「because of」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語では主に「~のために」「~が原因で」「~のせいで」と訳されます。
シンプルな表現ながら、「because」との違いや使い方のルールを正確に理解することで、英語での表現の幅が広がります。
この記事では「because of」の基本的な意味から実際の使い方、類似表現との違いまで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「because of」の基本的な意味
「because of」の基本的な意味は「~が原因で」「~のせいで」「~のために」です。
何かが起こった理由や原因を示す際に使われる表現です。
「Why(なぜ)」という質問に対する答えとして使われることが多いです。
例文
- The concert was cancelled because of the heavy rain.
(コンサートは大雨のために中止になりました。) - She was late because of the traffic jam.
(彼女は交通渋滞のせいで遅刻しました。) - I couldn’t sleep because of the noise from next door.
(隣からの騒音のせいで眠れませんでした。)
「because of」の文法と構造
「because of」の後に来るもの
「because of」は前置詞句として機能し、その後には名詞(句)が続きます。
動詞や完全な節(主語+動詞)は続きません。
例文
- He couldn’t attend the meeting because of his illness.
(彼は病気のために会議に出席できませんでした。) - We decided to stay home because of the bad weather.
(私たちは悪天候のために家にいることに決めました。) - The project was delayed because of unexpected technical problems.
(そのプロジェクトは予期せぬ技術的問題のために遅れました。)
「because of」の文中での位置
「because of」は文の中で様々な位置に置くことができます。
文頭に置くこともできますし、文の途中や文末に置くこともできます。
例文
- Because of the rain, we had to cancel our picnic.
(雨のため、私たちはピクニックをキャンセルしなければなりませんでした。) - The flight was delayed because of the storm.
(フライトは嵐のために遅延しました。) - She decided to change her career path, all because of one inspiring conversation.
(彼女はキャリアパスを変えることに決めました、すべては一つの感動的な会話がきっかけでした。)
「because of」と「because」の違い
「because of」と「because」は似ていますが、文法的に大きな違いがあります。
「because of」(前置詞句)
「because of」は前置詞句であり、その後には名詞または名詞句が続きます。
例文
- I was absent because of my illness.
(私は病気のために欠席しました。) - We couldn’t see the stars because of the clouds.
(雲のせいで星が見えませんでした。)
「because」(接続詞)
一方、「because」は接続詞であり、その後には完全な節(主語+動詞)が続きます。
例文
- I was absent because I was ill.
(私は病気だったので欠席しました。) - We couldn’t see the stars because the sky was cloudy.
(空が曇っていたので星が見えませんでした。)
簡単に言えば以下になります。
- 「because of + 名詞/名詞句」
- 「because + 主語 + 動詞」
「because of」と「due to」の関係
「because of」と「due to」は似た意味を持ち、多くの場合互換的に使われることがありますが、伝統的な文法では使い方に違いがあります。
伝統的な違い
伝統的には以下になります。
例文
- The trip was cancelled because of the storm.
(その旅行は嵐のためにキャンセルされました。)- 動詞「cancelled」を修飾 - The cancellation of the trip was due to the storm.
(その旅行のキャンセルは嵐が原因でした。)- 名詞「cancellation」を修飾
現代の使用法
現代の英語では、この区別はあまり厳格ではなくなっており、多くの場合、「because of」と「due to」は互換的に使われるようになっています。
ただし、フォーマルな文書では伝統的な区別を守る方が無難です。
例文
- She couldn’t attend the conference because of her illness.
(彼女は病気のためにその会議に出席できませんでした。) - She couldn’t attend the conference due to her illness.
(彼女は病気のためにその会議に出席できませんでした。)
「because of」の様々な使い方
否定的な状況の原因を示す
例文
- The game was postponed because of the bad weather.
(試合は悪天候のために延期されました。) - I couldn’t finish my homework because of the power outage.
(停電のせいで宿題を終えることができませんでした。) - He lost his job because of the economic downturn.
(彼は経済不況のために仕事を失いました。)
肯定的な状況の原因を示す
例文
- She got the promotion because of her hard work.
(彼女は努力のおかげで昇進しました。) - The team won the championship because of their excellent teamwork.
(そのチームは素晴らしいチームワークのおかげで選手権を勝ち取りました。) - I was able to buy a house because of my savings.
(私は貯金のおかげで家を買うことができました。)
感情や状態の原因を示す
例文
- He was happy because of the good news.
(彼は良いニュースのおかげで幸せでした。) - She was worried because of the upcoming exam.
(彼女は今後の試験のことで心配していました。) - I feel energized because of the morning exercise.
(朝の運動のおかげで元気を感じます。)
「because of」を含む一般的な表現
「all because of」(すべて~のおかげで/せいで)
例文
- We won the competition, all because of your brilliant idea.
(私たちはコンテストに勝ちました、すべてあなたの素晴らしいアイデアのおかげです。) - He’s in trouble, all because of one careless mistake.
(彼は困っています、すべては一つの不注意な間違いのせいです。)
「just because of」(ただ~だけのために)
例文
- Don’t change your plans just because of me.
(私のためだけに予定を変えないでください。) - She was upset just because of a small comment.
(彼女はただ小さなコメントだけで動揺していました。)
「mainly/mostly because of」(主に~のために)
例文
- The project succeeded mainly because of her leadership.
(そのプロジェクトは主に彼女のリーダーシップのおかげで成功しました。) - He chose that university mostly because of its strong science program.
(彼は主にその大学の充実した科学プログラムのために、その大学を選びました。)
「because of」を使った会話例
会話例1:遅刻の理由
例文
- A: Why are you late for the meeting?
(なぜ会議に遅刻したのですか?) - B: I’m sorry I’m late because of the heavy traffic.
(交通渋滞のせいで遅れてしまって申し訳ありません。) - A: No problem. It’s raining heavily, so the traffic is terrible today.
(問題ありません。今日は大雨で、交通状況はひどいですね。)
会話例2:計画の変更
例文
- A: Did you enjoy your vacation in Okinawa?
(沖縄での休暇は楽しかった?) - B: Actually, we had to change our plans because of a typhoon.
(実は、台風のために計画を変更しなければなりませんでした。) - A: That’s too bad. Where did you go instead?
(それは残念ですね。代わりにどこに行ったの?) - B: We went to Hokkaido instead, and it was amazing because of the beautiful autumn leaves.
(代わりに北海道に行きました、そして紅葉が美しかったのでとても素晴らしかったです。)
まとめ:「because of」の使い方のポイント

「because of」は英語で「~のために」「~が原因で」という意味を持つ便利な表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、
- 基本的な意味は「~が原因で」「~のせいで」「~のために」です。
- 前置詞句として機能し、その後には名詞(句)が続きます。
- 「because」とは違い、「because of」の後には完全な節(主語+動詞)は続きません。
- 「due to」と似た意味を持ちますが、伝統的には異なる文法的役割を持ちます。
- 否定的な状況、肯定的な状況、感情や状態の原因など、様々な場面で使えます。
- 「all because of」「just because of」「mainly because of」など、さまざまな表現と組み合わせることができます。
「because of」をマスターすれば、英語での理由や原因の説明がより自然になります。
日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用できる表現なので、ぜひ使ってみてください。