「明日、私は映画を見に行きます」「彼女は来年大学を卒業するでしょう」—これらの「これから起こること」を英語で表現するとき、使うのが「未来形」です。英語の文法では、未来のことを表すのに複数の表現方法があり、それぞれ少しずつニュアンスが異なります。
この記事では、英語初学者の方でも理解しやすいように、未来形の基本的な意味から実際の使い方まで例文とともに詳しく解説します。
未来形の基本:主な4つの表現方法

英語で未来のことを表す方法は主に4つあります。「will」「be going to」「現在進行形」「現在形」です。これらはそれぞれ使う場面が異なり、ニュアンスにも違いがあります。
「will」は今決めたことや自然な成り行きでそうなる未来を表します。一方「be going to」はすでに決まっている予定や計画を表現します。また、現在進行形は近い未来の確実な予定を、現在形は時刻表などで確定している予定を表すのに使われます。
これらの表現をいつ、どのように使うべきか、順番に見ていきましょう。
willの使い方:その場の決断と予測
「will」は最も基本的な未来形で、「〜するつもりだ」「〜だろう」という意味を持ちます。
大きく分けて「その場での決断」と「予測」の2つの用法があります。
その場で決めた意思を表す
「will」は、話している瞬間に意思決定をしたことを表現するのに使います。
つまり、あらかじめ計画していたのではなく、その場で決めたことを伝えるときに適しています。
例文
- The phone is ringing. I will answer it.(電話が鳴っている。私が出ます)
- It’s hot in here. I will open the window.(ここは暑いですね。窓を開けましょう)
- You look tired. I will make some coffee for you.(疲れているようだね。コーヒーを入れるよ)
これらの例文はすべて、その状況を見て即座に決断したことを表しています。
未来の予測を表す
「will」はまた、未来に起こると予測されることを表す場合にも使われます。
特に自然な成り行きでそうなるだろうという予想を表現するのに適しています。
例文
- It will probably rain tomorrow.(明日はたぶん雨が降るでしょう)
- She will be happy when she gets the present.(彼女はプレゼントをもらうと喜ぶでしょう)
- My brother will arrive at the station at 7:00.(兄は7時に駅に着くでしょう)
これらの例文では、話し手の予測に基づいて未来に起こることを述べています。
willの否定文と疑問文
willの否定文は「will not」または短縮形「won’t」を使って作ります。
例文
- I will not go to the party tonight.(今夜はパーティーに行きません)
- She won’t be able to come tomorrow.(彼女は明日来ることができないでしょう)
疑問文は「Will + 主語 + 動詞の原形」の語順で作ります。
例文
- Will you help me with my homework?(宿題を手伝ってくれますか?)
- Will it be sunny this weekend?(今週末は晴れるでしょうか?)
be going toの使い方:決まっている予定と意図
「be going to」は、「〜する予定だ」「〜するつもりだ」という意味を持ち、前もって決めていたことを表します。
また、現在の状況から予測できる未来の出来事を表すこともできます。
前もって決めていた予定や計画
「be going to」は、話す前にすでに決まっていた予定や計画を表すのに使います。
これは「will」のように即決ではなく、前もって考えていたことです。
例文
- I am going to visit my grandmother this weekend.(今週末、祖母を訪ねる予定です)
- They are going to move to Osaka next month.(彼らは来月大阪に引っ越す予定です)
- She is going to study abroad next year.(彼女は来年留学する予定です)
これらの例文はすべて、あらかじめ計画していたことを表しています。
現在の状況から予測できる未来
「be going to」はまた、現在の状況や兆候から、ほぼ確実に起こると予測される未来の出来事を表すのにも使われます。
例文
- Look at those dark clouds. It is going to rain.(あの黒い雲を見て。雨が降りそうです)
- Be careful! You are going to fall.(気をつけて!転びそうですよ)
- She is going to have a baby in June.(彼女は6月に赤ちゃんが生まれる予定です)
これらの例文では、現在見える兆候から予測される未来の出来事を述べています。
be going toの否定文と疑問文
be going toの否定文は「be動詞 + not + going to」の形で作ります。
例文
- I am not going to attend the meeting tomorrow.(明日の会議には出席しません)
- He is not going to play soccer this afternoon.(彼は今日の午後サッカーをするつもりはありません)
疑問文は「be動詞 + 主語 + going to」の語順で作ります。
例文
- Are you going to watch the movie tonight?(今夜その映画を見る予定ですか?)
- Is she going to participate in the contest?(彼女はそのコンテストに参加する予定ですか?)
現在進行形で表す未来:確実な予定
英語では、現在進行形(be動詞 + 動詞ing)を使って近い未来の確実な予定を表すことができます。
これは特に、時間や場所が決まっていて、準備も進んでいるような予定を表すのに適しています。
例文
- I am meeting my friend at the station at 5:00.(5時に駅で友達と会う予定です)
- We are having a party this Saturday.(今週の土曜日にパーティーを開きます)
- She is flying to Tokyo next week.(彼女は来週東京に飛行機で行きます)
これらの例文では、すでに決まっていて準備も進んでいる近い未来の予定を表しています。
この用法は特に、行く(go)、来る(come)、会う(meet)、出発する(leave)などの動詞でよく使われます。
現在形で表す未来:確定している予定
驚くことに、英語では現在形を使って未来のことを表すこともできます。
これは特に、時刻表や公式なスケジュールなど、確定していて変更の可能性が低い予定を表すのに適しています。
例文
- The train leaves at 7:30 tomorrow morning.(電車は明日朝7時30分に出発します)
- The movie starts at 8:00 PM.(映画は午後8時に始まります)
- School begins next Monday.(学校は来週の月曜日に始まります)
これらの例文では、すでに決まっていて変更される可能性が低い予定を現在形で表しています。
特に、出発する(leave)、始まる(start、begin)、到着する(arrive)などの動詞でよく使われます。
未来進行形と未来完了形:より複雑な未来表現
英語にはさらに、未来進行形(will be + 動詞ing)と未来完了形(will have + 過去分詞)という表現もあります。
これらは中学英語よりも少し難しいレベルですが、知っておくと便利です。
未来進行形:未来のある時点で進行中の動作
未来進行形は、未来のある時点で進行中であろう動作を表します。
例文
- At this time tomorrow, I will be studying in the library.(明日の今頃、私は図書館で勉強しているでしょう)
- They will be traveling around Europe in August.(彼らは8月にヨーロッパを旅行しているでしょう)
未来完了形:未来のある時点までに完了する動作
未来完了形は、未来のある時点までに完了するであろう動作を表します。
例文
- By next week, I will have finished my project.(来週までには、プロジェクトを終えているでしょう)
- She will have graduated from university by March.(3月までには、彼女は大学を卒業しているでしょう)
willとbe going toの違い:使い分けのポイント
「will」と「be going to」はどちらも未来を表しますが、使い分けにはいくつかのポイントがあります。
決定のタイミング
最も重要な違いは、決定のタイミングです。
「will」はその場で決めたこと、「be going to」は前もって決めていたことを表します。
例文比較
- A: There’s no milk left.(牛乳がなくなったよ)
B: I will buy some on my way home.(帰りに買ってくるよ)
※その場で決めた意思 - A: What are your plans for the weekend?(週末の予定は?)
B: I am going to visit my parents.(両親を訪ねる予定です)
※前もって決めていた計画
予測の根拠
予測を表す場合も違いがあります。
「will」は話し手の主観的な予測を、「be going to」は現在の状況から論理的に予測できることを表します。
例文比較
- I think it will rain tomorrow.(明日は雨が降ると思います)
※特に根拠なく予測 - Look at those dark clouds. It is going to rain.(あの黒い雲を見て。雨が降りそうです)
※現在の状況(黒い雲)から予測
英語の未来形に関する練習問題20選
未来形の使い方をマスターするために、以下の問題に挑戦してみましょう。
- 次の文の空欄に適切な形の動詞を入れなさい
I _____ (go) to the library tomorrow. - 次の文の空欄に適切な形の動詞を入れなさい
Look at the sky. It _____ (rain) soon. - 次の文の空欄に適切な形の動詞を入れなさい
The train _____ (leave) at 9:00 AM. - 次の文の空欄に適切な形の動詞を入れなさい
We _____ (have) a meeting next Monday. - 次の文を未来形に書き換えなさい
I study English every day. - 次の文を否定文に書き換えなさい
She will come to the party. - 次の文を疑問文に書き換えなさい
They are going to watch a movie tonight. - 次の文の空欄に「will」または「be going to」を入れなさい
It’s so hot in here. I _____ open the window. - 次の文の空欄に「will」または「be going to」を入れなさい
I _____ visit my grandmother next weekend. I’ve already bought a train ticket. - 次の文の空欄に適切な形の動詞を入れなさい
This time next year, I _____ (study) at university. - 次の文の空欄に適切な形の動詞を入れなさい
By the end of this month, I _____ (finish) my project. - 次の2つの文をつなげて1つの文にしなさい
The movie starts at 7:00 PM. We will arrive at 6:30 PM. - 次の文を現在進行形を使って未来を表す文に書き換えなさい
My friend will visit me tomorrow. - 次の文を現在形を使って未来を表す文に書き換えなさい
The bus will leave at 8:00 AM. - 次の文の誤りを訂正しなさい
I will going to study tonight. - 次の日本語を英語に訳しなさい
「明日は雨が降るでしょう」 - 次の日本語を英語に訳しなさい
「私たちは来週日本に行く予定です」 - 次の日本語を英語に訳しなさい
「飛行機は午後3時に出発します」 - 次の日本語を英語に訳しなさい
「彼女は来年大学を卒業するでしょう」 - 次の日本語を英語に訳しなさい
「電話が鳴っている。私が出ます」
未来形に関するよくある質問
英語の未来形について、学習者からよく寄せられる質問と回答をまとめました。
- 「will」と「be going to」の違いを簡単に説明すると?
-
「will」はその場で決めたことや話し手の主観的な予測を表します。「be going to」は前もって決めていた予定や現在の状況から論理的に予測できることを表します。
- 現在進行形と「be going to」の違いは?
-
どちらも未来の予定を表しますが、現在進行形は特に近い未来の、時間や場所が決まっていて準備も進んでいる予定を表します。「be going to」は必ずしも準備が進んでいなくてもよく、より広い範囲の予定を表せます。
- 確定している予定を表すのに現在形を使うのはなぜ?
-
時刻表や公式スケジュールなど、確定していて変更される可能性が低い予定は、あたかもすでに起こっていることのように確実視されるため、現在形で表現します。これは特に出発や到着などの動詞でよく使われます。
- 未来進行形と未来完了形はいつ使うべきですか?
-
未来進行形は、未来のある時点で進行中であろう動作を表します。未来完了形は、未来のある時点までに完了するであろう動作を表します。どちらも、より具体的で詳細な未来の状況を描写したいときに使います。
- 「will」の短縮形はありますか?
-
はい、「will」の短縮形は「’ll」です。例えば、「I will」は「I’ll」、「She will」は「She’ll」となります。特に会話では、この短縮形がよく使われます。
まとめ

英語の未来形は、主に「will」「be going to」「現在進行形」「現在形」の4つの方法で表現されます。それぞれ使う場面やニュアンスが異なるため、適切に使い分けることが大切です。
「will」はその場で決めたことや主観的な予測を表し、「be going to」は前もって決めていた予定や現在の状況から論理的に予測できることを表します。現在進行形は近い未来の確実な予定を、現在形は時刻表などで確定している予定を表すのに使われます。
また、より複雑な未来表現として、未来進行形(will be + 動詞ing)と未来完了形(will have + 過去分詞)もあります。
日本語では未来のことをすべて「〜します」と表現しがちですが、英語では状況に応じて適切な未来形を使い分けることで、より正確に自分の意図を伝えることができます。この記事で解説した内容をしっかり理解し、練習問題に取り組むことで、英語の未来形をマスターしましょう。
英語の文法の中でも特に重要な未来形を適切に使えるようになれば、より自然な英語表現ができるようになります。日常会話やライティングでどんどん使ってみてください。

