TOEICという英語試験をご存知の方は多いと思いますが、実はこの「TOEIC」という名称は通常、リスニングとリーディングを測定するTOEIC Listening & Reading Test(TOEIC L&R)を指しています。一方で、英語の「話す力」と「書く力」を測るTOEIC Speaking & Writing Tests(TOEIC S&W)については、あまり知られていない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、英語初学者の方にもわかりやすく、TOEIC S&W Testsの概要からL&Rとの違い、対策方法まで徹底的に解説します。
TOEIC S&W Testsの基本情報

TOEIC S&W Testsは、英語の「話す力」と「書く力」を測定する試験で、ビジネスシーンで求められる英語能力を評価することを目的としています。TOEIC L&Rが「聞く」「読む」というインプット能力に焦点を当てているのに対し、S&Wはアウトプット能力に焦点を当てた試験です。
テスト日程は毎月1回、日曜日の午前と午後に行われており、一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施しています。英語の4技能をすべて測定するためには、L&RとS&Wの両方を受験することが理想的です。
TOEIC S&Wで測定される能力
TOEIC S&Wでは、具体的に以下のような能力が測定されます。
スピーキングテストで測定される能力
- 英語のネイティブスピーカーや英語に堪能なノンネイティブスピーカーに理解しやすい言葉で話す能力
- 日常生活や仕事上のやりとりに適切に言葉を選んで使う能力
- 一般的な職場において、筋道の通った継続的なやりとりができる能力
重要なのは、特殊なビジネス英語や特定の業界知識、特定の国の歴史や文化に関連する固有の事象を必要とする問題は出題されないということです。あくまで一般的な英語でのコミュニケーション能力を測るテストという点が、初学者にも親しみやすいポイントといえるでしょう。
受験料と申込方法
TOEIC S&W Testsの受験料は10,450円(税込)です。スピーキングテストのみを受験する場合は6,930円(税込)となります。
申込はインターネットからのみ可能で、試験日の約2ヶ月前から申込が開始されます。会場によっては早めに満席になることもあるため、早めの申込がおすすめです。
その他の費用情報
- 追加申込の受験料:13,200円(税込)
- キャンセル料:5,000円(税込)
- 変更手数料(試験日・時刻/会場変更):2,750円(税込)
TOEIC S&Wの特徴と構成
TOEIC S&Wは、パソコンとヘッドセットを使用して試験会場で受験するテストです。スピーキングテストとライティングテストの2つのパートに分かれており、約80分間で実施されます。
スピーキングテストは約20分間、ライティングテストは約60分間かけて行われます。両テストとも、出題される内容は一般的なビジネスシーンや日常生活に関連した内容です。
スピーキングテストの構成と問題形式
スピーキングテストは全11問で構成され、約20分で終了します。問題形式は5種類あり、それぞれ異なる英語スピーキング能力を測定します。
- 音読問題(Read a text aloud)
- 問題数:2問
- 解答時間:各問45秒(準備時間各45秒)
- 内容:アナウンスや広告などの短い英文を音読する
- 採点スケール:0~3
- 写真描写問題(Describe a picture)
- 問題数:2問
- 解答時間:各問30秒(準備時間各45秒)
- 内容:写真を見て内容を説明する
- 採点スケール:0~3
- 応答問題(Respond to questions)
- 問題数:3問
- 解答時間:15秒または30秒(準備時間なし、質問とビープ音の間に3秒)
- 内容:身近な問題についてのインタビューに答えたり、電話での会話で設問に答えたりする
- 採点スケール:0~3
- 提示された情報に基づく応答問題(Respond to questions using information provided):
- 問題数:3問
- 解答時間:15秒または30秒(準備時間45秒、質問とビープ音の間に3秒)
- 内容:提示された資料や文書(スケジュール等)に基づいて設問に答える
- 採点スケール:0~3
- 意見を述べる問題(Express an opinion)
- 問題数:1問
- 解答時間:60秒(準備時間45秒)
- 内容:あるテーマについて自分の意見とその理由を述べる
- 採点スケール:0~5
ライティングテストの構成と問題形式
ライティングテストは全8問で構成され、約60分で終了します。問題形式は3種類あり、それぞれ異なる英語ライティング能力を測定します。
- 写真描写問題(Write a sentence based on a picture)
- 問題数:5問
- 解答時間:5問で8分
- 内容:与えられた2つの語(句)を使い、写真の内容に合う一文を作成する
- 採点スケール:0~3
- Eメール作成問題(Respond to a written request)
- 問題数:2問
- 解答時間:各問10分
- 内容:25~50語程度のEメールを読み、返信のメールを作成する
- 採点スケール:0~4
- 意見を記述する問題(Write an opinion essay)
- 問題数:1問
- 解答時間:30分
- 内容:提示されたテーマについて自分の意見を理由あるいは例とともに記述する
- 採点スケール:0~5
出題される各問題の解答方法は全て英語で、画面に表示されるか音声で流れます。その指示に従って解答する必要があります。
TOEIC S&WとL&Rの違い
TOEIC試験には主にL&RとS&Wの2種類がありますが、一般的に「TOEIC」と言われるとL&Rを指すことが多いです。ここでは、この2つのテストの基本的な違いについて詳しく説明します。
測定される英語力の違い
L&RとS&Wの最も基本的な違いは、測定される英語能力の種類です。
- TOEIC L&R:「聞く力(リスニング)」と「読む力(リーディング)」を測定する試験です。これは英語のインプット能力(受け取る能力)に焦点を当てています。
- TOEIC S&W:「話す力(スピーキング)」と「書く力(ライティング)」を測定する試験です。これは英語のアウトプット能力(発信する能力)に焦点を当てています。
英語の4技能全てをカバーするためには、両方の試験を受けることが理想的です。自分が英語を使う目的に応じて、適切な試験を選ぶことが大切です。
テスト形式と採点方法の違い
L&RとS&Wでは、テスト形式と採点方法にも大きな違いがあります。
TOEIC L&R
- テスト形式:マークシート方式の選択問題(リスニング100問、リーディング100問)
- 試験時間:約2時間
- 採点方法:機械による自動採点
- スコア範囲:10〜990点(5点刻み)
TOEIC S&W
- テスト形式:パソコンを使用した自由回答形式
- 試験時間:約80分(スピーキング約20分、ライティング約60分)
- 採点方法:ETSの認定を受けた採点者による人的採点
- スコア範囲:各0〜200点、合計400点満点(10点刻み)
L&Rは選択式の問題で「正解」が明確に決まっているのに対し、S&Wは自由回答形式で採点基準に基づいて人が評価します。そのため、S&Wの方が実践的な英語力が問われる試験だといえるでしょう。
難易度の比較
一般的に、S&WはL&Rよりも難しいと感じる人が多いようです。英検で例えると、S&Wの難易度は3級〜1級程度と幅広いレベルをカバーしています。
S&Wが難しく感じられる主な理由は以下の通りです。
- アウトプット能力は一般的にインプット能力よりも習得が難しい
- 限られた時間内に即座に英語で考え、表現する必要がある
- 自由回答形式のため、対策が立てにくい
- 語彙や文法の正確さだけでなく、内容の一貫性や論理性も評価される
また、L&RとS&Wのスコアには相関関係があることが知られています。TOEIC公式の調査では、L&Rで高得点を取る人ほど、S&Wでも高いスコアを取る傾向があります。ただし、L&Rで高得点を取っていても、スピーキングやライティングの特別な対策をしなければ、S&Wで高得点を取ることは難しい場合が多いです。
TOEIC S&Wのスコアの見方と活用法
TOEIC S&Wのスコアは、どのように解釈し、活用すれば良いのでしょうか。ここではスコアの目安や評価方法、ビジネスでの活用法について解説します。
TOEIC S&Wのスコアは以下のように解釈できます。
スピーキング(200点満点)
- 0~50点:基本的な挨拶や自己紹介程度の英会話ができる
- 60~110点:簡単な日常会話ができる
- 120~150点:一般的なビジネスシーンでのコミュニケーションができる
- 160~180点:多様な場面で効果的にコミュニケーションができる
- 190~200点:ネイティブに近い高度な英語力を持つ
ライティング(200点満点)
- 0~50点:基本的な単語や短い文が書ける
- 60~110点:簡単な内容のメールや短文が書ける
- 120~150点:一般的なビジネス文書が書ける
- 160~180点:論理的で説得力のある文章が書ける
- 190~200点:複雑な内容でも明確かつ流暢に表現できる
これらのスコアは10点刻みで採点されます。また、IIBCが公開しているセクション別の平均スコア(2023年)によると、スピーキングよりもライティングの方が平均点が高い傾向にあります。これは、言い淀みなくスムーズに話すことの難しさを示していると言えるでしょう。
S&Wのスコアは、L&Rのような換算表も存在します。例えば、S&Wで300点以上であれば、L&Rでは800点以上に相当すると言われています。ただし、これらの換算はあくまで目安であり、測定している能力が異なることを忘れないようにしましょう。
ビジネスでの活用方法
TOEIC S&Wのスコアは、様々なビジネスシーンで活用できます。
- 就職・転職活動
英語を使う職種への応募時に、L&Rだけでなく、S&Wのスコアも提示することで、実践的な英語力をアピールできます。 - 海外赴任や出張の選考
海外でのビジネスには「話す」「書く」能力が必須です。S&Wのスコアがあれば、実際のコミュニケーション能力の証明になります。 - 昇進・昇格の評価指標
グローバル企業では、昇進や昇格の際に英語力を評価指標とすることがあります。4技能をバランスよく評価するためにS&Wのスコアも重視される傾向にあります。 - 英語研修の効果測定
企業の英語研修プログラムの効果を測定する指標としても活用できます。特に話す・書く力の伸びを可視化するのに適しています。 - 自己啓発の目標設定
キャリアアップのための自己啓発として、S&Wのスコアアップを目標に設定することも効果的です。
TOEIC L&RとS&Wの両方のスコアを持っていることで、総合的な英語力をアピールできます。ビジネスのグローバル化が進む中、「読む・聞く」だけでなく「話す・書く」能力も重視される傾向にあるため、S&Wのスコアの価値は今後さらに高まるでしょう。
初学者向けのアドバイス
英語初学者の方がTOEIC S&Wに挑戦する場合のアドバイスをいくつか紹介します。
- 目標スコアを現実的に設定する
初回受験では満点を目指すのではなく、スピーキング・ライティングそれぞれ120点程度を目標にするのが良いでしょう。 - L&Rとの併用を検討する
英語の4技能をバランスよく伸ばすためには、L&RとS&Wの両方に取り組むことが効果的です。 - 継続的な学習を心がける
特にスピーキングは日々の練習が重要です。短時間でも毎日英語を話す習慣をつけましょう。 - 緊張感に慣れておく
初めてのS&Wでは、パソコンに向かって話す状況に緊張してしまうことがあります。事前に似た環境で練習しておくと良いでしょう。 - 基礎力を固める
難しい表現を使おうとするより、基本的な文法と語彙を正確に使えることを重視しましょう。 - フィードバックを活用する
受験後のスコアレポートには、各セクションの評価点が記載されています。自分の弱点を把握して次回の対策に活かしましょう。
TOEIC S&Wは難しく感じるかもしれませんが、継続的な学習と実践で確実にスコアアップすることができます。まずは気軽な気持ちで受験してみることをおすすめします。
L&Rスコアとの相関関係
TOEIC L&RとS&Wのスコアには相関関係があります。以下は、L&RスコアとS&Wスコアの目安的な比較です。
- L&R 400点程度:S&W スピーキング50点、ライティング60点程度
- L&R 600点程度:S&W スピーキング90点、ライティング110点程度
- L&R 800点程度:S&W スピーキング130点、ライティング140点程度
- L&R 900点以上:S&W スピーキング160点、ライティング170点程度
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個人の学習経験や背景によって大きく異なる場合があります。例えば、L&Rで900点を取得していても、スピーキングやライティングの練習をしていなければ、S&Wでは思ったようなスコアが取れないことがあります。
TOEIC S&Wの受験方法と費用
TOEIC S&Wを受験するには、どのような手続きが必要で、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは受験申込の方法から試験当日の流れまでを解説します。
受験申込の方法
TOEIC S&Wの申し込みは、公式ウェブサイト(IIBC)からインターネットで行います。試験は毎月1回、日曜日に実施されています。
申し込み手順は以下の通りです。
- IIBCの公式サイトにアクセスし、会員登録をする
- 受験したい試験日と会場を選択する
- 受験料を支払う
- 申し込み完了のメールを受け取る
申し込み期間は試験日の約2か月前から開始されますが、希望会場の枠が早めに埋まってしまう可能性があります。早めの申し込みをおすすめします。
特に注意したいのは、TOEIC L&Rと異なり、S&Wでは申し込み時点で受験会場を選択する必要があるという点です。また、申し込み後に受験票などは送られてこないため、申し込み時に受け取ったメールが受験の控えとなります。メールは誤って削除しないように注意しましょう。
受験費用と日程
TOEIC S&Wの受験料は以下の通りです。
- S&W同時受験:10,450円(税込)
- スピーキングのみ受験:6,930円(税込)
- ライティングのみの受験はできません
申し込み期限が過ぎた後でも、まだ枠が開いている会場については追加募集がある場合があります。ただし、追加募集枠で申し込むと、受験料が13,200円(税込)と高くなるので注意が必要です。
また、申し込み後の変更やキャンセルには以下の手数料がかかります。
- キャンセル料:5,000円(税込)
- 変更手数料(試験日・時刻/会場変更):2,750円(税込)
試験は午前と午後の部があり、受付時間がそれぞれ設定されています。受付時間開始時刻に間に合うように会場入りすることをおすすめします。遅れると受験できなくなる可能性がありますので注意しましょう。
試験当日の流れ
試験当日は以下の流れで進行します。
- 指定された受付時間内に会場に到着する
- 受付で名前などの個人情報と受験への同意書を記入する
- 本人確認書類(写真入りの公的証明書等)のチェックを受ける
- 顔写真の撮影を行う
- 携帯電話を完全にOFFにし、腕時計と手荷物と共にロッカーにしまう
- メモを取るためのボールペンを受け取る
- 試験会場に入り、パソコンとヘッドセットが設置されたブースに案内される
- パソコンの指示に従ってテストを開始する
スピーキングテストから始まり、終わったらライティングテストに自動的に移ります。指示はすべて英語でPC画面に表示されます。タイマーも表示されるので、時間管理をしながら解答していきましょう。
TOEIC S&Wの勉強法
TOEIC S&Wで高得点を取るためには、L&Rとは異なるアプローチの学習が必要です。ここでは、効果的な勉強法を紹介します。
スピーキングセクションでは即時に英語で考え、話す能力が求められ、ライティングセクションでは論理的かつ正確に英文を書く能力が求められます。
音読トレーニング
教材やニュース記事などを声に出して読む練習をしましょう。可能であれば自分の声を録音して、発音やイントネーションをチェックすることも効果的です。シャドーイングという、英語音声を聞きながら少し遅れて同じ内容を発話する練習も、英語のリズムを身につけるのに役立ちます。
パターン練習
各問題形式に対応した表現や構文を覚えておくと便利です。特に「意見を述べる」「解決策を提案する」などの問題では、定型表現を使いこなせるようにしましょう。
例えば「I agree/disagree with the idea that…(私はその考えに賛成/反対です)」「Firstly,…Secondly,…Lastly,…(まず第一に、第二に、最後に)」などの表現を準備しておくと良いでしょう。
時間を意識した練習
制限時間内に回答する練習を繰り返しましょう。準備時間を有効に使うための戦略を立て、言い淀みを減らすトレーニングをすることが大切です。
基本的な文法・語彙の強化
文法書や問題集で基礎を固め、ビジネス英語でよく使われる語彙を増やしましょう。自分の弱点を把握し、集中的に対策することが重要です。
文章構成力の向上
英語のエッセイの基本構成(導入・本論・結論)を学び、段落のつなぎ方や接続詞の使い方を練習しましょう。論理的な文章展開のパターンを身につけることが大切です。
Eメール作成の練習
ビジネスメールの定型表現を覚えておくと便利です。冒頭や締めくくりの表現をパターン化しておきましょう。例えば「Thank you for your email(メールをありがとうございます)」「Best regards(敬具)」などの表現です。特にQ6-7のEメール作成問題は時間が限られているため、このような定型表現を素早く入力できるようにしておくことが重要です。
TOEIC S&Wの対策方法
TOEIC S&Wは、単なる知識ではなく実践的な英語力が問われるテストです。効果的な対策を立てるために、勉強方法や参考書選びのポイントを押さえましょう。
TOEIC S&Wの効果的な勉強法は以下の通りです。
- 基本的な文法と語彙の習得
まずは基礎的な英文法と単語力を身につけましょう。特にライティングでは文法の正確さが採点基準の一つとなります。 - 定型フレーズの習得
特にスピーキングの応答問題では、即座に返答する必要があります。「I think that…」「In my opinion…」などの定型フレーズを覚えておくと便利です。 - タイムマネジメント練習
時間制限内に解答する訓練が重要です。特にライティングの意見記述問題では30分という限られた時間で論理的な文章を構成する必要があります。 - 音読練習
スピーキングの音読問題対策として、英語のニュースや記事を声に出して読む練習が効果的です。発音、イントネーション、ストレスを意識しましょう。 - 写真描写練習
日常生活の中で見かける光景を英語で描写する練習をすると、写真描写問題に強くなります。「There is/are…」「The person is…」などの表現を使いこなせるようにしましょう。 - 意見構成の練習
スピーキングとライティング両方で意見を述べる問題があります。「主張→理由→具体例→結論」という基本的な構成を身につけておくと良いでしょう。 - 添削サービスの活用
特にライティングでは、自分で書いた英文を添削してもらうことで効果的に上達します。オンラインの添削サービスやレッスンを活用するのも一つの方法です。 - オンライン英会話の活用
スピーキング力向上のためには、実際に英語を話す機会を増やすことが大切です。オンライン英会話を定期的に利用して話す練習をしましょう。
どちらから受験すべきか?L&RとS&Wの選び方
TOEIC L&RとS&W、どちらから受験すべきか迷っている方も多いでしょう。ここでは、その選び方について解説します。
学習の順序と効果的なアプローチ
結論から言うと、多くの場合はTOEIC L&Rから受験することをおすすめします。その理由は以下の通りです。
- 英語学習の基本的な順序として、インプット(聞く・読む)からアウトプット(話す・書く)へと進むのが自然です。
- L&RとS&Wのスコアには相関関係があり、L&Rで基礎力を固めることがS&Wのスコアアップにもつながります。
- L&Rは選択問題形式のため対策がしやすく、英語学習の入口として適しています。
- 就職・転職市場ではL&Rのスコアを求められることが多いです。
英語力向上のステップとしては、以下のような順序が効果的だと言われています。
- 英語を読む力をつける
- 英語を聞き取る力をつける
- 英語を書く力をつける
- 英語を話す力をつける
つまり、L&Rで基礎的な英語力をしっかり身につけてから、S&Wに挑戦するのが理想的なアプローチと言えるでしょう。
就職・転職を目的とする場合
国内企業の多くはL&Rのスコアを重視する傾向があるため、まずはL&Rで600〜700点以上を目指すのが良いでしょう。外資系企業や海外とのコミュニケーションが必要な職種を希望する場合は、L&Rに加えてS&Wも受験することで差別化を図ることができます。
海外赴任・出張を控えている場合
実際のコミュニケーション能力が求められるため、L&Rの基礎力を固めた上でS&Wも受験し、総合的な英語力をアピールすることが効果的です。
英語力全般の向上を目指す場合
まずはL&Rで基礎的な英語力を身につけ、700点以上を達成した後にS&Wに挑戦するのが効果的です。英語4技能をバランスよく伸ばすことで、実践的な英語力が身につきます。
重要なのは、「TOEIC L&Rはできないけど英会話はできる人」はほとんどいないという点です。基礎となるL&Rで一定のスコアを取ることを目指し、その上でS&Wに挑戦するのが王道と言えるでしょう。
TOEIC S&Wに関するよくある質問
TOEIC S&Wに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- TOEIC S&Wの結果はいつわかりますか?
-
TOEIC S&Wの結果は、受験日から約17日後にインターネット上で確認できます。また、受験後30日以内に公式認定証が受験者に送付されます。
- TOEIC L&Rで高得点を取っていれば、S&Wも高得点が取れますか?
-
必ずしもそうとは限りません。L&RとS&Wのスコアには相関関係はありますが、L&Rで高得点を取っていても、スピーキングやライティングの練習をしていなければ、S&Wで高得点を取ることは難しいでしょう。ただし、L&Rで高得点を取っている人は、S&Wでも高得点を取れるポテンシャルがあると言えます。
- TOEIC S&Wは会場でどのように受験するのですか?
-
TOEIC S&Wは指定の会場でパソコンを使用して受験します。会場には個別のブースがあり、マイク付きのヘッドフォンを装着してスピーキングテストを行います。また、周囲の音が気にならないようにノイズキャンセリングのヘッドフォンも用意されていることがあります。
- スピーキングテストの際、他の受験者の声は気になりませんか?
-
試験会場によりますが、各受験者はブースに分かれて受験するため、ある程度は遮音されています。また、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォンも用意されていることが多いです。それでも気になる場合は、集中力を高める工夫をするとよいでしょう。
- TOEIC S&Wのスコアはどのくらい有効ですか?
-
TOEIC S&Wのスコアの有効期限は公式には定められていませんが、一般的には2年程度とされています。ただし、企業や教育機関によっては独自の基準を設けていることがあるため、確認が必要です。
- ライティングテストでは文字数制限はありますか?
-
問題によって異なりますが、多くの場合は最低語数または文字数が指定されています。制限を満たさない場合は、評価が下がる可能性があるため、指示に従うことが重要です。
- 初めてTOEIC S&Wを受験する場合、どのくらいの準備期間が必要ですか?
-
英語力のレベルによって異なりますが、TOEIC L&Rで600点以上のスコアを持っている方であれば、2〜3ヶ月程度の準備期間が目安となります。ただし、日常的に英語を話したり書いたりする機会がない方は、より長い準備期間が必要かもしれません。
まとめ

本記事では、TOEIC S&W Testsの基本情報からL&Rとの違い、効果的な勉強法まで幅広く解説しました。主なポイントは以下の通りです。
- TOEIC S&Wは「話す力」と「書く力」を測定する試験で、英語のアウトプット能力を評価する
- スピーキングテスト(11問・約20分)とライティングテスト(8問・約60分)の2部構成で、合計400点満点
- L&Rはマークシート方式の選択問題、S&Wはパソコンを使った自由回答形式という大きな違いがある
- S&Wは一般的にL&Rより難しいと感じられることが多い
- L&RとS&Wのスコアには相関関係があるが、L&Rで高得点でもS&W対策なしでは高得点を取ることは難しい
- 効果的な学習法としては、音読練習、パターン練習、時間を意識した訓練などがある
- 初学者はまずL&Rで基礎力を固め、その後S&Wに挑戦するのが効果的である
- 受験料は10,450円(税込)で、毎月1回実施されている
TOEIC S&Wは、実践的な英語コミュニケーション能力を測るテストとして、今後ますます重要性が高まっていくでしょう。本記事を参考に、ぜひTOEIC S&Wにチャレンジし、総合的な英語力の向上を目指してください。