「cajole」は英語の動詞で、「おだてる」「甘い言葉で説得する」「丸め込む」という意味を持ちます。相手を巧みに操って望む行動を取らせるというニュアンスがあり、ビジネスシーンから日常会話まで様々な場面で使われる単語です。
この記事では、英語初学者の方にも分かりやすく「cajole」の意味や使い方を例文と共に詳しく解説していきます。
「cajole」とは?その基本的な意味

「cajole」は「おだてる」「そそのかす」「甘い言葉で説得する」という意味の他動詞です。単に説得するだけでなく、お世辞や甘い言葉を使って相手を巧みに操り、自分の望む方向へ導くというニュアンスを持ちます。
時には少し否定的な意味合いを含むこともありますが、必ずしも悪い意味だけではありません。
具体的には、相手を褒めたり、甘い約束をしたり、魅力的な言葉を使ったりして、相手が最初は望んでいなかったことをさせるという状況で使われます。
親が子どもに野菜を食べさせようとしたり、セールスパーソンが商品を買わせようとしたりする場面などで見られる行為です。
「cajole」の発音と語源
「cajole」の発音は「カジョウル」に近く、アメリカ英語では /kəˈdʒoʊl/、イギリス英語では /kəˈdʒəʊl/ と表記されます。強勢は2音節目にあります。
この単語はフランス語の「cajoler」から来ており、1640年代から英語で使われるようになりました。語源については諸説ありますが、フランス語の「cageoler」(「カケスのようにおしゃべりする」)から変化したという説や、古フランス語の「gaioler」(「檻に入れる」や「檻に誘い込む」)から来ているという説があります。
いずれにしても、甘い言葉で相手を操るという現在の意味に発展してきました。
「cajole」の様々な使い方
「cajole」は様々な前置詞と組み合わせて使うことができます。主な使い方のパターンを見ていきましょう。
「cajole someone into doing something」
これは最も一般的な使い方で、「人を甘い言葉で説得して~させる」という意味になります。
相手を巧みに操作して、本来はしたくないことをさせるというニュアンスです。
「cajole someone out of doing something」
これは「人を甘い言葉で説得して~しないようにさせる」「~をやめさせる」という意味になります。
相手がしようとしていることを、巧みな言葉で思いとどまらせるパターンです。
「cajole something from/out of someone」
この形では「甘い言葉で人から何かを引き出す・奪う」という意味になります。
相手の持っているものや情報などを、巧みな話術で手に入れる状況を表します。
「cajole」を使った例文
ここでは、中学英語レベルの簡単な例文を通して「cajole」の使い方を見ていきましょう。
基本的な使い方
例文
- He cajoled his sister into helping him with his homework.(彼は妹をうまく言いくるめて宿題を手伝わせた。)
- She cajoled her parents into buying a new bike.(彼女は両親をおだてて新しい自転車を買ってもらった。)
- The teacher cajoled the students into cleaning the classroom.(先生は生徒たちをうまく説得して教室の掃除をさせた。)
「out of」を使った例文
例文
- He cajoled her out of quitting the team.(彼は彼女を説得してチームを辞めるのをやめさせた。)
- The mother cajoled the child out of crying.(母親は子供をなだめて泣くのをやめさせた。)
「from/out of」を使った例文
例文
- She cajoled some money from her father.(彼女は父親から上手に言葉巧みにお金を引き出した。)
- He cajoled the secret out of his friend.(彼は友達からうまく秘密を聞き出した。)
「cajole」と似た意味を持つ単語
「cajole」と似た意味を持つ単語がいくつかありますが、微妙なニュアンスの違いがあります。
coax(なだめる、優しく説得する)
「coax」は「cajole」と似ていますが、より穏やかで忍耐強い説得を意味します。
「cajole」がお世辞や魅力を使う傾向があるのに対し、「coax」はより理解と優しさに基づいた説得です。
例文
- She coaxed the shy child to join the game.(彼女は恥ずかしがりの子供を優しく説得して、ゲームに参加させた。)
persuade(説得する)
「persuade」は最も一般的な「説得する」という意味の単語で、理論的な議論や理由づけによって相手を納得させるニュアンスがあります。
例文
- She persuaded him to study harder.(彼女は彼にもっと一生懸命勉強するよう説得した。)
wheedle(おだてる、ゴマをする)
「wheedle」は「cajole」に非常に近い意味を持ちますが、より強いお世辞や追従のニュアンスがあります。
例文
- The child wheedled a cookie from his mother.(その子はお母さんをおだててクッキーをもらった。)
「cajole」の派生語
「cajole」には以下のような派生語があります。
cajolement(名詞)
「甘い言葉でつること」「甘言」という意味の名詞です。
例文
- His cajolement finally convinced her to agree.(彼の甘い説得にやっと彼女は同意した。)
cajoler(名詞)
「おだて上手」「おべっか使い」という意味の名詞で、人を指します。
例文
- He is known as a skilled cajoler in the office.(彼はオフィスでは人をうまくおだてる人として知られている。)
cajolery(名詞)
「甘言」「おだて」という意味の名詞です。
例文
- Her cajolery didn’t work on me.(彼女のおだてに私は乗らなかった。)
「cajole」のよくある間違いと注意点
「cajole」を使う際に気をつけるべき点をいくつか挙げておきます。
ニュアンスの誤解
「cajole」には時に否定的なニュアンスがあります。
純粋な説得とは異なり、相手を操作しているような印象を与えることがあるため、フォーマルな場面や敬意を示すべき相手に対して使うときは注意が必要です。
前置詞の誤用
「cajole」と一緒に使う前置詞を間違えやすいので注意しましょう。
- 「into + ~ing」:~するように説得する
- 「out of + ~ing」:~しないように説得する
- 「from/out of + 人」:人から何かを引き出す
日本語の「おだてる」との違い
日本語の「おだてる」は単に相手を褒めることを意味する場合もありますが、英語の「cajole」は必ず何かの目的(相手に何かをさせる、または何かをやめさせる)があります。
単に相手を褒めるだけの場合は「flatter」や「compliment」を使います。
似た単語との混同
「cajole」「coax」「persuade」「wheedle」などの単語は似た意味を持ちますが、ニュアンスが異なります。「cajole」はお世辞や魅力を使った説得で、多少操作的な要素があります。
「cajole」に関する問題
「cajole」についての理解を深めるために、いくつかの問題に挑戦してみましょう。これらの問題は「cajole」の意味や使い方、関連する表現についての理解を確認するためのものです。
それぞれの問題で最も適切な答えを選んでください。
- 「cajole」の最も適切な意味は次のうちどれですか?
a) 脅す
b) 説教する
c) おだてて説得する
d) 無視する - 以下の文の空欄に入る最も適切な単語は?
“She tried to _ her brother into lending her his car.”
a) cajole
b) frighten
c) force
d) ignore - 「He cajoled the money out of his parents.」の最も適切な意味は?
a) 彼は両親からお金を盗んだ。
b) 彼は両親にお金を要求した。
c) 彼は両親をうまく言いくるめてお金を出させた。
d) 彼は両親にお金を返した。 - 「cajole」と最も意味が近い単語は?
a) threaten
b) coax
c) demand
d) reject - 次の文のうち、「cajole」の使い方が正しいのはどれですか?
a) He cajoled against her proposal.
b) She cajoled into the room.
c) They cajoled him into joining their team.
d) I cajole at the movie. - 「The salesman cajoled the customer into buying the expensive watch.」の意味として最も適切なのは?
a) 販売員は客に高価な時計を強引に売りつけた。
b) 販売員は客をおだてて高価な時計を買わせた。
c) 販売員は客に高価な時計を紹介した。
d) 販売員は客に高価な時計を割引して売った。 - 「cajolery」の意味は?
a) 怒り
b) 恐怖
c) 甘言、おだて
d) 無関心 - 「She couldn’t be cajoled into changing her mind.」の意味は?
a) 彼女はおだてられても考えを変えなかった。
b) 彼女は考えを変えるようおだてられた。
c) 彼女は考えを変えた。
d) 彼女はおだてられるのが好きだった。 - 「cajole」と「persuade」の違いとして最も適切なのは?
a) cajoleは口頭での説得、persuadeは文書での説得を意味する。
b) cajoleは甘い言葉やお世辞を使う傾向があるが、persuadeはより論理的な説得である。
c) cajoleは常に成功する説得、persuadeは必ずしも成功しない説得を意味する。
d) cajoleは子供に対してのみ使う、persuadeは大人に対して使う。 - 「The child cajoled her mother into buying ice cream.」の日本語訳として最も適切なのは?
a) 子供は母親にアイスクリームを買ってくれと命令した。
b) 子供は母親にアイスクリームを買うよう頼んだ。
c) 子供は母親をおだててアイスクリームを買ってもらった。
d) 子供は母親のアイスクリームを買った。
「cajole」に関するよくある質問
- 「cajole」は常に否定的な意味ですか?
-
必ずしもそうではありません。「cajole」は甘い言葉や魅力を使って説得するという意味ですが、文脈によってはポジティブな意味になることもあります。例えば、親が子どもに野菜を食べるよう優しくおだてる場合などは、ポジティブな意図で使われています。ただし、ビジネスや交渉の場面では、相手を操作しているという否定的なニュアンスが強く出ることがあります。
- 「cajole」と「persuade」はどう違いますか?
-
「cajole」は主に甘い言葉やお世辞、魅力などを使って相手を説得することを指します。一方、「persuade」はより広い意味での説得で、論理的な議論や理由付けによって相手を納得させるニュアンスが強いです。「cajole」はより感情的なアプローチ、「persuade」はより論理的なアプローチと考えるとわかりやすいでしょう。
- 日常会話で「cajole」はよく使われますか?
-
「cajole」はやや堅い表現であり、日常のカジュアルな会話ではあまり頻繁に使われません。代わりに「talk into」「sweet-talk」「convince」などのよりカジュアルな表現が使われることが多いです。「cajole」は文学作品やフォーマルな文脈、あるいは特定のニュアンスを伝えたい場合に使われることが多いです。
- 「cajole」の過去形と過去分詞は何ですか?
-
「cajole」の過去形と過去分詞は共に「cajoled」です。例えば「She cajoled him yesterday.」(彼女は昨日彼をおだてた。)や「He has been cajoled into helping.」(彼は手伝うようおだてられてきた。)のように使います。
- 子供に対して「cajole」を使うことは適切ですか?
-
状況によります。子供に対して「cajole」を使う(つまり、おだてたり甘い言葉で説得したりする)ことは日常的に行われていますが、常にそれが最良の教育方法とは限りません。時には正直に説明し、理解を促すことが長期的には効果的です。ただ、野菜を食べさせるなど、子供の健康や安全のために一時的に「cajole」を使うことはよくあります。
まとめ

「cajole」は英語の動詞で、甘い言葉やお世辞を使って相手を説得したり、何かをさせたり、何かを引き出したりする行為を表す単語です。
この記事では、「cajole」の基本的な意味から使い方、例文、似た表現との違いまで詳しく解説しました。以下に主なポイントをまとめます。
- 「cajole」は「おだてる」「甘い言葉で説得する」「丸め込む」という意味の他動詞
- 主な使い方は「cajole someone into doing」(人をおだてて~させる)、「cajole someone out of doing」(人をおだてて~しないようにさせる)、「cajole something from/out of someone」(甘い言葉で人から何かを引き出す)
- 発音は「カジョウル」で、フランス語由来の単語
- 派生語として「cajolement」「cajoler」「cajolery」がある
- 似た意味の単語に「coax」「persuade」「wheedle」などがあり、それぞれニュアンスが異なる
- 常に否定的というわけではないが、相手を操作するニュアンスがある場合もある
- 日常会話ではやや堅い表現で、よりカジュアルな「talk into」などが使われることが多い
英語学習において、単に単語の意味を知るだけでなく、そのニュアンスや使い方を理解することが重要です。「cajole」のような表現力豊かな単語を適切に使いこなせるようになると、より豊かな英語表現が可能になります。
この記事を参考に、ぜひ実際の会話やライティングで「cajole」を使ってみてください。