「too ~ for」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語では「~にとって…すぎる」「~には…すぎる」と訳されます。
シンプルな表現ながら、様々なニュアンスを持ち、日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用できる便利なフレーズです。
この記事では「too ~ for」の基本的な意味から実際の使い方、類似表現との違いまで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「too ~ for」の基本的な意味
「too ~ for」の基本的な意味は「~にとって…すぎる」です。
「too」は「すぎる」という程度の過剰さを表す副詞で、「for」は「~にとって」という対象を示す前置詞です。
この組み合わせで、ある対象にとって何かが過剰であることを表現します。
「too」は単なる強調ではなく、否定的なニュアンスを含む言葉です。
「too ~ for」は、何かが適切な範囲を超えていて、特定の人や物にとって扱いにくい、向いていない、適していないことを示します。
例文
- This coffee is too hot for me.
(このコーヒーは私には熱すぎます。) - The movie was too scary for children.
(その映画は子供には怖すぎました。) - These shoes are too expensive for my budget.
(この靴は私の予算には高すぎます。)
「too ~ for」の文法と構造
「too ~ for」は次のような基本構造で使われます。
例文
- The box is too heavy for me.
(その箱は私には重すぎます。) - He speaks too quickly for beginners.
(彼は初心者には速すぎる話し方をします。) - This book is too difficult for elementary students.
(この本は小学生には難しすぎます。)
「too ~ for」は、「very」などの単なる強調表現とは異なります。
「very」が「とても」という中立的な強調であるのに対し、「too」は「すぎる」という否定的なニュアンスを持ちます。
例文
- The soup is very hot.
(そのスープはとても熱いです。)- 事実の単純な強調 - The soup is too hot for me.
(そのスープは私には熱すぎます。)- 私には適さないという判断
「too ~ for」と「too ~ to」の関係
「too ~ for」は単独で使われることもありますが、「too ~ for someone to do」という形で「too ~ to」構文と組み合わせて使われることも多いです。
この場合、「~にとって…すぎて◇できない」という意味になります。
例文
- This box is too heavy for me to carry.
(この箱は私には重すぎて運べません。) - The problem is too complicated for beginners to understand.
(その問題は初心者には複雑すぎて理解できません。) - The mountain was too steep for us to climb.
(その山は私たちには急すぎて登れませんでした。)
この構文では、「for + 名詞/代名詞」が「to不定詞」の意味上の主語として機能します。
つまり、「for me」は「to carry」の動作主(実際に運ぶ人)を示しています。
「too ~ for」の様々な使い方
「too ~ for」は様々な文脈で使うことができます。
主な使用例を見ていきましょう。
物理的な不適合を表す
物や環境が特定の人や物にとって物理的に合わない、適さないことを表します。
例文
- This jacket is too small for my brother.
(このジャケットは弟には小さすぎます。) - The water is too cold for swimming.
(この水は泳ぐには冷たすぎます。) - The chair is too low for the dining table.
(その椅子はダイニングテーブルには低すぎます。)
能力や適性の不一致を表す
ある行動や活動が特定の人の能力やレベルに合わないことを表します。
例文
- This marathon is too challenging for beginners.
(このマラソンは初心者には難しすぎます。) - The concert was too boring for music enthusiasts.
(そのコンサートは音楽愛好家には退屈すぎました。) - These math problems are too advanced for first-grade students.
(これらの数学の問題は1年生には高度すぎます。)
経済的・時間的な制約を表す
予算や時間などのリソースとの不一致を表します。
例文
- That luxury car is too expensive for our company budget.
(その高級車は会社の予算には高すぎます。) - The project is too time-consuming for our tight schedule.
(そのプロジェクトは私たちのタイトなスケジュールには時間がかかりすぎます。) - The deadline is too soon for us to complete the report.
(その締め切りは私たちがレポートを完成させるには早すぎます。)
「too ~ for」を含む慣用表現
「too ~ for」を含むいくつかの慣用的な表現を見ていきましょう。
「too good for」(~には良すぎる)
何かが特定の人や状況にとって質が高すぎることを表します。
時に皮肉として使われることもあります。
例文
- He thinks he’s too good for this small town.
(彼はこの小さな町には自分が良すぎると思っています。) - This wine is too good for cooking.
(このワインは料理に使うには良すぎます。)
「too much for」(~にとって多すぎる、~には手に負えない)
量や強度が過剰で、対処できないことを表します。
例文
- The stress was too much for him.
(そのストレスは彼には耐えられないものでした。) - Three projects at once is too much for our small team.
(同時に3つのプロジェクトは私たちの小さなチームには多すぎます。)
「too ~ for」の否定形と言い換え表現
否定形:「not too ~ for」
「too ~ for」の否定形は「not too ~ for」となり、「~にとって…すぎるわけではない」という意味になります。
これは「適度である」「対処できる」というニュアンスを持ちます。
例文
- The test was not too difficult for me.
(そのテストは私には難しすぎるわけではありませんでした。) - This recipe is not too complicated for beginners.
(このレシピは初心者には複雑すぎるわけではありません。)
「so ~ that」への言い換え
「too ~ for someone to do」は「so ~ that someone can’t do」という形に言い換えることができます。
どちらも「~すぎて…できない」という意味ですが、構文が異なります。
例文
- The box is too heavy for me to lift.
→ The box is so heavy that I can’t lift it.
(その箱は私には重すぎて持ち上げられません。) - The movie was too scary for children to watch.
→ The movie was so scary that children couldn’t watch it.
(その映画は子供たちには怖すぎて見ることができませんでした。)
この言い換えでは、「too ~ for ~ to」の単文(SV構造が1つ)が「so ~ that ~」の複文(SV構造が2つ)に変わることに注意が必要です。
「too ~ for」を使った会話例
実際の会話で「too ~ for」がどのように使われるかを見てみましょう。
会話例1:レストランで
例文
- A: Would you like to try this spicy curry?
(この辛いカレーを試してみますか?) - B: No, thanks. It looks too spicy for me. I prefer mild dishes.
(いいえ、結構です。私には辛すぎそうです。マイルドな料理が好きなんです。) - A: I understand. There are some less spicy options on the menu.
(わかりました。メニューにはあまり辛くない選択肢もありますよ。)
会話例2:買い物で
例文
- A: What do you think of these shoes?
(これらの靴についてどう思いますか?) - B: They’re beautiful, but they’re too expensive for my budget this month.
(とても素敵ですが、今月の予算には高すぎます。) - A: There’s a sale in the other store. Let’s check if they have something more affordable.
(別の店でセールをやっています。もっと手頃な価格のものがあるか確認してみましょう。)
会話例3:仕事の場面で
例文
- A: Can you finish this report by tomorrow morning?
(明日の朝までにこのレポートを仕上げることができますか?) - B: That’s too soon for such a detailed analysis. I need at least three days.
(そのような詳細な分析をするには早すぎます。少なくとも3日は必要です。) - A: I see. Let’s discuss a more realistic deadline.
(なるほど。もっと現実的な締め切りについて話し合いましょう。)
まとめ:「too ~ for」の使い方のポイント

「too ~ for」は英語で「~にとって…すぎる」という意味を持つ便利な表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、
- 基本的な意味は「~にとって…すぎる」で、何かが特定の対象に適していないことを表します。
- 「too + 形容詞/副詞 + for + 名詞/代名詞」という構造で使われます。
- 「too ~ for someone to do」の形で「~にとって…すぎて◇できない」という意味になります。
- 物理的な不適合、能力や適性の不一致、経済的・時間的な制約など、様々な文脈で使えます。
- 「too good for」「too much for」などの慣用表現もあります。
- 「so ~ that」構文に言い換えることができます。
「too ~ for」をマスターすれば、英語での表現の幅が広がります。
何かが特定の対象に適していないことを伝えたい場合に積極的に使ってみてください。