「彼女の名前は何ですか?」と直接聞くのではなく、「彼女の名前が何か教えてください」というように間接的に質問することがあります。英語でも同じように、直接的な質問ではなく間接的な表現方法があり、これを「間接疑問文」と呼びます。間接疑問文は英語の文法において重要な表現方法の一つです。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるように、間接疑問文の基本から使い方、語順、作り方までを具体的な例文を交えて分かりやすく解説します。ぜひ最後まで読んで、間接疑問文をマスターしましょう。
間接疑問文とは?基本的な意味と役割

間接疑問文とは、疑問文が文の中に埋め込まれた形で使われる文のことです。
通常の疑問文(直接疑問文)が「?」で終わり、直接相手に質問するのに対して、間接疑問文は文の一部として機能し、名詞のような役割を果たします。
- 直接疑問文:Where does he live?(彼はどこに住んでいますか?)
- 間接疑問文:I don’t know where he lives.(彼がどこに住んでいるか分かりません)
上の例では、「where he lives(彼がどこに住んでいるか)」という部分が間接疑問文です。これが「I don’t know」の目的語として機能しています。
間接疑問文は以下のような場面で使われます。
- 情報を知らないことを伝える時
- 相手に丁寧に質問する時
- 疑問に思っていることを表現する時
間接疑問文を使うと、より丁寧で柔らかい印象の英語表現ができるようになります。
特にビジネスシーンやフォーマルな状況では、直接的な質問よりも間接疑問文を使った表現が好まれます。
間接疑問文の基本的な作り方
間接疑問文を作る際の最も重要なルールは、直接疑問文のような「語順の倒置」が起きないということです。
通常の肯定文と同じ語順になります。
be動詞を使った間接疑問文
be動詞を使った直接疑問文では、be動詞と主語が入れ替わりますが、間接疑問文ではそのような入れ替えは起こりません。
直接疑問文
- Where is the station?(駅はどこですか?)
間接疑問文
- Could you tell me where the station is?(駅がどこにあるか教えていただけますか?)
注目すべき点は、直接疑問文では「is the station」という語順ですが、間接疑問文では「the station is」という順番になっていることです。
一般動詞を使った間接疑問文
一般動詞の場合、直接疑問文ではdo, does, didなどの助動詞を使いますが、間接疑問文ではこれらの助動詞は使わず、一般動詞をそのまま使います。
直接疑問文
- What does she like?(彼女は何が好きですか?)
間接疑問文
- I wonder what she likes.(彼女が何を好きなのか知りたいです)
ここでは、直接疑問文の「does she like」が間接疑問文では「she likes」になっていることに注意してください。
助動詞を含む間接疑問文
助動詞(can, will, mustなど)を含む文も、間接疑問文では語順が変わります。
直接疑問文
- How can I get to the library?(図書館にはどうやって行けますか?)
間接疑問文
- Please tell me how I can get to the library.(図書館にどうやって行けるか教えてください)
ここでも、直接疑問文の「can I get」が間接疑問文では「I can get」という順番になっています。
疑問詞を使った間接疑問文
疑問詞(who, what, when, where, why, how)ごとに、間接疑問文の例を見ていきましょう。
whoを使った間接疑問文
直接疑問文
- Who is that girl?(あの女の子は誰ですか?)
間接疑問文
- Do you know who that girl is?(あの女の子が誰か知っていますか?)
- I don’t know who will come to the party.(誰がパーティーに来るのか分かりません)
whatを使った間接疑問文
直接疑問文
- What is your name?(あなたの名前は何ですか?)
- What do you want?(何が欲しいですか?)
間接疑問文
- Could you tell me what your name is?(あなたの名前が何か教えていただけますか?)
- I don’t know what she wants for her birthday.(彼女が誕生日に何が欲しいのか分かりません)
whenを使った間接疑問文
直接疑問文
- When does the movie start?(映画はいつ始まりますか?)
間接疑問文
- Do you know when the movie starts?(映画がいつ始まるか知っていますか?)
- I’m not sure when they will arrive.(彼らがいつ到着するか分かりません)
whereを使った間接疑問文
直接疑問文
- Where does your father work?(あなたのお父さんはどこで働いていますか?)
間接疑問文
- Can you tell me where your father works?(あなたのお父さんがどこで働いているか教えてくれますか?)
- I wonder where she put my keys.(彼女が私の鍵をどこに置いたのか知りたいです)
whyを使った間接疑問文
直接疑問文
- Why are you late?(なぜ遅刻したのですか?)
間接疑問文
- I’d like to know why you are late.(なぜ遅刻したのか知りたいです)
- She asked why I didn’t go to school yesterday.(彼女は私がなぜ昨日学校に行かなかったのか尋ねました)
howを使った間接疑問文
直接疑問文
- How did you solve this problem?(この問題をどうやって解きましたか?)
間接疑問文
- Could you explain how you solved this problem?(この問題をどうやって解いたか説明してくれませんか?)
- I don’t understand how this machine works.(この機械がどのように動くのか理解できません)
Yes/No疑問文からの間接疑問文
Yes/Noで答えられる疑問文(疑問詞を使わない疑問文)の場合、間接疑問文にするには「if」または「whether」を使います。
ifを使った間接疑問文
直接疑問文
- Do you like dogs?(犬は好きですか?)
間接疑問文
- I want to know if you like dogs.(あなたが犬を好きかどうか知りたいです)
- She asked me if I had finished my homework.(彼女は私が宿題を終えたかどうか尋ねました)
whetherを使った間接疑問文
「whether」も「if」と同じように「〜かどうか」という意味ですが、よりフォーマルな印象があります。
また、「whether or not」という形でも使えます。
直接疑問文
- Will you come to the party?(パーティーに来ますか?)
間接疑問文
- I’m not sure whether he will come to the party.
(彼がパーティーに来るかどうか分かりません) - Please let me know whether or not you can attend the meeting.
(会議に参加できるかどうか教えてください)
間接疑問文の使われる場所
間接疑問文は、文の中でさまざまな役割を果たします。主に以下の4つの場所で使われます。
間接疑問文が主語になる場合
間接疑問文は文の主語として使うことができます。
例文
- When the train will arrive is still unknown.
(電車がいつ到着するかはまだ分かっていません) - How she solved the problem surprised everyone.
(彼女がどのように問題を解決したかは皆を驚かせました)
間接疑問文が補語になる場合
間接疑問文は、be動詞の後ろに来て補語の役割を果たすこともできます。
例文
- The question is who will pay for dinner.
(問題は誰が夕食の支払いをするかということです) - My worry is how we will get there in time.
(私の心配は私たちがどうやって時間通りにそこに着くかということです)
間接疑問文が目的語になる場合
間接疑問文が最も一般的に使われるのは、動詞の目的語としての用法です。
例文
- I don’t know what time it is.(今何時か分かりません)
- She asked where I live.(彼女は私がどこに住んでいるか尋ねました)
- We wondered why he didn’t come.(私たちは彼がなぜ来なかったのか不思議に思いました)
間接疑問文が前置詞の目的語になる場合
間接疑問文は前置詞の後ろにも置くことができます。
例文
- We talked about what we should do next.
(私たちは次に何をすべきかについて話し合いました) - She is worried about how her son will do on the test.
(彼女は息子がテストでどうなるかについて心配しています)
間接疑問文と直接疑問文の違い
間接疑問文と直接疑問文の主な違いをまとめると以下のようになります。
- 語順の違い
- 直接疑問文:主語と動詞の倒置がある
- 間接疑問文:主語と動詞の倒置がない(肯定文の語順)
- do, does, didの使用
- 直接疑問文:一般動詞の疑問文にはdo, does, didを使う
- 間接疑問文:do, does, didは使わず、一般動詞をそのまま使う
- 疑問符の有無
- 直接疑問文:疑問符(?)で終わる
- 間接疑問文:疑問符はつけない
- Yes/No疑問文の導入語
- 直接疑問文:助動詞や be動詞を文頭に置く
- 間接疑問文:if または whether を使う
日常会話での間接疑問文の使い方
間接疑問文は日常会話でもよく使われます。特に以下のようなシーンで活用できます。
丁寧な質問をする時
直接的な質問よりも丁寧に聞こえます。
例文
- Could you tell me where the bathroom is?(お手洗いがどこにあるか教えていただけますか?)
- I was wondering if you could help me with this.(これについて手伝っていただけるかと思いまして)
情報を求める時
何かについての情報を知りたいときに使います。
例文
- Do you know when the next bus comes?(次のバスがいつ来るか知っていますか?)
- I’d like to know how much this costs.(これがいくらするのか知りたいです)
自分の疑問や不確かさを表現する時
自分が何かについて分からないことを伝えるときに使います。
例文
- I’m not sure where I put my keys.(鍵をどこに置いたか分かりません)
- I wonder why she didn’t call me back.(彼女がなぜ電話をかけ直してくれなかったのか不思議です)
英語の間接疑問文に関する練習問題
以下の練習問題を解いて、間接疑問文の理解を深めましょう。
- 次の直接疑問文を間接疑問文に変えなさい
Where is your school?
I want to know ________________. - 次の直接疑問文を間接疑問文に変えなさい
What time does the movie start?
Could you tell me ________________? - 次の直接疑問文を間接疑問文に変えなさい
Why did she leave early?
I wonder ________________. - 次の直接疑問文を間接疑問文に変えなさい
Do you like math?
I want to know ________________. - 次の直接疑問文を間接疑問文に変えなさい
How can I get to the station?
Please tell me ________________. - 次の直接疑問文を間接疑問文に変えなさい
Who is that boy?
Do you know ________________? - 次の直接疑問文を間接疑問文に変えなさい
When will they arrive?
I’m not sure ________________. - 次の直接疑問文を間接疑問文に変えなさい
Are you coming to the party?
She asked me ________________. - 次の直接疑問文を間接疑問文に変えなさい
How many sisters do you have?
Could you tell me ________________? - 次の直接疑問文を間接疑問文に変えなさい
What does your father do?
I don’t know ________________. - 次の日本語を英語の間接疑問文に訳しなさい
「彼女がどこに住んでいるか知っていますか?」 - 次の日本語を英語の間接疑問文に訳しなさい
「彼がなぜ怒っているのか分かりません」 - 次の日本語を英語の間接疑問文に訳しなさい
「彼らがいつ到着するのか教えてください」 - 次の日本語を英語の間接疑問文に訳しなさい
「彼が来るかどうか分かりません」 - 次の日本語を英語の間接疑問文に訳しなさい
「どうやってこの問題を解くのか説明してください」 - 次の間接疑問文の間違いを訂正しなさい
I don’t know where is the book. - 次の間接疑問文の間違いを訂正しなさい
Can you tell me what does this word mean? - 次の間接疑問文の間違いを訂正しなさい
I wonder how many students are there in this class. - 次の間接疑問文の間違いを訂正しなさい
Please tell me if can you come tomorrow. - 次の間接疑問文の間違いを訂正しなさい
I don’t know who did call you yesterday.
間接疑問に関するよくある質問
- 間接疑問文の語順はどうなりますか?
-
間接疑問文の語順は、通常の肯定文と同じ「主語+動詞」の順になります。直接疑問文のような主語と動詞の倒置は起こりません。
例:Where is she? → I don’t know where she is. - 間接疑問文と関係代名詞節の違いは何ですか?
-
間接疑問文は「〜かどうか」「〜か」という疑問の意味を含み、文中で名詞のように機能します。一方、関係代名詞節は先行詞を修飾する形容詞的な役割を果たします。
- 間接疑問文:I don’t know what she wants.(彼女が何を欲しいのか分かりません)
- 関係代名詞節:This is the book which I bought yesterday.(これは私が昨日買った本です)
- ifとwhetherの違いは何ですか?
-
ifとwhetherはどちらも「〜かどうか」という意味で使えますが、以下のような違いがあります:
- whetherはより形式的な表現
- whetherは「whether or not」の形で使える
- whetherは前置詞の後や不定詞の前で使える(ifは使えないことが多い)
例:I’m not sure whether/if he will come.
- 間接疑問文で疑問詞が主語の場合はどうなりますか?
-
疑問詞が主語の場合は、直接疑問文も間接疑問文も語順が同じになります。
- 直接疑問文:Who called you?(誰があなたに電話しましたか?)
- 間接疑問文:I don’t know who called you.(誰があなたに電話したか分かりません)
- 間接疑問文はどのような動詞とよく一緒に使われますか?
-
間接疑問文は以下のような動詞とよく一緒に使われます。
- know(知る):Do you know where he lives?
- wonder(不思議に思う):I wonder why she left early.
- ask(尋ねる):She asked when the train would arrive.
- tell(教える):Please tell me how to get there.
- understand(理解する):I don’t understand what you mean.
まとめ

この記事では、英語の間接疑問文について詳しく解説しました。間接疑問文は、直接疑問文と異なり、文の中に疑問の意味を含む句や節が組み込まれた形です。
以下が主なポイントです。
- 間接疑問文の基本的な特徴
- 疑問文が文中に埋め込まれた形
- 肯定文の語順になる(主語と動詞の倒置がない)
- 文中で名詞的な役割を果たす
- 間接疑問文の作り方
- 疑問詞を使う場合:「疑問詞 + 主語 + 動詞」の語順
- Yes/No疑問文の場合:「if/whether + 主語 + 動詞」
- 間接疑問文が使われる場所
- 主語として
- 補語として
- 目的語として
- 前置詞の目的語として
- 日常会話での使い方
- 丁寧な質問をする時
- 情報を求める時
- 自分の疑問や不確かさを表現する時
間接疑問文は英語のコミュニケーションにおいてとても重要な表現方法です。直接的な質問よりも丁寧に聞こえるため、特にフォーマルな場面で重宝されます。この記事で紹介した基本ルールと例文を活用して、間接疑問文を積極的に使うように心がけましょう。練習問題も繰り返し解くことで、間接疑問文の語順や使い方が自然と身につくでしょう。
間接疑問文をマスターすれば、あなたの英語表現の幅がぐんと広がります。ぜひ日常会話や英作文で実践してみてください。