「be born」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語では「生まれる」と訳されます。
シンプルな表現ながら、文法的に特殊な性質を持ち、様々な使い方ができる便利なフレーズです。
この記事では「be born」の基本的な意味から文法的特徴、実際の使い方まで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「be born」の基本的な意味
「be born」の基本的な意味は「生まれる」です。
人や動物が母体から出て生を受けること、また比喩的に何かが新たに生み出されることを表します。
例文
- I was born in Tokyo.
(私は東京で生まれました。) - My daughter was born last year.
(私の娘は去年生まれました。) - A new star is born in the night sky.
(夜空に新しい星が生まれる。)
「be born」の文法的特徴
「be born」は文法的にとても興味深い表現です。
これは受動態の形をしていますが、一般的な受動態とは少し異なる特殊な性質を持っています。
受動態としての「be born」
「be born」は動詞「bear」(産む、生む)の過去分詞「born」とbe動詞を組み合わせた形です。
通常、受動態は「誰かによって~される」という意味ですが、「be born」の場合は特殊です。
例文
- The book was written by a famous author.
(その本は有名な作家によって書かれました。)- 一般的な受動態 - I was born in 1990.
(私は1990年に生まれました。)- 特殊な受動態
一般的な受動態では「by + 動作主」を加えることができますが、「be born」の場合は普通「by my mother」のような表現は使いません。
これは「生まれる」という行為が、自分の意志とは関係なく起こる特殊な出来事だからです。
時制による変化
「be born」は様々な時制で使うことができますが、最も一般的なのは過去形です。
例文(過去形)
- He was born in a small village.
(彼は小さな村で生まれました。) - They were born on the same day.
(彼らは同じ日に生まれました。)
例文(現在形)
- Approximately 385,000 babies are born each day worldwide.
(世界では毎日約385,000人の赤ちゃんが生まれています。)
例文(未来形)
- The baby will be born sometime next month.
(赤ちゃんは来月のいつか生まれる予定です。)
例文(現在完了形)
- She has been born into a wealthy family.
(彼女は裕福な家庭に生まれました。)
「be born」の様々な使い方
「be born」は単に出生の事実を述べるだけでなく、様々な文脈で使われます。
出生の時間と場所を伝える
最も基本的な使い方として、いつどこで生まれたかを表現します。
例文
- I was born on April 15, 1988.
(私は1988年4月15日に生まれました。) - Were you born in this hospital?
(あなたはこの病院で生まれましたか?) - My father was born during World War II.
(父は第二次世界大戦中に生まれました。)
出生時の状態や特徴を表す
「be born + 形容詞/名詞」の形で、生まれたときの状態や特徴を表すことができます。
例文
- She was born blind.
(彼女は生まれつき目が見えませんでした。) - He was born a natural athlete.
(彼は生まれながらのアスリートでした。) - The twins were born healthy despite being premature.
(双子は早産だったにもかかわらず、健康に生まれました。)
比喩的な「誕生」を表す
物事やアイデア、概念などが新しく生まれることを表すのにも使われます。
例文
- A new political movement was born after the crisis.
(危機の後、新しい政治運動が生まれました。) - The internet as we know it today was born in the 1990s.
(私たちが今日知っているインターネットは1990年代に生まれました。) - Great ideas are often born from simple observations.
(優れたアイデアはしばしば単純な観察から生まれます。)
「be born」を含む便利な表現
「be born」を含むいくつかの便利な表現を見ていきましょう。
「be born into + 環境/家庭」
生まれた環境や家庭を表す表現です。
例文
- She was born into a musical family.
(彼女は音楽家の家庭に生まれました。) - Many children are born into poverty.
(多くの子供たちは貧困の中に生まれてきます。) - He was born into privilege.
(彼は恵まれた環境に生まれました。)
「be born with + 特性/状態」
生まれつき持っている特性や状態を表す表現です。
例文
- The child was born with a rare genetic condition.
(その子は珍しい遺伝的疾患を持って生まれました。) - Some people are born with natural talent for music.
(音楽に対する天賦の才能を持って生まれる人もいます。) - She was born with a strong sense of justice.
(彼女は生まれつき強い正義感を持っていました。)
「be born to + 人/目的」
誰の子として生まれたか、または何のために生まれたかを表す表現です。
例文
- The baby was born to a young couple from Osaka.
(その赤ちゃんは大阪の若いカップルに生まれました。) - She feels she was born to dance.
(彼女は踊るために生まれてきたと感じています。) - He believes he was born to make a difference in the world.
(彼は世界に変化をもたらすために生まれてきたと信じています。)
「be born」と「born」の形容詞的用法
「born」は形容詞としても使われ、「生まれながらの」「生まれつきの」という意味になります。
例文
- She is a born leader.
(彼女は生まれながらのリーダーです。) - He’s a born artist.
(彼は生まれながらの芸術家です。) - Some people are born optimists.
(生まれながらの楽観主義者である人もいます。)
この用法では「be」は通常の連結動詞として機能し、「born」は形容詞として働いています。
「be born」の受動態とは異なる構造です。
「be born」に関する文化的・文法的考察
「be born」という表現は、文法的にも文化的にも興味深い特徴を持っています。
「be born」は形式上は受動態ですが、日本語の「生まれる」と同様に、自然に発生する自動詞的な意味合いを持っています。
これは多くの言語で共通の現象で、ラテン語やギリシャ語でも同様の特殊性が見られます。
生まれるという行為は本人の意志とは関係なく起こるものであり、かつ母親だけでなく自然や生命の神秘的なプロセスによるものと考えられているため、このような特殊な文法形式になったと考えられています。
「born」と「borne」の違い
「bear」の過去分詞には「born」と「borne」の2つの形があります。
「born」は特に出生に関する場合にのみ使われ、「borne」はそれ以外の「bear」の意味(運ぶ、耐える、産むなど)の受動態で使われます。
例文
- She was born in France.
(彼女はフランスで生まれました。)- 出生 - The costs were borne by the company.
(その費用は会社によって負担されました。)- 負担する
まとめ:「be born」の使い方のポイント

「be born」は英語で「生まれる」という意味を持つ重要な表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、
- 基本的な意味は「生まれる」で、人や動物の出生、または物事の新たな始まりを表します。
- 文法的には受動態の形をしていますが、一般的な受動態とは異なり、通常「by +動作主」を取りません。
- 最も一般的には過去形(was born/were born)で使われますが、他の時制でも使えます。
- 「be born into」「be born with」「be born to」などの表現で、生まれた環境、生まれつきの特性、目的などを表せます。
- 「born」は形容詞としても使われ、「生まれながらの」という意味になります。
「be born」をマスターすれば、自己紹介や人物の説明、歴史的出来事の説明などで役立つでしょう。
日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用できる表現なので、ぜひ積極的に使ってみてください。