英語を学習していると、「関係代名詞」という言葉を耳にすることがあります。難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は日本語でも無意識に使っている表現方法なのです。「昨日買った本」「東京に住んでいる友達」など、名詞を詳しく説明する表現は日常的に使っていますよね。
このような「名詞を詳しく説明する」働きをするのが英語の関係代名詞です。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるよう、関係代名詞の基本から応用まで、わかりやすく解説していきます。例文も豊富に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
関係代名詞とは?基本概念を理解しよう

関係代名詞とは、2つの文をひとつにつなげて、名詞を詳しく説明するために使われる英語の文法要素です。「代名詞」と「接続詞」の両方の機能を持ち、文と文をスムーズにつなげる役割を果たします。
例えば、次の2つの文を見てみましょう。
例文
- 「I have a friend.」(私には友達がいます)
- 「She lives in Tokyo.」(彼女は東京に住んでいます)
これらの文には「a friend(友達)」と「She(彼女)」という共通する要素があります。
関係代名詞を使うと、この2つの文を1つにまとめることができます。
例文
- 「I have a friend who lives in Tokyo.」(私には東京に住んでいる友達がいます)
このように、関係代名詞「who」を使うことで、「a friend(友達)」という名詞を「lives in Tokyo(東京に住んでいる)」という情報で詳しく説明しています。
英語の関係代名詞には主に以下の種類があります。
- who(人を指す場合)
- which(物や動物を指す場合)
- that(人・物・動物を指す場合)
- whom(人を目的語として指す場合)
- whose(所有を表す場合)
- what(先行詞を含む「〜するもの」を表す)
関係代名詞を理解すると、より複雑な英語表現ができるようになり、文章がスムーズにつながります。
基本から順に見ていきましょう。
主格の関係代名詞:who, which, that
主格の関係代名詞は、関係詞節(説明する部分)の中で「主語」の役割をします。
つまり、「〜は」「〜が」という意味になります。主に以下の3つがあります。
人を表す主格関係代名詞「who」
「who」は、先行詞(説明される名詞)が「人」の場合に使われる主格の関係代名詞です。
例文
- The man who lives next door is very kind.(隣に住んでいる男性はとても親切です)
- I know a girl who can speak three languages.(私は3カ国語を話せる女の子を知っています)
- The students who study hard will pass the test.(一生懸命勉強する生徒はテストに合格するでしょう)
物や動物を表す主格関係代名詞「which」
「which」は、先行詞が「物」や「動物」の場合に使われる主格の関係代名詞です。
例文
- The book which is on the table is mine.(テーブルの上にある本は私のものです)
- The dog which has black spots is very cute.(黒い斑点のある犬はとてもかわいいです)
- The computer which stopped working yesterday is fixed now.(昨日動かなくなったコンピュータは今は修理されました)
人・物・動物どちらも表せる「that」
「that」は、先行詞が「人」でも「物」でも「動物」でも使える万能な主格関係代名詞です。
例文
- The man that lives next door is very kind.(隣に住んでいる男性はとても親切です)
- The book that is on the table is mine.(テーブルの上にある本は私のものです)
- The dog that has black spots is very cute.(黒い斑点のある犬はとてもかわいいです)
「that」は特に以下の場合によく使われます。
先行詞が人と物の両方を含む場合
- The people and animals that were in the park looked happy.
(公園にいた人々と動物たちは幸せそうに見えました)
先行詞が「最上級」や「序数詞」を含む場合
- This is the best movie that I have ever seen.(これは私が今まで見た中で最高の映画です)
- This is the first book that I read in English.(これは私が英語で読んだ最初の本です)
先行詞が「all, everything, nothing, anything」などの不定代名詞の場合
- Everything that he said was true.(彼が言ったことはすべて本当でした)
目的格の関係代名詞:whom, which, that
目的格の関係代名詞は、関係詞節の中で「目的語」の役割をします。
つまり、「〜を」「〜に」という意味になります。主に以下の3つがあります。
人を表す目的格関係代名詞「whom」(または「who」)
「whom」は、先行詞が「人」で、関係詞節内で目的語になる場合に使われます。
ただし、口語では「who」が代わりに使われることも多いです。
例文
- The teacher whom(who) I respect is Mr. Tanaka.(私が尊敬する先生は田中先生です)
- The girl whom(who) I met yesterday is my cousin.(私が昨日会った女の子は私のいとこです)
- The man whom(who) we saw at the station was my uncle.(私たちが駅で見た男性は私の叔父でした)
物や動物を表す目的格関係代名詞「which」
「which」は、先行詞が「物」や「動物」で、関係詞節内で目的語になる場合に使われます。
例文
- The book which I bought yesterday is very interesting.(私が昨日買った本はとても面白いです)
- The movie which we watched last night was exciting.(私たちが昨夜見た映画はエキサイティングでした)
- The dog which my brother found is now our pet.(兄が見つけた犬は今私たちのペットです)
人・物・動物どちらも表せる目的格「that」
「that」は、目的格でも先行詞が「人」でも「物」でも「動物」でも使える汎用的な関係代名詞です。
例文
- The teacher that I respect is Mr. Tanaka.(私が尊敬する先生は田中先生です)
- The book that I bought yesterday is very interesting.(私が昨日買った本はとても面白いです)
- The dog that my brother found is now our pet.(兄が見つけた犬は今私たちのペットです)
目的格関係代名詞の省略
目的格の関係代名詞は、しばしば省略されることがあります。これは特に会話では一般的です。
例文
- The teacher (whom/who/that) I respect is Mr. Tanaka.(私が尊敬する先生は田中先生です)
- The book (which/that) I bought yesterday is very interesting.(私が昨日買った本はとても面白いです)
- The movie (which/that) we watched last night was exciting.(私たちが昨夜見た映画はエキサイティングでした)
所有格の関係代名詞:whose
所有格の関係代名詞「whose」は、「〜の」という所有の関係を表します。
先行詞が「人」でも「物」でも「動物」でも使えます。
例文
- The woman whose car was stolen called the police.(車が盗まれた女性は警察に電話しました)
- I know a boy whose father is a famous doctor.(父親が有名な医者である男の子を知っています)
- The tree whose leaves are red is a maple.(葉が赤い木はカエデです)
「whose」は、「of which」の代わりに物の所有を表すこともできます。
例文
- The house whose roof is blue belongs to my aunt.(屋根が青い家は私の叔母のものです)
- The book whose cover is torn is very old.(表紙が破れている本はとても古いです)
関係代名詞一覧表
以下の表は、関係代名詞の使い方をまとめたものです。
種類 | 人 | 物・動物 |
---|---|---|
主格(〜は、〜が) | who, that | which, that |
目的格(〜を、〜に) | whom, who, that | which, that |
所有格(〜の) | whose | whose |
特殊な関係代名詞:what
「what」は特殊な関係代名詞で、「〜するもの」「〜すること」という意味で、先行詞を含んでいます。
「the thing(s) that」(〜するもの)に相当します。
例文
- I don’t understand what she said.(私は彼女が言ったことを理解していません)
→ I don’t understand the thing that she said. - What you need is more practice.(あなたが必要とするのはもっと練習することです)
→ The thing that you need is more practice. - She always says what she thinks.(彼女はいつも自分が考えていることを言います)
→ She always says the thing that she thinks.
制限用法と非制限用法の違い
関係代名詞には「制限用法」と「非制限用法」の2つの使い方があります。
制限用法(限定用法)
制限用法は、先行詞を限定(特定)するために使われます。「どの〜」かを明確にする役割があります。
コンマは使いません。
例文
- The students who study hard will pass the test.(一生懸命勉強する生徒たちはテストに合格するでしょう)
→ どの生徒たち?→「一生懸命勉強する」生徒たち - The book which is on the table is mine.(テーブルの上にある本は私のものです)
→ どの本?→「テーブルの上にある」本
非制限用法(継続用法・補足説明)
非制限用法は、先行詞に追加情報を与えるもので、コンマで区切られます。
「ちなみに〜」という補足説明のようなニュアンスがあります。
例文
- My brother, who lives in Osaka, is coming to visit me next week.(大阪に住んでいる私の兄は、来週私を訪ねてきます)
→ 「私の兄」は特定されており、「大阪に住んでいる」は追加情報 - This book, which I bought yesterday, is very interesting.(昨日買ったこの本は、とても面白いです)
→ 「この本」は特定されており、「昨日買った」は追加情報
非制限用法では、「that」は使えないことに注意しましょう。
関係代名詞と関係副詞の違い
英語の文法では「関係代名詞」と「関係副詞」は似ていますが、役割が異なります。
関係副詞(where, when, why)は、場所・時間・理由などを表し、関係代名詞の「前置詞 + which」に相当します。
関係副詞の例
- This is the house where I grew up.(これは私が育った家です)
→ This is the house in which I grew up. - I remember the day when we first met.(私たちが初めて会った日を覚えています)
→ I remember the day on which we first met. - I don’t know the reason why she left.(彼女が去った理由を知りません)
→ I don’t know the reason for which she left.
関係代名詞を使った表現例
関係代名詞はさまざまな表現で使われます。以下はよく使われる表現例です。
「〜する人」を表す表現
例文
- A person who speaks English(英語を話す人)
- The man who is wearing a blue shirt(青いシャツを着ている男性)
- People who love music(音楽を愛する人々)
「〜するもの」を表す表現
例文
- A book which tells the history of Japan(日本の歴史を語る本)
- The computer that I use every day(私が毎日使うコンピュータ)
- The food which my mother makes(母が作る食べ物)
「〜な場所・時・理由」を表す表現
例文
- The place where I was born(私が生まれた場所)
- The time when we were children(私たちが子どもだった時)
- The reason why I study English(私が英語を勉強する理由)
英語の関係代名詞に関する練習問題20選
英語の関係代名詞は、二つの文を一つにつなげたり、名詞を詳しく説明するための重要な文法要素です。
以下の問題を解いて、関係代名詞の使い方をマスターしましょう。
- 次の文の空欄に適切な関係代名詞(who, which, that)を入れなさい
The girl _____ is playing the piano is my sister. - 次の文の空欄に適切な関係代名詞を入れなさい
The book _____ I bought yesterday is very interesting. - 次の文の空欄に適切な関係代名詞を入れなさい
The man _____ wife is a doctor lives next door. - 次の文の空欄に適切な関係代名詞を入れなさい
I don’t like movies _____ have sad endings. - 次の文の空欄に適切な関係代名詞を入れなさい
This is the reason _____ he couldn’t come to the party. - 次の2つの文を関係代名詞を使って1つの文にしなさい
I know a girl. She speaks three languages. - 次の2つの文を関係代名詞を使って1つの文にしなさい
This is the computer. I bought it last month. - 次の2つの文を関係代名詞を使って1つの文にしなさい
The man is my uncle. His car was stolen yesterday. - 次の2つの文を関係代名詞を使って1つの文にしなさい
She is the teacher. Everyone respects her. - 次の2つの文を関係代名詞を使って1つの文にしなさい
The movie was boring. We watched it last night. - 次の英文を和訳しなさい
The student who won the competition is from our school. - 次の英文を和訳しなさい
This is the park where I often play soccer. - 次の英文を和訳しなさい
I still remember the day when I first met her. - 次の日本文を英訳しなさい
私が昨日会った男性は有名な科学者です。 - 次の日本文を英訳しなさい
これは私の父が作った椅子です。 - 次の文の関係代名詞は省略できるか答えなさい
The man who lives next door is a doctor. - 次の文の関係代名詞は省略できるか答えなさい
The book which I read last week was very interesting. - 次の文の関係代名詞は省略できるか答えなさい
The woman whose bag was stolen called the police. - 次の文を前置詞と関係代名詞を使って書き換えなさい
This is the hotel. We stayed there during our vacation. - 次の文を前置詞と関係代名詞を使って書き換えなさい
The person is my English teacher. I was talking to him.
これらの問題を通して、関係代名詞の様々な使い方を学ぶことができます。特に、主格と目的格の違い、関係代名詞の省略が可能な場合と不可能な場合、そして前置詞と関係代名詞の組み合わせ方などが重要なポイントです。
実際に文を作ってみることで、関係代名詞の使い方をより深く理解できるでしょう。
関係代名詞に関するよくある質問
- 「who」と「which」の違いは何ですか?
-
「who」は人を指す関係代名詞で、「which」は物や動物を指す関係代名詞です。例えば「The person who lives next door」(隣に住んでいる人)、「The book which is on the table」(テーブルの上にある本)のように使います。
- 「that」はいつ使うべきですか?
-
「that」は人にも物にも使える汎用的な関係代名詞です。特に次の場合によく使われます。
- 先行詞が人と物の両方を含む場合
- 先行詞が最上級や「the first」「the last」などの語を含む場合
- 先行詞が「all」「everything」「nothing」などの不定代名詞の場合
- 目的格の関係代名詞はいつ省略できますか?
-
目的格の関係代名詞(whom, which, that)は、文意が明確であれば省略できます。特に話し言葉では省略されることが多いです。例:「The book (that) I bought yesterday」(私が昨日買った本)
- 「whose」は物にも使えますか?
-
はい、「whose」は本来は人の所有を表しますが、物の所有関係を表すためにも使われます。「The house whose roof is red」(屋根が赤い家)のように使います。ただし、より正式には「the house, the roof of which is red」とも表現できます。
- 非制限用法と制限用法の見分け方は?
-
コンマの有無が最大の違いです。非制限用法はコンマで区切られ、追加情報を提供します。制限用法はコンマがなく、先行詞を特定するために必要な情報を提供します。また、非制限用法では「that」は使えません。
まとめ

英語の関係代名詞は、2つの文をスムーズにつなげ、名詞をより詳しく説明するための重要な文法要素です。
この記事では以下のポイントを解説しました。
- 関係代名詞の基本概念:関係代名詞は文と文をつなげ、名詞を詳しく説明するために使われます。
- 主格の関係代名詞
- who(人)
- which(物・動物)
- that(人・物・動物)
- 目的格の関係代名詞
- whom/who(人)
- which(物・動物)
- that(人・物・動物)
- 目的格は省略可能
- 所有格の関係代名詞
- whose(人・物・動物の所有を表す)
- 特殊な関係代名詞
- what(先行詞を含む「〜するもの」「〜すること」)
- 制限用法と非制限用法
- 制限用法:先行詞を限定する(コンマなし)
- 非制限用法:追加情報を提供する(コンマあり)
- 関係代名詞と関係副詞の違い
- 関係副詞(where, when, why)は場所・時間・理由を表す
関係代名詞を理解し活用することで、より複雑な英語表現が可能になり、あなたの英語力は格段に向上するでしょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、例文を参考にしながら少しずつ使ってみることで、自然と身についていきます。
英語の文法の中でも特に重要な要素ですので、ぜひマスターしてください!