「go ahead」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語では文脈に応じて「どうぞ」「進める」「先に行く」「続行する」などと訳されます。
シンプルながらも様々な状況で使える便利なフレーズですが、状況によって微妙にニュアンスが変わるため、正確に理解して使いこなせるようになると英語表現の幅が広がります。
この記事では「go ahead」の基本的な意味から実際の使い方、類似表現との違いまで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「go ahead」の基本的な意味
「go ahead」は直訳すると「前に進む」という意味になります。
「go」(行く)と「ahead」(前方に)という単語から成り立っており、基本的には「前に進む」「進める」という意味合いを持ちます。
しかし実際の使用場面では、いくつかの異なる意味やニュアンスで用いられます。
主な意味は以下の通りです。
許可を与える(どうぞ、構いません)
例文
- A: Can I use your pen for a moment?
(ちょっとあなたのペンを使ってもいいですか?)
B: Sure, go ahead.
(どうぞ、構いませんよ。) - A: Is it okay if I open the window?
(窓を開けてもいいですか?)
B: Go ahead, it’s getting stuffy in here.
(どうぞどうぞ、ここは息苦しくなってきていますから。)
計画や活動を進める、続行する
例文
- Despite the rainy weather, they decided to go ahead with the outdoor concert.
(雨天にもかかわらず、彼らは野外コンサートを予定通り実施することに決めました。) - We got approval from the manager, so we can go ahead with the new project.
(マネージャーから承認を得たので、新しいプロジェクトを進めることができます。)
先に行く、先にする
例文
- You go ahead and order food. I’ll join you in a few minutes.
(先に食事を注文していてください。数分後に合流します。) - She told me to go ahead without her as she needed to make a phone call.
(彼女は電話をかける必要があるので、自分抜きで先に行くよう言いました。)
話を続ける、発言を促す
例文
- A: I have something important to tell you about the meeting.
(会議について重要なことを伝えたいのですが。)
B: Go ahead, I’m listening.
(どうぞ話してください、聞いています。) - A: May I ask you a personal question?
(個人的な質問をしてもいいですか?)
B: Go ahead, but I might not answer.
(どうぞ、ただ答えないかもしれませんが。)
「go ahead」の文法と構造
「go ahead」はいくつかの文法パターンで使われます。
主なパターンを見ていきましょう。
単独での使用(命令形)
最もシンプルな使い方として、「Go ahead.」と単独で使うことがあります。
この場合は「どうぞ」「構いませんよ」という意味になります。
例文
- A: Do you mind if I take the last piece of cake?
(最後のケーキを取ってもいいですか?)
B: Go ahead.
(どうぞどうぞ。)
go ahead and + 動詞
「go ahead and + 動詞」の形で使うと、「遠慮なく〜する」「先に〜する」という意味になります。
例文
- Go ahead and start the movie without me.
(私抜きで先に映画を始めてください。) - If you’re hungry, go ahead and eat. Don’t wait for me.
(お腹が空いているなら、先に食べてください。私を待たないで。)
go ahead with + 名詞/動名詞
「go ahead with + 名詞/動名詞」の形で使うと、「〜を進める」「〜を続行する」という意味になります。
例文
- The company decided to go ahead with the expansion plans despite the economic downturn.
(経済低迷にもかかわらず、会社は拡大計画を進めることを決定しました。) - Are you going ahead with buying the house?
(その家を購入する手続きを進めるのですか?)
疑問文での使用
疑問文では、「Can I/we go ahead?」という形で「先に進めていいですか?」「始めていいですか?」という許可を求める表現として使うこともあります。
例文
- Can we go ahead with the presentation now that everyone is here?
(全員揃ったので、プレゼンテーションを始めてもよろしいでしょうか?) - Should I go ahead and book the tickets now?
(今すぐチケットを予約してしまいましょうか?)
様々な状況での「go ahead」の使い方
日常会話での使用
例文
- A: Is it okay if I borrow your charger?
(充電器を借りてもいいですか?)
B: Go ahead, it’s on the desk.
(どうぞ、机の上にありますよ。) - I need to run some errands. You go ahead and watch the movie without me.
(ちょっと用事を済ませる必要があるので、私抜きで先に映画を見ていてください。)
ビジネスシーンでの使用
例文
- A: I’d like to share my thoughts on the new marketing strategy.
(新しいマーケティング戦略について意見を共有したいです。)
B: Go ahead, we’d love to hear your input.
(どうぞ、あなたの意見を聞かせていただきたいです。) - The board has given us the go-ahead to launch the new product line.
(取締役会は新製品ラインの発売を承認しました。)
皮肉や反語的な使用
時には、「go ahead」が皮肉や反語的なニュアンスで使われることもあります。
この場合、「どうぞご勝手に」という意味合いになります。
例文
- Go ahead, ignore my advice. You’ll see what happens.
(どうぞ、私のアドバイスを無視してください。何が起こるか見ることになりますよ。) - A: I’m thinking of quitting my job without having another one lined up.
(次の仕事がないままに退職しようと思っています。)
B: Go ahead if you think that’s smart.
(もしそれが賢明だと思うならどうぞ。)
「go ahead」の名詞形と形容詞形
「go ahead」には名詞形と形容詞形もあります。
名詞形:「the go-ahead」
名詞として使われる「the go-ahead」は「許可」「承認」「ゴーサイン」という意味になります。
例文
- We’re waiting for the go-ahead from the CEO before launching the campaign.
(キャンペーンを開始する前にCEOからの承認を待っています。) - Once we get the go-ahead from the city council, construction can begin.
(市議会から承認が下りれば、建設を始めることができます。)
通常、「give the go-ahead」(承認を与える)または「get/receive the go-ahead」(承認を得る)という形で使われます。
形容詞形:「go-ahead」
形容詞として使われる「go-ahead」は「進取的な」「積極的な」「先進的な」という意味になります。
例文
- She works for a go-ahead company that embraces new technologies.
(彼女は新しい技術を取り入れる進取的な会社で働いています。) - He’s known as a go-ahead manager who isn’t afraid to take risks.
(彼はリスクを恐れない積極的なマネージャーとして知られています。)
「go ahead」と類似表現の違い
「go ahead」に似た表現との違いを見ていきましょう。
「go ahead」と「proceed」
「proceed」も「進める」という意味ですが、「proceed」はより公式でフォーマルな表現です。
例文
- Go ahead with your explanation.
(説明を続けてください。)- カジュアル - Please proceed with your explanation.
(説明を続けてください。)- フォーマル
「go ahead」と「feel free to」
「feel free to」も許可を与える表現ですが、「feel free to」はより丁寧で、選択肢があることを強調します。
例文
- Go ahead and use my computer.
(私のコンピュータを使ってください。)- 直接的 - Feel free to use my computer if you need to.
(必要であれば遠慮なく私のコンピュータを使ってください。)- より丁寧
「go ahead」と「be my guest」
「be my guest」も「どうぞ」という意味ですが、より歓迎の意を表す表現です。
例文
- A: Can I sit here?
(ここに座ってもいいですか?)
B: Go ahead.
(どうぞ。)- シンプルな許可 - A: Can I use your phone charger?
(あなたの携帯充電器を使ってもいいですか?)
B: Be my guest.
(どうぞご自由に。)- より歓迎の意を表す
「go ahead」に関する実用的なフレーズ
よく使われる「go ahead」を含むフレーズをいくつか紹介します。
「Go ahead, I’m listening.」(どうぞ、聞いています。)
誰かが話を始めようとしている時に、続けるよう促す表現です。
例文
- A: I need to talk to you about something important.
(重要なことについて話す必要があります。)
B: Go ahead, I’m listening.
(どうぞ、聞いています。)
「Go ahead and help yourself.」(どうぞ、ご自由にどうぞ。)
特に食べ物や飲み物などに関して、遠慮なく取るよう促す表現です。
例文
- Go ahead and help yourself to anything in the fridge.
(冷蔵庫の中のものは何でも遠慮なくどうぞ。)
「Should I go ahead and…?」(先に〜してしまいましょうか?)
何かの行動を取るべきかどうか確認する際に使います。
例文
- Should I go ahead and make the reservations for next Friday?
(来週の金曜日の予約を先にしておきましょうか?)
まとめ:「go ahead」の使い方のポイント

「go ahead」は英語で様々な場面で使える万能な表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、
- 基本的な意味は「どうぞ」「進める」「先に行く」「続行する」です。
- 文脈によって「許可を与える」「計画を進める」「先に行く」「話を続ける」などの意味になります。
- 「go ahead」単独、「go ahead and + 動詞」、「go ahead with + 名詞/動名詞」など複数の文法パターンがあります。
- 名詞形の「the go-ahead」は「許可」「承認」を意味します。
- 形容詞形の「go-ahead」は「進取的な」「積極的な」という意味になります。
- 時には皮肉や反語的なニュアンスで使われることもあります。
「go ahead」という表現をマスターすれば、様々な状況で適切な意思疎通ができるようになります。
日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用できる表現なので、ぜひ積極的に使ってみてください。