「rare」は主に「珍しい」「めったにない」「希少な」といった意味を持つ英語の形容詞です。日常会話から学術的な文脈まで幅広く使われる表現で、日本語では「レア」というカタカナ語としても定着しています。
この記事では英語初学者向けに「rare」の意味や使い方を例文とともに詳しく解説していきます。
「rare」とは?珍しいものや出来事を表す形容詞

「rare」は基本的に「数が少ない」「頻度が低い」「めったに見られない」といった意味を持つ形容詞です。何かが一般的ではなく、普段あまり見かけないものや状況を描写するときに使用します。また、希少であるがゆえに「価値がある」というニュアンスも含まれることが多いです。
動物や植物、本や切手、コインなどのコレクション品が「数少ない」「珍しい」場合や、めったに起こらないような出来事を表現する際に使われます。
例文
- This book is very rare. (この本はとても珍しいです。)
- Pandas are rare animals. (パンダは珍しい動物です。)
- It is rare to see snow in summer. (夏に雪を見るのは珍しいです。)
「rare」という言葉を使うことで、その物や現象が特別であることを強調することができます。
「rare」の発音と語源について
「rare」の発音は日本語のカタカナで表すと「レア」や「レェア」に近い音になります。英語の発音記号では /reər/ と表記されます。
この単語はラテン語の「rarus(まばらな、数が少ない)」に由来しています。ラテン語から英語に取り入れられ、中世英語の時代から現在まで使われ続けている歴史ある単語です。
なお、肉の焼き加減を表す「rare(レア)」は、古英語の「rear(半熟の)」から派生した別の語源を持つ言葉と言われています。これが転じて、今日では肉の「生焼け」を意味するようになりました。
「rare」の品詞と文法的な使い方
「rare」は基本的に形容詞として使われます。形容詞としての「rare」は、次のような使い方があります。
- 名詞の前に置いて修飾する
A rare book (珍しい本)
A rare opportunity (珍しい機会) - be動詞の後ろに置く
This flower is rare. (この花は珍しいです。)
Good friends are rare. (良い友達は珍しいです。) - 「It is rare for/that…」という構文で「〜することは珍しい」と表現する
It is rare for children to dislike chocolate. (子供がチョコレートを嫌うのは珍しいです。)
It is rare that he arrives on time. (彼が時間通りに着くのは珍しいです。)
「rare」の比較級は「rarer(より珍しい)」、最上級は「rarest(最も珍しい)」です。
例文
- This bird is rarer than that one. (この鳥はあの鳥よりも珍しいです。)
- This is the rarest coin in my collection. (これは私のコレクションの中で最も珍しいコインです。)
「rare」のさまざまな意味と用法
「rare」には主に以下のような意味があります。
- 珍しい、めったにない(数や発生頻度が少ない)
Rare animals (珍しい動物)
A rare event (珍しい出来事) - 貴重な、価値がある(珍しさゆえに価値が高い)
A rare book (貴重な本)
Rare stamps (希少な切手) - 優れた、卓越した(特に能力や才能が並外れている)
A person of rare talent (並外れた才能を持つ人)
A rare beauty (稀有な美しさ) - 希薄な、薄い(気体などが密度が低い状態)
Rare air (希薄な空気) - 生焼けの、レアの(肉の焼き加減を表す)
I like my steak rare. (私はステーキをレアで食べるのが好きです。)
特に5番目の「肉の焼き加減」を表す用法は、日本でも「レア」として料理や飲食の場面でよく使われています。肉の中心部分が赤く、半生の状態を表します。
「rare」と類義語の違いと使い分け
「rare」に似た意味を持つ英単語はいくつかありますが、それぞれニュアンスや使い方が異なります。
scarce(不足している、乏しい)
「scarce」は本来あるべきものが十分にない状態を表します。「rare」が最初から数が少ないのに対し、「scarce」は以前は豊富だったが今は不足している状態を示すことが多いです。
例文
- Water is scarce in the desert. (砂漠では水が不足しています。)
uncommon(一般的でない、珍しい)
「uncommon」は「common(一般的な)」の反対で、一般的でないことを表します。「rare」ほど珍しさや価値を強調しません。
例文
- It is uncommon to see people wearing hats these days. (最近は帽子をかぶっている人を見かけることは一般的ではありません。)
unusual(普通ではない、変わった)
「unusual」は通常とは異なる、変わった様子を表します。必ずしも数が少ないことを意味せず、単に一般的な基準から外れていることを示します。
例文
- He has an unusual hairstyle. (彼は変わった髪型をしています。)
unique(独特の、唯一無二の)
「unique」は他に類を見ない、唯一無二であることを強調します。「rare」が少数存在するのに対し、「unique」は理論上一つしか存在しないことを意味します。
例文
- Every person has a unique fingerprint. (すべての人は独自の指紋を持っています。)
これらの類義語の違いを理解することで、より正確に状況を表現することができます。
「rare」の例文と実践的な使い方
ここでは、「rare」の基本的な使い方を示す簡単な例文をいくつか紹介します。中学英語レベルの内容なので、初学者の方も理解しやすいでしょう。
例文
- This is a rare coin. (これは珍しいコインです。)
- That bird is very rare in Japan. (あの鳥は日本ではとても珍しいです。)
- It is rare to see him smile. (彼が笑うのを見るのは珍しいです。)
- She has a rare talent for music. (彼女は音楽に関して珍しい才能を持っています。)
- Blue roses are very rare. (青いバラはとても珍しいです。)
- I saw a rare animal in the zoo yesterday. (昨日動物園で珍しい動物を見ました。)
- It is rare for me to eat breakfast. (私が朝食を食べるのは珍しいです。)
- This book is rarer than that one. (この本はあの本よりも珍しいです。)
- Do you want your steak rare or well-done? (ステーキはレアとウェルダンのどちらがいいですか?)
- We had a rare chance to see a famous actor. (私たちは有名な俳優を見る珍しい機会がありました。)
これらの例文を通じて、「rare」がどのような文脈で使われるのかを理解することができます。
「rare」から派生した関連表現
「rare」から派生した主な単語には以下のようなものがあります。
- rarely(副詞):「めったに〜ない」「滅多に〜しない」
I rarely eat fast food. (私はめったにファストフードを食べません。)
She rarely comes to school late. (彼女は学校に遅刻することはめったにありません。) - rarity(名詞):「珍しさ」「希少性」「珍しいもの」
The rarity of this stamp makes it valuable. (この切手の希少性がそれを価値あるものにしています。)
This old book is a rarity. (この古い本は珍しいものです。) - rareness(名詞):「珍しさ」「希少さ」
The rareness of this event surprised everyone. (この出来事の珍しさは皆を驚かせました。)
特に「rarely」は日常会話でよく使われる副詞で、「rare」の副詞形です。動詞を修飾して「めったに〜しない」という頻度の低さを表現します。
「rare」のよくある間違いと注意点
「rare」を使う際によくある間違いや注意点をいくつか紹介します。
「rare」と「rarely」の混同
「rare」は形容詞で、「rarely」は副詞です。文中での役割が異なるため、使い分けに注意しましょう。
× I rare go to the cinema.
○ I rarely go to the cinema. (私はめったに映画館に行きません。) × It is a rarely book.
○ It is a rare book. (それは珍しい本です。)
「It is rare that」と「It is rarely that」の混同
「It is rare that…」が一般的な表現ですが、「It is rarely that…」はあまり使われません。
○ It is rare that we have snow in Tokyo. (東京で雪が降るのは珍しいです。)
× It is rarely that we have snow in Tokyo.
「rare」の比較級の間違い
「rare」の比較級は「rarer」です。「more rare」とするのは一般的ではありません。
× This flower is more rare than that one.
○ This flower is rarer than that one. (この花はあの花よりも珍しいです。)
肉の焼き加減を表す「rare」の誤用
肉の焼き加減を表す「rare」は、「生焼けの」という意味で使われます。この文脈では他の表現で置き換えられません。
○ I want my steak rare. (ステーキをレアでお願いします。)
× I want my steak unusual.
「rare」と「scarce」の混同
「rare」は本来から数が少ないことを意味し、「scarce」は以前は豊富だったが今は不足している状態を示します。
○ Pandas are rare animals. (パンダは珍しい動物です。)
○ Water is scarce in the desert. (砂漠では水が不足しています。)
これらの注意点を意識することで、「rare」をより正確に使えるようになります。
「rare」に関する問題
「rare」の理解を深めるための問題を10問用意しました。それぞれの問題を解いて、「rare」の使い方をマスターしましょう。
- 次の文の空欄に入る適切な単語を選びなさい:This type of flower is very __ in Japan.
a) rarely b) rare c) rarity d) rarest - 次の文を日本語に訳しなさい:She has a rare talent for mathematics.
- 次の日本語を英語に訳しなさい:彼がパーティーに来るのは珍しいです。
- 次の文の空欄に入る適切な単語を選びなさい:I __ eat fast food because it’s unhealthy.
a) rare b) rarely c) rarer d) rarest - 次の文の誤りを訂正しなさい:The book is more rare than I thought.
- 次の英文の意味として最も適切なものを選びなさい:It is rare to see wild pandas in the forest.
a) 森で野生のパンダを見ることはよくある。
b) 森で野生のパンダを見ることは珍しい。
c) 森で野生のパンダを見ることは不可能だ。
d) 森で野生のパンダを見ることは危険だ。 - 次の文の空欄に入る適切な単語を選びなさい:This coin is one of the __ in my collection.
a) more rare b) rarely c) rarest d) rarefied - 次の文を日本語に訳しなさい:Do you like your steak rare or well-done?
- 次の日本語を英語に訳しなさい:珍しい切手を集めるのが彼の趣味です。
- 次の文の空欄に入る適切な単語を選びなさい:The __ of this species makes it important to protect.
a) rare b) rarely c) rareness d) rarity
「rare」に関するよくある質問
- 「rare」と「rarely」の違いは何ですか?
-
「rare」は形容詞で「珍しい」「まれな」という意味です。「rarely」は副詞で「めったに~ない」という意味です。「rare」は名詞を修飾し、「rarely」は動詞や形容詞を修飾します。
例:This is a rare book.(これは珍しい本です。)
例:I rarely read books.(私はめったに本を読みません。) - 「It is rare that」と「It is rarely that」はどちらが正しいですか?
-
一般的には「It is rare that」が正しいとされています。「rare」は形容詞で、この構文では「It is + 形容詞 + that節」という形になります。「It is rarely that」は文法的には可能ですが、一般的な表現ではありません。
例:It is rare that we have snow in Tokyo.(東京で雪が降るのは珍しいです。)
- 「rare」の比較級と最上級は何ですか?
-
「rare」の比較級は「rarer」、最上級は「rarest」です。
例:This flower is rarer than that one.(この花はあの花よりも珍しいです。)
例:This is the rarest coin in my collection.(これは私のコレクションの中で最も珍しいコインです。) - 「rare」は肉の焼き加減を表す際にどのように使いますか?
-
「rare」は肉(特にステーキ)の焼き加減を表す際に「レア」、つまり「表面だけ軽く焼いて中はほぼ生の状態」を意味します。
例:I like my steak rare.(私はステーキをレアで食べるのが好きです。)
- 「rare」と「scarce」の違いは何ですか?
-
「rare」は本来から数が少ないことを意味し、「scarce」は本来は豊富だったが今は不足していることを意味します。「rare」は価値や特別さを示唆することが多いですが、「scarce」は単に量が少ないことを示します。
例:Diamonds are rare minerals.(ダイヤモンドは珍しい鉱物です。)
例:Food was scarce during the war.(戦時中は食料が不足していました。)
まとめ

この記事では英語の形容詞「rare」について、その意味や使い方、例文などを詳しく解説しました。「rare」は日常会話から専門的な場面まで幅広く使われる便利な表現です。
以下に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- 「rare」は主に「珍しい」「めったにない」「希少な」という意味を持つ形容詞である
- 「rare」には「貴重な」「素晴らしい」「希薄な」「生焼けの」などの意味もある
- 「rare」の比較級は「rarer」、最上級は「rarest」である
- 「rare」から派生した単語には「rarely(副詞)」「rarity(名詞)」「rareness(名詞)」などがある
- 「rare」と「rarely」は品詞が異なり、使い方に注意が必要である
- 「It is rare for/that…」という構文で「〜することは珍しい」と表現できる
- 「rare」と「scarce」「uncommon」「unusual」「unique」などの類義語はニュアンスが異なる
- 料理の文脈では「rare」は肉の「レア(生焼け)」状態を表す
英語学習では、単語の基本的な意味だけでなく、様々な使い方やニュアンスを理解することが重要です。「rare」のような基本的な形容詞でも、その使い方を細かく知ることで、より自然で正確な英語表現ができるようになります。
この記事が「rare」の理解を深める助けになり、皆さんの英語学習に役立つことを願っています。さらに英語力を高めるために、日常的に英語に触れる機会を作り、実際に使ってみることをおすすめします。