一般社員や係長の平均よりも高い水準にあります。
- 英語専門職の増加:これは、英語力を活かした専門職として働く派遣社員が多いことが理由と考えられます。
- 高スコアが前提の業務:翻訳や通訳、外資系企業での事務職など、高い英語力を前提とした派遣業務が増加している背景があります。
専攻別・学部別のTOEIC平均スコア
TOEICのスコアは、大学生の英語によるコミュニケーション能力を測る重要な指標ですが、その平均点は学生の専攻や学部によって大きく異なります。
大学生活で触れる英語の量や種類、留学機会、そして専門分野の特性などが、スコアの差として明確に表れています。
ここでは、2023年度のデータに基づき、大学生の専攻別・学部別のTOEIC平均スコアの現状と、その背景にある要因を詳しく解説します。
大学生の専攻によって、TOEICの平均スコアには大きな差があります。全体の傾向として、文系学部のスコアが理系学部を上回る傾向が見られます。
文系学部の傾向:上位は社会・法学系
文系の中でも、特に高い平均スコアを記録しているのは以下の専攻です。
| 専攻区分 | 平均スコア | 特徴・背景 |
| 社会・法学系 | 623点 | 最も平均スコアが高い区分です。国際関係学を専攻する学生が多く含まれており、授業やゼミで英語の文献を読む機会が多いことが、高いスコアの主な要因です。国際関係学系の学生のみでは平均519点となり、留学プログラムへの参加率の高さも英語力向上に寄与しています。 |
| 文系(全体) | 611点 | – |
| 語学・文学系(英語専攻) | 528点 | 専門的に英語を学んでいるにもかかわらず、TOEICのビジネス英語に特化した対策が不足していると、期待したほどの高スコアに至らない場合もあります。 |
| 商学・経済・経営系 | 472点 | ビジネス系の学部ですが、高スコアには専門的なTOEIC対策が必要です。ただし、学年が上がるにつれてスコアが向上する傾向があり、就職活動を意識し始める3年生以降で大きくスコアを伸ばす学生が多く見られます。 |
| 語学・文学系(英語以外) | 483点 | 英語専攻との差が明確に表れており、専攻による英語学習時間の差が影響しています。 |
理系学部の傾向:医・薬学系がリード
理系学部の平均スコアは文系と比較して低い傾向にありますが、分野によって差があります。
| 専攻区分 | 平均スコア | 特徴・背景 |
| 医・薬学系 | 491点 | 理系の中では比較的高スコアです。医学や薬学の分野では、最新の研究論文の多くが英語で書かれているため、専門書を読むために一定の英語力が必要とされることが背景にあります。 |
| 情報科学系 | 462点 | – |
| 理・工・農学系 | 454点 | 文系と比較して低スコアです。専門科目の学習に多くの時間を割くため、英語学習に充てる時間が相対的に少なくなることが一因と考えられます。 |
スコアに影響を与える要因
TOEICの平均スコアは、単なる英語の得意・不得意だけでなく、以下のような大学生活における要因が大きく影響しています。
- 専門分野の特性:最新の知見や文献が英語であるかどうか(社会・法学系、医・薬学系など)。
- 英語使用の機会:授業やゼミ、研究活動で英語を読み書きする頻度。
- 専門学習の負荷:専門科目の学習に費やす時間の割合(理系学部など)。
- 進路意識:就職活動を意識し始めることによるモチベーションの変化(商学・経済・経営系など、学年進行によるスコア向上)。
専攻に関わらず、グローバル化が進む現代においてはTOEICスコアはキャリア形成において重要な要素となっており、目標スコア達成のためには個々のニーズに合わせた専門的な対策が求められます。
TOEICスコア600点・700点・800点のレベルと到達目安
TOEICスコアは、あなたの英語力を客観的に示す重要な指標です。
しかし、それぞれのスコア帯が具体的にどのような英語力を意味するのか、目標達成にはどのくらいの学習時間が必要なのか、疑問に感じる方も多いでしょう。
ここでは、目標とされることの多い「600点」「700点」「800点」の3つのスコア帯に焦点を当て、それぞれのレベル感、ビジネスシーンでの評価、そして到達するために必要な学習時間の目安を詳しく解説します。
TOEICスコア 600点レベル:基礎力定着と最初の目標ライン
600点レベルは、TOEIC受験者にとって一つの区切りとされる重要なスコアです。
英語力・評価の目安
- 基礎的な理解力: 簡単な日常会話を理解し、仕事に関する短い文章を読み取ることができます。
- 実用性: 海外旅行で買い物や食事をする際に困らない程度の英語力があると評価されます。
- ビジネス: 多くの企業が新入社員に求める最低限のスコアが600点前後であり、就職活動でアピールできる最初の目標値と言えるでしょう。
到達目安・学習法
- 必要学習時間: 初心者の方が0から目指す場合、一般的に700時間から950時間程度の学習時間が必要とされています。
- 期間の目安: 1日3時間学習すると、7ヶ月から11ヶ月程度かかる計算です。
- 学習のポイント: 中学・高校で学んだ基礎的な英語力をしっかりと固め、TOEICに頻出する単語を覚えることが重要です。
TOEICスコア 700点レベル:英語での仕事が可能になるライン
700点レベルになると、英語での業務遂行能力が評価され始め、日常生活でも英語で大きな不自由を感じなくなってきます。
このスコアから高得点と評価されることが多いです。
英語力・評価の目安
- ビジネス遂行能力: 英語での仕事ができるようになり、国際部門での業務も支障なくこなせるレベルと見なされます。
- 採用基準: 航空業界や旅行業界など、英語を使う職種での最低ラインとして設定されることが一般的です。
- 社内基準: 多くの企業で、海外赴任の条件や昇進・昇給の基準として定められています。
到達目安・学習法
- 600点からのスコアアップ: 約150時間から200時間の学習が必要です。
- 学習のポイント:
- リーディングの長文読解力を強化する。
- 英文を前から読み進めて瞬時に内容を理解する力を養う。
- TOEICのクセを掴み、効率的に解答するテクニックを習得する。
TOEICスコア 800点レベル:高度なビジネス英語を使いこなすライン
800点レベルは、会議で自分の意見を述べたり、複雑な会話でも適切に対応できたりする高度な英語力を示します。
英語力・評価の目安
- 高度な対応力: ビジネス英語をほぼ問題なく使いこなせるレベルとして評価されます。
- 就職・転職: 外資系企業や大手商社などで求められることが多いスコアです。
- キャリア: このレベルに到達すると、英語を武器としてキャリアアップを図ることが十分に可能になります。
TOEIC初心者が知っておくべき間違いやすいポイント
TOEICの勉強を始めたばかりの初心者の方が、「頑張っているのに点数が伸びない」「なぜか本番で実力が出せない」と感じることは少なくありません。
その原因の多くは、学習への取り組み方や試験への向き合い方にある、「陥りがちな間違いや勘違い」です。
ここでは、TOEIC初心者が知っておくべき、スコアを効率的に伸ばすために避けるべきポイントを詳しく解説します。これらを理解し、正しい対策を講じることで、あなたのTOEIC学習はより効率的になるでしょう。
英語力=TOEICスコアではないという勘違い
最もよくある勘違いの一つが、「高い英語力さえあれば、TOEICでも自動的に高得点が取れる」というものです。
実際には、TOEICには独特の出題形式、傾向、そして時間配分の厳しさがあります。そのため、単に英語力があるだけでは、その力をフルに発揮できないことがあります。
特に、時間配分の失敗により最後まで解答できず、実力以下のスコアになってしまうケースは少なくありません。
TOEICは「英語力を測る試験」であると同時に、「TOEICという試験の攻略法を知っているか」を問う試験でもあることを理解しましょう。
リーディングセクションの「全問制覇」を目指す
リーディングセクションは、75分で100問を解かなければなりません。単純計算で1問あたり45秒しかないという非常にタイトな計算になります。
全ての問題を丁寧に、じっくりと解こうとすると、必ず時間が足りなくなります。時間切れで最後の問題群を全て適当にマークしてしまうのは、非常にもったいない失点です。
TOEICでは、解ける問題を確実に正解すること、そして難しい問題は潔く捨てる判断力が必要です。
満点を取る必要がない場合、全ての問題を解くことに固執せず、目標スコア達成に必要な問題を確実に得点する戦略を立てましょう。
得意分野ばかりを偏って勉強する
もう一つの間違いは、得意な分野ばかりを勉強してしまうことです。
例えば、リスニングが得意な人は音声教材ばかりに取り組み、文法が好きな人はひたすら問題集を解く、という偏った学習では、大きな成長は望めません。
試験で点数を落とすのは苦手な分野であり、不得意分野にこそ最大の伸びしろがあるのです。自分の弱点を正確に把握し、その強化にこそ時間をかけることが、スコアアップへの近道となります。
単語帳を最初から「完璧」に覚えようと試みる
単語帳を最初から最後まで完璧に覚えようとして挫折するのも、初心者によくあるパターンです。
TOEICには頻出単語があり、それらを優先的に覚えることで効率的にスコアアップが可能です。
まずは『金のフレーズ』などのTOEIC専門の単語帳を使用し、出現頻度の高い単語(例えば600点、730点レベル)から集中的に覚えていくことをお勧めします。
「完璧」を目指すのではなく、「何度も繰り返し触れる」ことで、必要な単語から着実に語彙力を増強しましょう。
公式問題集を「解きっぱなし」にする
公式問題集や模試を解いた後、答え合わせだけで満足してしまうのも大きな間違いです。
なぜその答えになるのか、自分がどこで、なぜ間違えたのかを徹底的に分析することが、真の実力向上につながります。
特に間違えた問題は、正解の根拠や文構造、聞き取れなかった理由などを理解できるまで何度も復習することが重要です。問題を解く時間と同じか、それ以上の時間を復習にかける意識を持ちましょう。
【補足】TOEICの難易度は毎回違う?
TOEICの難易度が毎回違うのではないかと心配する受験者も多いのですが、実際には統計処理(IRT:項目応答理論など)により公平性が保たれています。
平均点が40点程度変動することはありますが、これは受験者層の違いによるもので、問題の難易度自体は常に一定の基準で調整されています。
全問正解でも満点にならないことがあるのは、この統計処理によるためです。一喜一憂せず、日々の学習に集中しましょう。
TOEIC平均スコアに関するよくある質問
TOEICスコアは、就職やキャリアアップにおいて英語力を証明するための重要な指標です。
しかし、受験を検討し始めたばかりの方にとって、「何点を目指せばいいの?」「有効期限はあるの?」など、疑問は尽きないでしょう。
ここでは、TOEIC受験者から特に多く寄せられる、スコアに関するよくある質問について、初心者にも分かりやすい言葉で回答していきます。
あなたの学習計画や受験準備にぜひお役立てください。
- TOEICは何点から履歴書に書ける?
-
一般的には、600点以上が一つの目安とされています。これくらいのスコアから、英語の基礎力と一定の学習意欲があると評価されることが多いです。
ただし、履歴書に記載する価値のあるスコアは、業界や職種によって大きく異なります。
- 一般的な企業: 600点以上
- 海外取引がある企業・部署: 700点以上
- 外資系企業や高い英語力を求める職種: 800点以上
応募先企業が英語力をどの程度重視しているかを確認し、それに合わせて目標スコアを設定することが大切です。
- TOEICの有効期限はある?
-
TOEICの公式な有効期限は設定されていません。
しかし、企業や大学は、最新の英語力を確認するために、一般的に2年以内のスコア提出を求めることが多いです。これは、「英語力は継続的に学習しないと低下する可能性がある」という考えに基づいています。
就職活動や昇進などでスコアを利用する予定がある場合は、利用時期から逆算して、2年以内に収まるように受験計画を立てるようにしましょう。
- 複数回受験してスコアが下がった場合、以前のスコアは上書きされる?
-
いいえ、上書きされることはありません。
TOEICでは、各回の受験結果が独立して記録されるため、過去のスコアが消える心配はありません。受験者は、取得したスコアの中で最も高い点数を選んで提出することができます。
スコアアップのためには複数回受験することが有効ですので、目標達成に向けて積極的にチャレンジすることをお勧めします。
- 初心者はまず何点を目標にすべき?
-
初心者の方は、まず500点から600点を目指すことをお勧めします。
いきなり高い目標(例:800点以上)を設定すると、学習が負担となり挫折しやすくなります。500〜600点という現実的な目標を設定し、達成できたら段階的に目標を上げていく方が、モチベーションを維持しやすく効果的です。
まずは現在の英語力を把握するために、公式サイトのサンプル問題や無料の模試を解いてみることから始めましょう。
- 1日どのくらい勉強すればスコアは上がる?
-
スコアアップの理想的な学習時間は、毎日2時間から3時間です。
この時間を継続できれば、3ヶ月から6ヶ月程度で100点から200点のスコアアップが期待できます。
ただし、社会人の方などで時間の確保が難しい場合は、1日30分でも毎日継続することが最も重要です。通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を活用して、単語学習やリスニング練習を行うだけでも、着実に実力は向上します。
- 公開テストとIPテスト、どちらを受験すべき?
-
用途によって使い分けましょう。
- 公開テスト (Official Test):
- 特徴: 公式認定証が発行されます。
- 用途: 就職活動、転職、大学への提出など、外部に公式な証明書として提出する場合は、こちらの受験が必要です。
- IPテスト (Institutional Program Test):
- 特徴: 企業や大学などの団体が主催するテストです。
- 用途: 自分の実力チェックや社内での評価に使う場合は、受験しやすいIPテストでも問題ありません。ただし、IPテストのスコアは一般的に公式認定証としては使えません。
なお、公開テストとIPテストのスコアの「意味(評価される英語力)」は同じです。
- 公開テスト (Official Test):
まとめ

本記事では、TOEICの最新平均スコアについて、さまざまな観点から詳しく解説しました。以下にその重要なポイントをまとめます。
2023年度TOEIC公開テストの全体平均スコア
- 全体平均スコアは612点で、内訳はリスニングが335点、リーディングが278点でした。
- 社会人の平均は639点、学生の平均は589点と、社会人の方が50点高い結果です。
- 年代別では、20代が最も高い646点で、年代が上がるにつれてスコアが低下する傾向にあります。
属性別の平均スコア傾向
- 職種別では、教育職(713点)、海外関連(731点)、法務(692点)が高く、業務で英語を使用する機会が多い職種ほど高スコアの傾向が見られます。
- 役職別では、役員(680点)、部長(668点)、課長(644点)と、上位役職ほど高いスコアとなっています。
- 学歴別では、大学院生(639点)、大学生(596点)、高校生(510点)の順です。専攻別では社会・法学系(623点)が最も高く、理系学部は比較的低い傾向にあります。
目標スコアと学習のヒント
- 目標設定の目安として、600点は就職活動でアピールできる最初の目標値、700点から高得点と評価され、800点以上で英語を武器にキャリアアップが可能なレベルとされます。
- 初心者の方は、まず現在の実力を把握し、500点から600点を最初の目標とすることをお勧めします。
- 効率的なスコアアップの鍵は、TOEICに頻出する単語を優先的に覚え、問題形式に慣れることです。
- 苦手分野を重点的に学習し、継続的に学習時間を確保することが重要です。
TOEICの平均スコアは年々変動しますが、
本記事のデータを参考に自分の目標スコアと現在位置を把握し、効果的な学習計画を立てましょう。着実な努力を続ければ必ず結果はついてきます。
英語学習を楽しみながら、一歩ずつ前進していきましょう。

