「どちらか」を意味する「either」と「どちらも~ない」を意味する「neither」。これらの表現は英語でよく使われますが、初学者にとっては使い分けが難しいと感じることもあるでしょう。
この記事では、英語の文法における「either」と「neither」の基本的な意味から実践的な使い方まで、中学英語レベルの例文を交えながら分かりやすく解説します。正しい使い分けを身につけて、より自然な英語表現ができるようになりましょう。
「either」と「neither」の基本的な意味と違い

「either」と「neither」はどちらも2つの選択肢について言及するときに使いますが、その意味は大きく異なります。
- 「either」:「どちらか一方」「どちらでも」という意味
- 「neither」:「どちらも~ない」という意味
最も重要な違いは、「either」は肯定的な選択を示し、「neither」は否定的な選択を示すことです。
例文
- You can choose either book.(どちらの本を選んでもいいです)
- I like neither of these movies.(これらの映画はどちらも好きではありません)
「either」と「neither」は代名詞、形容詞、副詞、接続詞など様々な品詞として使うことができます。
それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。
「either」の使い方と主な用法
「either」には主に4つの使い方があります。ここではそれぞれの用法について具体的な例文を交えながら解説します。
「どちらか一方」を表す「either」
「either」は「2つのうちのどちらか」を意味します。形容詞や代名詞として使われます。
例文
- You can sit on either chair.(どちらの椅子に座ってもいいです)
- Either answer is correct.(どちらの答えも正解です)
- There are bathrooms on either floor.(どちらの階にもトイレがあります)
「~でもいい」という選択を表す「either」
「either」は「どちらでもいい」という選択の余地を示す場合にも使われます。
例文
- I can meet you either Saturday or Sunday.(土曜日でも日曜日でもあなたに会えます)
- You can either walk or take the bus.(歩くか、バスに乗るかどちらでもいいです)
- We can go either to the park or to the zoo.(公園に行くか、動物園に行くかどちらでもいいです)
「either…or…」の使い方
「either…or…」は「~か、あるいは~」という選択肢を示す表現です。
例文
- You must either study harder or take extra classes.(もっと熱心に勉強するか、追加の授業を受けるかしなければなりません)
- Either my brother or my sister will pick me up.(兄か姉のどちらかが私を迎えに来ます)
- She will arrive either today or tomorrow.(彼女は今日か明日のどちらかに到着します)
この表現を使うとき、動詞の形は「or」の後に来る主語に合わせます。
例文
- Either he or they are responsible.(彼か彼らのどちらかが責任を負います)
- Either they or he is responsible.(彼らか彼のどちらかが責任を負います)
文末で使う「either」
「either」は文末に置かれ、「~もまた(~ない)」という意味を表すこともあります。
この場合、前の文が否定文で、それに同意する場合に使います。
例文
- I don’t like horror movies. My sister doesn’t either.
(私はホラー映画が好きではありません。妹も好きではありません) - He can’t swim. I can’t either.
(彼は泳げません。私も泳げません) - She doesn’t eat meat. Her brother doesn’t either.
(彼女は肉を食べません。彼女の兄も食べません)
「neither」の使い方と主な用法
「neither」にも主に3つの使い方があります。ここではそれぞれの用法について詳しく見ていきましょう。
「どちらも~ない」を表す「neither」
「neither」は「2つのうちどちらも~ない」という意味で使われます。形容詞や代名詞として使われます。
例文
- Neither answer is correct.(どちらの答えも正しくありません)
- I like neither of these shirts.(これらのシャツはどちらも好きではありません)
- Neither student passed the test.(どちらの生徒もテストに合格しませんでした)
「neither」の後の動詞は単数形になることに注意しましょう。
「neither…nor…」の使い方
「neither…nor…」は「~でもなく、~でもない」という選択肢を否定する表現です。
例文
- She speaks neither English nor French.(彼女は英語もフランス語も話しません)
- I have neither time nor money for a vacation.(私は休暇のための時間もお金もありません)
- The food was neither hot nor cold.(その食べ物は熱くも冷たくもありませんでした)
「neither…nor…」を使うとき、動詞の形は「nor」の後に来る主語に合わせます。
例文
- Neither he nor they are here.(彼も彼らもここにいません)
- Neither they nor he is here.(彼らも彼もここにいません)
文末で使う「neither」
「neither」も文末に置かれ、「私も~ない」という同意を表す表現として使われます。前の文が否定文で、それに同意する場合に使います。
この場合、倒置の形を取ります。
例文
- I don’t like coffee. – Neither do I.(コーヒーが好きではありません。- 私も好きではありません)
- She can’t come to the party. – Neither can he.(彼女はパーティーに来られません。- 彼も来られません)
- They don’t have a car. – Neither do we.(彼らは車を持っていません。- 私たちも持っていません)
「either」と「neither」の比較と対照
「either」と「neither」の使い方を直接比較して、その違いをより明確に理解しましょう。
肯定文での使い方の違い
肯定文では、「either」は「どちらか」を意味し、「neither」は「どちらも~ない」を意味します。
例文
- Either option is fine.(どちらの選択肢でも大丈夫です)
- Neither option is suitable.(どちらの選択肢も適切ではありません)
否定文での使い方の違い
否定文では、「not…either」は「どちらも~ない」という意味になり、「neither」と似た意味になります。
例文
- I don’t like either of these books.(これらの本はどちらも好きではありません)
- I like neither of these books.(これらの本はどちらも好きではありません)
これらの文はほぼ同じ意味ですが、「not…either」の方がより口語的で、「neither」の方がやや硬い表現になります。
疑問文での使い方の違い
疑問文では、「either」は「どちらか」を尋ね、「neither」は「どちらも~ないか」を尋ねます。
例文
- Do you speak either Japanese or Korean?(日本語か韓国語のどちらかを話しますか?)
- Do you speak neither Japanese nor Korean?(日本語も韓国語も話しませんか?)
「either」と「neither」を使った重要な表現
「either」と「neither」を使った重要な表現をいくつか見ていきましょう。
「me either」と「me neither」
「me either」と「me neither」はどちらも「私も~ない」という意味を表します。
例文
- I don’t like spicy food. – Me either.(辛い食べ物が好きではありません。- 私も好きではありません)
- I don’t like spicy food. – Me neither.(辛い食べ物が好きではありません。- 私も好きではありません)
「me either」はアメリカ英語でよく使われ、「me neither」はイギリス英語でより一般的ですが、どちらも正しい表現です。
「either way」と「on either side」
「either way」は「どちらにしても」という意味で、「on either side」は「両側に」という意味です。
例文
- Either way, we need to leave soon.(どちらにしても、すぐに出発する必要があります)
- There are trees on either side of the road.(道路の両側に木があります)
「neither here nor there」などの慣用表現
「neither here nor there」は「関係ない、重要ではない」という意味の慣用表現です。
例文
- That fact is neither here nor there.(その事実は関係ありません)
英語の「either」と「neither」に関する練習問題
以下の問題を解いて、「either」と「neither」の使い方を練習しましょう。
- I don’t like coffee. I don’t like tea _____.
- _____ of these answers is correct.
- You can choose _____ the red shirt or the blue shirt.
- She speaks _____ English nor Spanish.
- I will _____ go to the movie or stay at home.
- _____ my father nor my mother can drive.
- We can meet on _____ Monday or Tuesday.
- He doesn’t like sports. _____ do I.
- There are trees on _____ side of the street.
- I have _____ time nor money for a vacation.
- You must choose _____ option A or option B.
- _____ of the two books was interesting.
- She can’t swim. I can’t _____.
- _____ of us wants to go to the party.
- I will visit you _____ today or tomorrow.
- He speaks _____ Japanese _____ Korean.
- There’s a window on _____ wall.
- I don’t like this movie. My friend doesn’t _____.
- You can take _____ the bus or the train.
- _____ the weather is good nor the forecast is promising.
「either」と「neither」に関するよくある質問
- 「either」と「neither」の発音は?
-
「either」の発音は主に二つあります。アメリカ英語では /ˈiːðər/ (イーザー)、イギリス英語では /ˈaɪðər/ (アイザー)と発音されることが多いです。「neither」も同様に、/ˈniːðər/ (ニーザー)または /ˈnaɪðər/ (ナイザー)と発音されます。どちらの発音も正しいです。
- 「either」と「any」の違いは?
-
「either」は2つの選択肢に限定されますが、「any」は3つ以上の選択肢がある場合に使います。
例:You can choose either book.(2冊の本からどちらかを選べます)
例:You can choose any book.(複数の本からどれでも選べます) - 「neither」と「none」の違いは?
-
「neither」は2つの選択肢をどちらも否定する場合に使いますが、「none」は3つ以上の選択肢がすべて当てはまらない場合に使います。
例:Neither answer is correct.(2つの答えはどちらも正しくありません)
例:None of the answers are correct.(答えはどれも正しくありません) - 「either of」と「neither of」の後には単数形と複数形のどちらを使いますか?
-
正式には「either of」と「neither of」の後には単数形の動詞を使います。ただし、会話では複数形が使われることもあります。
例:Either of the books is good.(どちらの本も良いです)
例:Neither of the students was present.(どちらの生徒も出席していませんでした) - 「either」と「too」、「neither」と「also」はどう違いますか?
-
「either」は否定文の後に使われ、「too」は肯定文の後に使われます。同様に、「neither」は否定文の同意を表し、「also」は肯定文の同意を表します。
例:I don’t like it. She doesn’t either.(私はそれが好きではありません。彼女も好きではありません)
例:I like it. She does too.(私はそれが好きです。彼女も好きです)
まとめ

この記事では、英語の「either」と「neither」の違いと使い分けについて解説しました。
主なポイントをまとめると、
- 基本的な意味の違い
- 「either」:「どちらか一方」「どちらでも」という肯定的な選択を表す
- 「neither」:「どちらも~ない」という否定的な選択を表す
- 「either」の主な用法
- 「どちらか一方」を表す(形容詞・代名詞)
- 「~でもいい」という選択を表す
- 「either…or…」で「~か、あるいは~」を表す
- 文末で「~もまた(~ない)」を表す
- 「neither」の主な用法
- 「どちらも~ない」を表す(形容詞・代名詞)
- 「neither…nor…」で「~でもなく、~でもない」を表す
- 文末で「私も~ない」という同意を表す(倒置形を使う)
- 重要な表現
- 「me either」と「me neither」
- 「either way」と「on either side」
- 「neither here nor there」などの慣用表現
「either」と「neither」は英語でよく使われる表現ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。この記事で紹介した例文や練習問題を参考にして、実際の会話や文章で使ってみることで、これらの表現をマスターしていきましょう。
正しく使い分けることができれば、より自然で豊かな英語表現ができるようになります。ぜひ練習して、自分の英語力を高めてください。