「other」は英語において形容詞、代名詞、限定詞として使われる多機能な単語です。基本的な意味は「他の」「別の」「残りの」などで、日常会話から文章表現まで幅広く活用される重要な語彙です。
この記事では、「other」の基本的な意味から応用まで、初学者にもわかりやすく例文を交えて解説していきます。
otherとは?英語における基本的な意味

「other」は基本的に「別の」「他の」「残りの」という意味を持つ英単語です。物事や人を指し示す際に「これ以外の」「これとは違う」というニュアンスを表現するために使われます。
「other」の主な意味は以下の通りです。
- 追加的な、さらなる
- 言及されたものとは異なる
- 残りの
これらの意味を理解すると、様々な状況での「other」の使い方が明確になります。「other」は形容詞、代名詞、限定詞として機能し、それぞれの品詞によって使い方が異なります。
otherの品詞別の使い方
「other」は複数の品詞として使える便利な単語です。ここでは形容詞、代名詞、限定詞としての使い方を詳しく見ていきましょう。
形容詞としてのother
形容詞としての「other」は名詞を修飾して「別の」「他の」という意味を表します。
例文
- I have two pencils. One is red, and the other pencil is blue.(私は鉛筆を2本持っています。1本は赤で、もう1本の鉛筆は青です。)
- Some students like math, but other students prefer English.(一部の生徒は数学が好きですが、他の生徒は英語の方が好きです。)
- My brother lives in Tokyo, but my other family members live in Osaka.(私の兄は東京に住んでいますが、他の家族は大阪に住んでいます。)
単数の可算名詞の前では通常「the other」か「another」を使い、「other」単独では使わないことに注意しましょう。
代名詞としてのother
代名詞としての「other」は名詞の代わりに使われます。単数形では「the other」、複数形では「others」として使われることが多いです。
例文
- I have two books. I’ve read one, but not the other.(本を2冊持っています。1冊は読みましたが、もう1冊は読んでいません。)
- Some people like coffee, others prefer tea.(コーヒーが好きな人もいれば、お茶の方が好きな人もいます。)
- Some of the students passed the exam, others failed.(生徒の一部は試験に合格しましたが、他の生徒は不合格でした。)
限定詞としてのother
限定詞としての「other」は名詞の前に置かれ、その名詞がどのようなものかを限定します。この用法では、「other」は不可算名詞や複数形の名詞の前に直接使うことができます。
例文
- I need other information about this topic.(このトピックについての他の情報が必要です。)
- We visited Paris, London, and other European cities.(私たちはパリ、ロンドン、そして他のヨーロッパの都市を訪れました。)
- He speaks English and other languages.(彼は英語と他の言語を話します。)
単数形の可算名詞の前では、何か別の限定詞(the, my, this など)が必要です。
例文
- My other shoe is under the bed.(私のもう一方の靴はベッドの下にあります。)
otherを含む重要な表現
「other」を含む重要な表現や熟語がいくつかあります。これらは日常会話や文章でよく使われるため、しっかり覚えておきましょう。
the other
「the other」は、2つしかない場合の「もう一方の」という意味で使います。2つのうちの1つがすでに言及されている時に、残りの1つを指す場合に使用します。
例文
- I have two sisters. One lives in Tokyo, the other lives in Osaka.(私には2人の姉妹がいます。1人は東京に住んでおり、もう1人は大阪に住んでいます。)
- He held a book in one hand and a pen in the other.(彼は片手に本を、もう片方の手にペンを持っていました。)
- There are two options: we can go by train or by bus. I prefer the other.(選択肢は2つあります:電車で行くか、バスで行くか。私はもう一方を好みます。)
others
「others」は「他の人々」や「他のもの」を表す代名詞です。複数形で名詞の代わりに使われます。
例文
- Some students study hard, others don’t.(一生懸命勉強する生徒もいれば、そうでない生徒もいます。)
- I like these shoes, but not the others.(私はこれらの靴は好きですが、他のものは好きではありません。)
- Some people prefer to work from home, others enjoy going to the office.(在宅勤務を好む人もいれば、オフィスに行くのを楽しむ人もいます。)
another
「another」は「もう1つの」「別の」という意味で、単数形の可算名詞の前に使います。「an + other」が一語になったものです。
例文
- I need another pen. This one doesn’t work.(別のペンが必要です。このペンは動きません。)
- Would you like another cup of tea?(もう一杯お茶はいかがですか?)
- Let’s meet another day.(別の日に会いましょう。)
the others
「the others」は、すでに言及されたグループの中で、まだ言及されていない残りのすべての人やものを指します。
例文
- Three students passed the test, but the others failed.(3人の生徒は試験に合格しましたが、残りの生徒は不合格でした。)
- I took two apples and gave the others to my friends.(私はリンゴを2つ取り、残りは友達にあげました。)
- Tom and Lisa are here, where are the others?(トムとリサはここにいますが、他の人たちはどこですか?)
otherとanotherの違い
「other」と「another」の違いを明確に理解することは、英語を正確に使うために重要です。どのように使い分けるのか見ていきましょう。
基本的な使い分け
基本的な違いは以下の通りです。
「another」は単数形の可算名詞に使います
- I need another book.(私はもう一冊の本が必要です。)
「other」は複数形の名詞や不可算名詞に使います
- I need other books.(私は他の本が必要です。)
- I need other information.(私は他の情報が必要です。)
単数形の可算名詞の前で「other」を使う場合は、何らかの限定詞が必要です
- I need the other book.(私はもう一方の本が必要です。)
- I need my other book.(私のもう一方の本が必要です。)
具体的な例文での違い
以下の例文で「other」と「another」の違いをさらに明確にしましょう。
例文
- I have two pens. One is blue, the other is red.(私はペンを2本持っています。1本は青で、もう1本は赤です。)
- I have one pen, but I need another.(私はペンを1本持っていますが、もう1本必要です。)
- These shoes are too small. Do you have them in other sizes?(これらの靴は小さすぎます。他のサイズはありますか?)
- This shoe is too small. Do you have another size?(この靴は小さすぎます。別のサイズはありますか?)
- Some students like math, other students prefer science.(一部の生徒は数学が好きで、他の生徒は科学が好きです。)
- This student likes math, but another student might prefer science.(この生徒は数学が好きですが、別の生徒は科学が好きかもしれません。)
otherのよくある間違いと注意点
「other」を使う際によくある間違いや注意点をいくつか紹介します。日本人英語学習者がつまずきやすいポイントですので、しっかり覚えておきましょう。
単数と複数の使い分け
最も一般的な間違いの一つは、単数・複数の使い分けに関するものです。
誤:I need other pen.(×)
正:I need another pen.(〇)
正:I need the other pen.(〇)(2本しかない場合)
誤:I need others pens.(×)
正:I need other pens.(〇)
「others」は代名詞なので、直後に名詞を置くことはできません。「others」の後には何も置かないか、「of」を使って「others of the group」のような形にします。
冠詞の使い方
「other」と冠詞の組み合わせも注意が必要です。
「the other」:全体が2つしかない場合のもう一方を指します。
- One eye is blue, the other eye is green.(片方の目は青く、もう片方の目は緑です。)
「other」:複数あるもののうちの他のものを指します。
- I’ve read this book, but not other books by the same author.(私はこの本は読みましたが、同じ作者による他の本は読んでいません。)
「the others」:すでに言及されたグループの中の残りのすべてを指します。
- Two students are absent today, the others are present.(2人の生徒が今日欠席していますが、他の生徒は出席しています。)
代名詞と限定詞の区別
「other」(限定詞)と「others」(代名詞)の区別もよく混同されます。
限定詞の「other」は名詞の前に置かれます。
例文
- Other students are waiting outside.(他の生徒たちが外で待っています。)
代名詞の「others」は単独で使われます。
例文
- Some students are in the classroom, others are outside.(一部の生徒は教室内にいて、他の生徒は外にいます。)
otherに関する問題
以下の問題を解いて、「other」の使い方についての理解を深めましょう。
- I have two dogs. One is black, and ( ) is white.
- Some people like coffee, ( ) prefer tea.
- I don’t like this shirt. Please show me ( ) shirt.
- Would you like ( ) piece of cake?
- Three students passed the exam, but ( ) failed.
- This book is interesting, but I want to read ( ) books too.
- I have many friends. Some live in Tokyo, ( ) live in Osaka.
- We visited Paris, London, and ( ) European cities.
- One hand washes ( ).
- This is my right shoe. Where is ( ) one?
otherの用法別の比較表
「other」の様々な形式とその使い方を比較してみましょう。
| 表現 | 使い方 | 例文 |
|---|---|---|
| other | 複数名詞/不可算名詞の前 | I need other books.(他の本が必要です。) |
| another | 単数可算名詞の前 | I need another book.(別の本が必要です。) |
| the other | 2つしかない場合のもう1つ | I have two books. This one is new, the other is old.(本を2冊持っています。これは新しく、もう1冊は古いです。) |
| others | 代名詞(他の人々/もの) | Some students passed, others failed.(合格した生徒もいれば、不合格だった生徒もいます。) |
| the others | 残りのすべて | Five students came early, the others were late.(5人の生徒は早く来ましたが、残りの生徒は遅刻しました。) |
| the other one | 2つのうちのもう1つ | This pen works, but the other one doesn’t.(このペンは動きますが、もう1本は動きません。) |
otherを使った慣用表現
「other」を含む慣用表現もいくつかあります。これらの表現を覚えておくと、英語力がさらに向上します。
the other day
「the other day」は「先日」「この間」という意味で、比較的最近の過去のある日を指します。
例文
- I saw your brother the other day.(この間、あなたのお兄さんに会いました。)
- She called me the other day to ask about the party.(彼女はこの間、パーティーについて尋ねるために電話をくれました。)
every other
「every other」は「一つおきの」「隔日の」という意味を表します。
例文
- I go to the gym every other day.(私は一日おきにジムに行きます。)
- The seats were arranged so that every other chair was empty.(席は一つおきに空席になるように配置されていました。)
each other
「each other」は「お互いに」という意味で、二者間の相互関係を表します。
例文
- They love each other very much.(彼らはお互いをとても愛しています。)
- The two teams helped each other during the competition.(2つのチームは競争中にお互いを助け合いました。)
other than
「other than」は「〜以外に」「〜を除いて」という意味を表します。
例文
- Is there anyone other than John who can help?(ジョン以外に手伝える人はいますか?)
- I don’t know any language other than English.(英語以外の言語は知りません。)
otherに関するよくある質問
「other」に関してよく聞かれる質問とその回答をまとめました。
- 「another」と「other one」の違いは何ですか?
-
「another」は「別の1つ」「もう1つ」を意味し、不特定多数の中の別の1つを指します。一方、「the other one」は、2つしかない中のもう一方を指します。
- I don’t like this pen. Give me another one.(このペンが好きではありません。別のペンをください。)(複数のペンの中から別の1つ)
- I have two pens. This one is blue, the other one is red.(ペンを2本持っています。これは青で、もう一方は赤です。)(2本しかない場合)
- 「other」と「others」のどちらを使えばいいですか?
-
「other」は形容詞や限定詞として名詞の前に使います。「others」は代名詞として単独で使います。
- Other students are waiting.(他の生徒たちが待っています。)(形容詞/限定詞)
- Some students are here, others are absent.(一部の生徒はここにいて、他の生徒は欠席しています。)(代名詞)
- 「the other day」はどういう意味ですか?
-
「the other day」は「先日」「この間」という意味で、比較的最近の過去のある日を指します。具体的な日付を特定せずに、最近あった出来事について話す際に使います。
- I saw your brother the other day.(この間、あなたの兄弟に会いました。)
- 「each other」と「one another」の違いは何ですか?
-
伝統的には、「each other」は2人の間の相互関係、「one another」は3人以上の間の相互関係を表すとされていましたが、現代の英語ではほぼ同じ意味で使われることが多いです。どちらも「お互いに」という意味を表します。
- They love each other.(彼らはお互いを愛しています。)
- They help one another.(彼らはお互いを助け合います。)
- 「other than that」はどういう意味ですか?
-
「other than that」は「それ以外は」「それを除けば」という意味で、何か問題点や例外を挙げた後に、それ以外は問題ないことを示す表現です。
- The hotel room was a bit small, but other than that, it was perfect.(ホテルの部屋は少し小さかったですが、それ以外は完璧でした。)
まとめ

この記事では、英語の「other」について詳しく解説しました。「other」は「別の」「他の」「残りの」という意味を持ち、形容詞、代名詞、限定詞として様々な使い方があります。
また、「the other」「others」「another」「the others」などの関連表現とその使い分けについても学びました。「other」を使いこなすためのポイントをまとめると、
- 「other」は複数名詞や不可算名詞の前に使います
- 「another」は単数可算名詞の前に使います
- 「the other」は2つしかないうちのもう一方を指します
- 「others」は代名詞として使い、名詞の前には置きません
- 「the others」はグループの中の残りの全員・全てを指します
- 単数可算名詞に「other」を使う場合は、前に限定詞(the, my, thisなど)が必要です
これらのルールを覚えて、適切な文脈で「other」とその関連表現を使いこなせるようになりましょう。英語の表現力が格段に上がり、より自然な英語が話せるようになります。
「other」はシンプルな単語ですが、その使い方は多岐にわたります。この記事で解説した内容を参考に、日常会話や英作文で積極的に使ってみてください。使いながら覚えることで、自然と使いこなせるようになるでしょう。

