「as soon as possible」は英語の表現で、日本語では「できるだけ早く」「可能な限り速やかに」「なるべく早く」などと訳されます。この表現はビジネスシーンから日常会話まで幅広く使われており、急ぎの依頼や要望を伝える際に非常に便利なフレーズです。
メールや電話での連絡、会話など様々な場面で活用できるため、英語学習者にとって覚えておくと役立つ表現です。
この記事では、「as soon as possible」の基本的な意味から実際の使い方、略語形式、類似表現との違いまで詳しく解説します。正しく使いこなせれば、あなたの英語コミュニケーションがより効果的になることでしょう。
「as soon as possible」の基本的な意味と構造

「as soon as possible」は英語で急ぎの状況や迅速な行動を求める際によく使われる表現です。
この基本的な意味を理解し、文法的な構造を知ることで、より的確に使いこなせるようになります。
基本的な意味
「as soon as possible」の直訳は「可能な限り速やかに」となります。つまり、「できる範囲で最も早く」という意味です。
この表現は相手に対して急ぎの対応を求める際によく使われますが、「immediately(即座に)」などと比べるとやや柔らかい印象を与えます。
「as soon as possible」は急いでほしいという気持ちを伝えながらも、相手の状況も考慮した表現です。
例文
- I will finish my homework as soon as possible.
(宿題をできるだけ早く終わらせます。) - Please send me the files as soon as possible.
(ファイルをできるだけ早く送ってください。) - We need to solve this problem as soon as possible.
(この問題をできるだけ早く解決する必要があります。)
文法的な構造
この表現は「as + 副詞 + as + 可能性を表す語」という構造になっています。「as」が二つあるパターンは「~と同じくらい~」という比較表現です。つまり「可能な限り速やかに」という意味になります。
「soon」は「すぐに」「間もなく」という意味の副詞で、「possible」は「可能な」という意味です。この組み合わせで「可能な限りすぐに」という意味が生まれます。
同様の構造の表現には「as quickly as possible(できるだけ速く)」「as carefully as possible(できるだけ注意深く)」などがあります。
「as soon as possible」の発音と読み方
「as soon as possible」を正しく発音できることは、効果的なコミュニケーションのために重要です。ここではこの表現の発音とカタカナでの読み方を紹介します。
「as soon as possible」の発音は英語のネイティブスピーカーにとっても少し長いフレーズなので、以下のようにカタカナ英語で表すことができます。
「アズ・スーン・アズ・ポッシブル」
IPA(国際音声記号)では /æz suːn æz ˈpɒsɪbəl/ と表記されます。「soon」の部分は特に強く発音され、「possible」の「pos」にもアクセントが置かれます。
もちろん、実際の発音ではもう少し滑らかにつながりますが、基本的にはこのような発音になります。特に「as」と「soon」、「as」と「possible」の間は繋げて発音される傾向があり、ネイティブスピーカーが話すと「アズスーナズポッシブル」のように聞こえることもあります。
発音練習としては、まず単語ごとに区切って練習し、徐々に速くつなげていくと良いでしょう。リスニングの際も、この表現は頻繁に使われるため、耳を慣らしておくことが大切です。
「as soon as possible」の略語「ASAP」
「as soon as possible」は長い表現なので、特にビジネスメールやカジュアルな会話では「ASAP」という略語がよく使われます。
この略語の使い方と読み方について詳しく見ていきましょう。
略語の意味と読み方
「ASAP」は「as soon as possible」の頭文字を取った略語です。この略語は次のように読むことができます。
- 「エー・エス・エー・ピー」(各文字を読む)
- 「エイサップ」(一つの単語として読む)
いずれの読み方も一般的に使われており、特にビジネスコミュニケーションでは頻繁に見かける表現です。
英語圏では「エイサップ」と一語で発音されることが多く、カジュアルな印象を与えます。
例文
- I need that report ASAP.
(そのレポートをできるだけ早く必要としています。) - Can you finish this project ASAP?
(このプロジェクトをできるだけ早く終わらせられますか?) - Send me your answer ASAP.
(できるだけ早く回答を送ってください。)
「ASAP」の使用シーン
「ASAP」は主にビジネスの場面でよく使われますが、カジュアルな文脈でも使われます。ただし、正式な文書や目上の人への連絡では、略さずに「as soon as possible」と書くことが礼儀正しいとされています。
「ASAP」はメールの件名に使われることもあり、その場合は緊急性を強調する意味合いがあります。たとえば、「URGENT: Reply ASAP」のような件名は、すぐに返信が必要なことを示しています。
ビジネスメールやチャットでは特に便利な略語ですが、初対面の相手や公式な場面では、誤解を避けるために略さない方が良いでしょう。
「as soon as possible」の様々な使い方
「as soon as possible」は様々な状況で使用できる便利な表現です。
ビジネスシーン、日常会話、メールや手紙など、異なるコンテキストでの使い方を詳しく見ていきましょう。
ビジネスシーンでの使用例
ビジネスの場面では、締め切りや急ぎの依頼を伝える際によく使われます。
相手に迅速な対応を求めつつも、ある程度の柔軟性を持たせる表現として適しています。
例文
- Please submit your expense report as soon as possible.
(経費報告書をできるだけ早く提出してください。) - We need to finalize the contract as soon as possible to meet the deadline.
(締め切りに間に合わせるため、できるだけ早く契約を確定する必要があります。) - I’ll review your proposal as soon as possible and get back to you with feedback.
(あなたの提案をできるだけ早く確認し、フィードバックをお返しします。)
日常会話での使用例
日常会話でも急ぎの用事や緊急の状況を表現する際に使われます。
友人や家族との会話でも、迅速な行動や対応が必要なことを伝える時に役立ちます。
例文
- I’ll come home as soon as possible after work.
(仕事が終わったらできるだけ早く帰宅します。) - Please call the doctor as soon as possible.
(できるだけ早く医者に電話してください。) - Let me know about your travel plans as soon as possible so I can arrange to pick you up.
(お迎えの手配ができるよう、旅行の予定についてできるだけ早く教えてください。)
メールや手紙での使用例
ビジネスメールやプライベートな連絡でも、返信や対応を求める際に使われます。
特に迅速な返答が必要な時や、何かの締め切りがある場合によく使用されます。
例文
- I would appreciate your response as soon as possible.
(できるだけ早くご返答いただければ幸いです。) - Please confirm your attendance as soon as possible.
(できるだけ早く出席の確認をお願いします。) - I need the information as soon as possible to prepare for tomorrow’s meeting.
(明日の会議の準備のため、できるだけ早くその情報が必要です。)
「as soon as possible」を含む一般的な表現
「as soon as possible」は様々な動詞や表現と組み合わせて使われることが多いです。
ここでは、特によく使われる組み合わせと具体的な例文を紹介します。
「Reply as soon as possible」
「できるだけ早く返信してください」という意味で、ビジネスメールでよく使われる表現です。
急ぎの返信が必要な場合や、重要な情報を求める際に使います。
例文
- Please reply to this email as soon as possible, as the information is needed for our upcoming presentation.
(この情報は今後のプレゼンテーションに必要なので、このメールにできるだけ早く返信してください。) - I need your feedback, so please reply as soon as possible.
(あなたのフィードバックが必要なので、できるだけ早く返信してください。) - Please reply to my question as soon as possible.
(私の質問にできるだけ早く返信してください。)
「Come as soon as possible」
「できるだけ早く来てください」という意味で、急を要する状況でよく使われます。
緊急の会議や助けが必要な状況など、相手の迅速な到着を求める場合に適しています。
例文
- My car broke down on the highway. Can you come as soon as possible?
(高速道路で車が故障しました。できるだけ早く来てもらえますか?) - The manager wants you to come to his office as soon as possible.
(マネージャーはあなたにできるだけ早くオフィスに来てほしいそうです。) - Please come to the hospital as soon as possible.
(できるだけ早く病院に来てください。)
「Let me know as soon as possible」
「できるだけ早く知らせてください」という意味で、決断や情報を求める際によく使われます。
計画を立てるために早めに情報が必要な場合などに使用します。
例文
- Let me know as soon as possible if you can attend the party this Saturday.
(今週の土曜日のパーティーに参加できるかどうか、できるだけ早く知らせてください。) - Let me know your decision as soon as possible.
(あなたの決断をできるだけ早く知らせてください。) - Please let me know the cost as soon as possible.
(費用についてできるだけ早く知らせてください。)
「as soon as possible」と類似表現の違い
「as soon as possible」と似た意味を持つ表現はいくつかありますが、それぞれにニュアンスの違いがあります。
適切な表現を選ぶために、これらの違いを理解しましょう。
「as soon as possible」と「immediately」の違い
- 「as soon as possible」:「できる限り早く」という意味で、相手の状況も考慮した表現です。可能な範囲での迅速な対応を求めています。
- 「immediately」:「即座に」「直ちに」という意味で、より強い緊急性や命令の響きがあります。その場ですぐに行動することを求める表現です。
例文
- Please respond as soon as possible.
(できるだけ早く返答してください。)→相手の状況を考慮した依頼 - Please respond immediately.
(直ちに返答してください。)→より強い緊急性
「as soon as possible」と「at your earliest convenience」の違い
- 「as soon as possible」:「できるだけ早く」という意味で、ある程度の緊急性を示します。
- 「at your earliest convenience」:「ご都合のよいときに」という意味で、より丁寧で急を要しない表現です。相手の都合を優先する姿勢を示しています。
例文
- Please send the documents as soon as possible.
(できるだけ早く書類を送ってください。)→緊急性あり - Please send the documents at your earliest convenience.
(ご都合のよいときに書類を送ってください。)→丁寧で控えめ
「as soon as possible」と「promptly」の違い
- 「as soon as possible」:「できるだけ早く」という意味で、可能な限り迅速な対応を求めます。
- 「promptly」:「迅速に」「速やかに」という意味で、無駄なく効率的に行うことを重視します。迅速さと正確さの両方を期待する表現です。
例文
- I’ll finish the project as soon as possible.
(できるだけ早くプロジェクトを終わらせます。)→可能な限り早く - I’ll handle your request promptly.
(ご要望に迅速に対応します。)→効率的かつ速やかに
「as soon as possible」の使用時の注意点
「as soon as possible」を効果的に使うためには、いくつかの注意点があります。
フォーマルさのレベル、略語の使用状況、緊急性の伝え方などについて理解しておきましょう。
フォーマルさのレベル
「as soon as possible」は一般的なビジネスシーンでは十分に丁寧な表現ですが、より丁寧に表現したい場合や、目上の人に対しては「at your earliest convenience」などの表現を検討するとよいでしょう。
相手との関係性や状況に応じて、適切な表現を選ぶことが重要です。例えば、初めてのビジネス連絡や公式文書では、より丁寧な表現を選ぶことで、良い印象を与えることができます。
例文
- 同僚に
Please finish this report as soon as possible.
(このレポートをできるだけ早く終わらせてください。) - 上司や取引先に
I would greatly appreciate it if you could review this report at your earliest convenience.
(ご都合のよいときにこのレポートを確認していただければ大変ありがたく存じます。)
略語「ASAP」の使用状況
「ASAP」は主にカジュアルなビジネスコミュニケーションや同僚間の会話で使用されます。
正式な文書や目上の人への連絡では、略さずに「as soon as possible」と書くことが推奨されます。
例文
- 同僚に
Can you review this document ASAP?
(このドキュメントをすぐに確認してもらえる?) - 上司に
Could you please review this document as soon as possible?
(このドキュメントをできるだけ早く確認していただけませんか?)
緊急性の伝え方
「as soon as possible」だけでは具体的な時間感覚が伝わらないことがあります。
本当に急ぎの場合は、具体的な期限を伝える方が効果的です。
例文
- Please complete this task as soon as possible, preferably by tomorrow morning.
(このタスクをできるだけ早く、できれば明日の朝までに完了してください。) - I need your response as soon as possible, ideally within the next hour.
(できるだけ早く、理想的には次の1時間以内にあなたの返答が必要です。) - Please send the files as soon as possible, no later than Friday.
(ファイルをできるだけ早く、遅くとも金曜日までに送ってください。)
「as soon as possible」の文化的背景
「as soon as possible」の使用は文化によって異なる場合があります。異なる文化における時間の概念や緊急性の捉え方を理解することで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。
日本語には「できるだけ早く」「なるべく早く」「一刻も早く」など、様々な表現がありますが、英語圏では「as soon as possible」が一般的に使われます。ただし、文化によって緊急性の捉え方や表現方法は異なります。
アメリカのビジネス文化では、「ASAP」という略語が頻繁に使われ、スピードと効率が重視される傾向があります。一方、イギリスではよりフォーマルな表現が好まれ、「at your earliest convenience」のような丁寧な言い回しが多く使われます。
また、目上の人に対して「ASAP」を使うことを避ける傾向は、特に日本のようなビジネス文化で顕著です。日本の文化では、目上の人に急かすような表現を使うことは失礼と考えられることが多いため、より丁寧な表現を選ぶことが重要です。
異文化間のコミュニケーションでは、こうした違いを理解し、相手の文化的背景を考慮した表現を選ぶことが大切です。特にグローバルなビジネス環境では、表現の選択が相手に与える印象に大きく影響します。
「as soon as possible」に関するよくある質問
「as soon as possible」について、英語学習者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
これらの疑問点を解消して、より確実に使いこなせるようにしましょう。
- 「as soon as possible」と「as soon as」の違いは何ですか?
-
「as soon as possible」は「できるだけ早く」という意味で、可能な限り迅速に行動することを求める表現です。一方、「as soon as」は「〜するとすぐに」という意味で、ある行動が終わった直後に別の行動が起こることを示す接続詞です。
- Please come as soon as possible.
(できるだけ早く来てください。)→可能な限り早く - I will call you as soon as I arrive home.
(家に着いたらすぐに電話します。)→到着した直後に
- Please come as soon as possible.
- 「ASAP」はフォーマルな文書でも使えますか?
-
「ASAP」はカジュアルな略語なので、正式な文書や目上の人への連絡では使わない方が良いでしょう。フォーマルな状況では、略さずに「as soon as possible」と書くことが推奨されます。特に初めての連絡や公式文書では、略語を避けることで、より丁寧で専門的な印象を与えることができます。
- 「as soon as possible」より丁寧な表現はありますか?
-
「as soon as possible」よりも丁寧な表現としては、「at your earliest convenience(ご都合のよいときに)」があります。これは相手の都合を優先する姿勢を示す表現で、特に目上の人や初めての取引先などに対して使うと良いでしょう。また、「when you have a moment(時間があるときに)」も丁寧で押し付けがましくない表現です。
- I would appreciate your feedback at your earliest convenience.
(ご都合のよいときにフィードバックをいただければ幸いです。) - Please review this document when you have a moment.
(時間があるときにこの書類を確認してください。)
- I would appreciate your feedback at your earliest convenience.
- 「as soon as possible」に具体的な期限を追加するには?
-
「as soon as possible」だけでは具体的な時間感覚が伝わらないことがあるため、具体的な期限を追加すると効果的です。「preferably by(できれば〜までに)」「no later than(遅くとも〜までに)」「within(〜以内に)」などの表現を使うことができます。
- Please respond as soon as possible, preferably by Wednesday.
(できるだけ早く、できれば水曜日までに返信してください。) - We need the report as soon as possible, no later than the end of this month.
(レポートをできるだけ早く、遅くとも今月末までに必要としています。) - Please complete this task as soon as possible, within the next 24 hours if possible.
(このタスクをできるだけ早く、可能であれば次の24時間以内に完了してください。)
- Please respond as soon as possible, preferably by Wednesday.
- 「as soon as possible」は命令的に聞こえますか?
-
「as soon as possible」は「immediately(即座に)」よりは柔らかい表現ですが、それでも緊急性を伝える表現であるため、文脈によっては命令的に聞こえることがあります。より丁寧に伝えたい場合は、「I would appreciate it if you could…(〜していただければ幸いです)」「It would be helpful if you could…(〜していただけると助かります)」などの表現を前に付けると良いでしょう。
- I would appreciate it if you could send me the files as soon as possible.
(できるだけ早くファイルを送っていただければ幸いです。) - It would be helpful if you could reply as soon as possible.
(できるだけ早く返信していただけると助かります。)
- I would appreciate it if you could send me the files as soon as possible.
まとめ:「as soon as possible」の使い方のポイント

「as soon as possible」は英語での緊急性を表す基本的な表現の一つです。
この表現を使いこなすためのポイントをまとめると、以下のようになります。
- 基本的な意味は「できるだけ早く」「可能な限り速やかに」です。何かを迅速に行うことを求める際に使われます。
- 略語「ASAP」はカジュアルな場面で使用されますが、フォーマルな状況では略さないことが望ましいです。特に目上の人や公式文書では、略語は避けましょう。
- 緊急度や状況に応じて、「immediately」「at your earliest convenience」など類似表現と使い分けましょう。特に丁寧さや緊急性のレベルによって適切な表現が異なります。
- 本当に急ぎの場合は、具体的な期限を合わせて伝えるとより効果的です。「preferably by」「no later than」などの表現を追加しましょう。
- 文化的な背景や相手との関係性を考慮して、適切な表現を選ぶことが重要です。特に国際的なコミュニケーションでは、文化による違いを理解しておくことが大切です。
- より丁寧に伝えたい場合は、「I would appreciate it if you could…」などの表現を前に付けると良いでしょう。
「as soon as possible」という表現を適切に使えるようになると、英語でのコミュニケーションがよりスムーズになります。
ビジネスシーンから日常会話まで、様々な場面で活用してみてください。
この表現は英語の基本的な表現の一つですので、正しく使いこなせると英語力の向上にもつながります。