「arrive at」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語では「~に到着する」「~に達する」と訳されます。
シンプルな表現ながら、物理的な意味と比喩的な意味の両方で使われ、また似た表現との使い分けも重要になるため、しっかりと理解しておきたい表現です。
この記事では「arrive at」の基本的な意味から実際の使い方、類似表現との違いまで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「arrive at」の基本的な意味
「arrive at」には主に以下の2つの基本的な意味があります。
特定の場所に到着する(物理的な意味)
「arrive at」はまず、ある特定の場所や目的地に物理的に到着することを表します。
特に目的地がピンポイントで認識できる場所や建物などの場合に使われます。
例文
- I arrived at the station just five minutes before the train departed.
(電車が出発する5分前に駅に到着しました。) - She arrived at the hotel late at night after a long journey.
(長い旅の後、彼女は夜遅くホテルに到着しました。) - We should arrive at the meeting point by 9 AM.
(私たちは午前9時までに集合場所に到着すべきです。)
結論や決定に達する(比喩的な意味)
「arrive at」はまた、思考や議論の結果として、ある結論や決定、理解に達することを表す比喩的な表現としても使われます。
例文
- After months of discussion, we finally arrived at a conclusion.
(数ヶ月の議論の末、私たちはついに結論に達しました。) - How did you arrive at this decision?
(どのようにしてこの決断に至ったのですか?) - The scientists arrived at an interesting theory about the origins of the universe.
(科学者たちは宇宙の起源についての興味深い理論に到達しました。)
「arrive at」の文法と使い方
「arrive」は自動詞なので、目的地を示す名詞の前には前置詞が必要です。
「arrive at」の場合、「at」が前置詞として機能します。
物理的な到着を表す「arrive at + 場所」
特定の場所、建物、または明確な地点への到着を表す場合に使います。
特に単一の建物や特定の場所、小さな地点などを指す場合に適しています。
例文
- The guests arrived at our house around 7 PM.
(お客さんは午後7時頃に私たちの家に到着しました。) - When you arrive at the airport, please call me.
(空港に到着したら、電話してください。) - We arrived at the entrance of the park just as it started to rain.
(雨が降り始めたちょうどその時、私たちは公園の入口に到着しました。)
比喩的な到達を表す「arrive at + 抽象名詞」
結論や決定、合意など、抽象的な概念に達することを表す場合にも「arrive at」を使います。
例文
- The committee arrived at a unanimous decision after three hours of debate.
(委員会は3時間の討論の後、全会一致の決定に達しました。) - I can’t understand how you arrived at such a bizarre interpretation.
(あなたがどのようにしてそのような奇妙な解釈に至ったのか理解できません。) - We need to arrive at a compromise that works for both parties.
(私たちは両者にとって有効な妥協点に達する必要があります。)
「arrive at」と「arrive in」「arrive on」の違い
「arrive」の後に続く前置詞によって、意味や使い方が変わります。
それぞれの違いを理解しましょう。
「arrive at」vs「arrive in」
- 「arrive at」:特定の場所、建物、地点など、比較的小さいか明確に定義された場所に到着する場合に使います。
- 「arrive in」:国や都市、大きな地域など、より広い場所に到着する場合に使います。
例文
- I arrived at the office at 8:30 this morning.
(今朝8時30分にオフィスに到着しました。)- 特定の建物 - I arrived in Tokyo last night.
(昨夜東京に到着しました。)- 都市全体
「arrive on」
「arrive on」は主に以下の場合に使われます。
- 曜日や日付に到着する場合
- 表面(平面)に到着する場合
- 「場面」「現場」などに到着する場合
例文
- The package will arrive on Monday.
(その小包は月曜日に届きます。)- 日付 - The astronauts arrived on the moon in 1969.
(宇宙飛行士たちは1969年に月面に到着しました。)- 表面 - The police arrived on the scene minutes after the accident.
(警察は事故の数分後に現場に到着しました。)- 場面/現場
「arrive at」使用時の注意点
国名や都市名には「arrive in」を使う
国や都市など、地上から離れた場所から全体像や境界線を目視できないような大きな場所には「arrive at」ではなく「arrive in」を使います。
正しい例
- We arrived in Japan yesterday.
(昨日日本に到着しました。) - They will arrive in New York next week.
(彼らは来週ニューヨークに到着します。)
誤った例
- We arrived at Japan yesterday.(×)
- They will arrive at New York next week.(×)
home, there, here, somewhere, anywhereには前置詞不要
「home」「there」「here」「somewhere」「anywhere」などの副詞は、「arrive」の後に前置詞なしで使います。
例文
- I arrived home late last night.
(昨夜遅く家に着きました。) - When did you arrive here?
(いつここに到着しましたか?) - Has anyone arrived there yet?
(誰かすでにそこに到着していますか?)
ただし、「the home」や「his home」のように冠詞や所有格が付いて特定の「家」を指す場合は名詞なので、「arrive at the home」「arrive at his home」のように「at」が必要です。
「arrive at」を含む便利な表現
arrive at a conclusion(結論に達する)
議論や考察の結果、最終的な結論に至ることを表します。
例文
- After analyzing all the data, we arrived at a surprising conclusion.
(すべてのデータを分析した後、私たちは驚くべき結論に達しました。) - It took me a while to arrive at this conclusion, but I’m confident it’s correct.
(この結論に達するまでに時間がかかりましたが、正しいと確信しています。)
arrive at a decision(決定に達する)
何かを決める過程を経て、最終的な決定に至ることを表します。
例文
- The board of directors arrived at a decision to expand into new markets.
(取締役会は新しい市場に拡大するという決断に至りました。) - Have you arrived at a decision about the job offer yet?
(その仕事のオファーについてもう決断しましたか?)
arrive at a compromise(妥協点に達する)
対立する意見や立場の間で、双方が受け入れられる妥協点を見つけることを表します。
例文
- After hours of negotiation, the two parties arrived at a compromise.
(数時間の交渉の後、両当事者は妥協点に達しました。) - We need to arrive at a compromise that respects everyone’s interests.
(私たちは全員の利益を尊重する妥協点に達する必要があります。)
「arrive at」と類似表現の違い
「arrive at」と「reach」
「reach」も「到着する」「達する」という意味ですが、使い方やニュアンスが異なります。
- 「arrive at」:到達点にフォーカスが当たっており、単なる「到着」を意味します。
- 「reach」:目的地に着くまでの過程や努力を含意することが多く、やや堅い表現です。
例文
- We arrived at the hotel after midnight.
(私たちは真夜中過ぎにホテルに到着しました。)- 単に到着した事実 - We finally reached the hotel after walking for hours in the rain.
(何時間も雨の中歩いた後、ようやくホテルにたどり着きました。)- 努力や過程を強調
「arrive at」と「get to」
「get to」も「~に到着する」という意味ですが、より口語的で日常会話でよく使われます。
例文
- What time did you arrive at the party?
(何時にパーティーに到着しましたか?)- やや丁寧 - What time did you get to the party?
(何時にパーティーに着いたの?)- よりカジュアル
まとめ:「arrive at」の使い方のポイント

「arrive at」は英語で「特定の場所に到着する」「結論や決定に達する」という意味を持つ便利な表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、
- 物理的な意味では、特定の場所、建物、明確な地点への到着を表します。
- 比喩的な意味では、結論や決定、理解に達することを表します。
- 国や都市には「arrive in」を使い、「arrive at」は使いません。
- 「home」「there」「here」などの副詞の前には前置詞は不要です。
- 「arrive at a conclusion」「arrive at a decision」など、便利な表現があります。
- 「reach」や「get to」など類似表現との違いを理解すると、より正確に表現できます。
「arrive at」をマスターすれば、英語での表現の幅が広がります。
日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用できる表現なので、ぜひ積極的に使ってみてください。