TOEIC試験は、英語のコミュニケーション能力を測る国際的な試験として広く認知されています。初めて受験する方や久しぶりに受験する方にとっては、当日どのように過ごせばよいのか、何を持っていけばよいのかなど、不安が尽きないものです。
この記事では、TOEIC試験に向けた準備から当日の流れ、効果的な時間の使い方まで、初学者の方でも安心して試験に臨めるよう徹底的に解説します。これまでの努力を無駄にしないためにも、当日の準備を万全にしておきましょう。
TOEIC試験当日に必要な持ち物リスト

TOEIC試験当日には、必須の持ち物と便利な持ち物があります。特に必須の持ち物を忘れると受験できなくなる可能性があるため、前日までにしっかり準備しておきましょう。
必ず持参すべき持ち物
試験を受けるために絶対に必要なものは以下の通りです。これらがないと受験資格を失う可能性があるため、特に注意が必要です。
- 受験票:試験日の約1〜2週間前に郵送で届きます。受験票を忘れると受験できません。大切に保管し、試験当日はクリアファイルなどに入れて持参しましょう。
- 証明写真:縦4cm×横3cmで、6ヶ月以内に撮影したものが必要です。背景は白または薄い色で、上半身無帽、正面向きのもので、フチなしのものを用意します。裏面には氏名と受験番号を記入しましょう。
- 身分証明書:以下のいずれかの有効期限内のものが必要です。
- 運転免許証
- 学生証/学生手帳/生徒手帳(デジタル学生証も可)
- パスポート(海外発行も可)
- マイナンバーカード
- 住民基本台帳カード
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 仮運転免許証
- 運転経歴証明書
- 障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳)
- 筆記用具:HBの鉛筆またはシャープペンシルと消しゴムを複数用意しましょう。試験中に鉛筆が折れたり、芯が欠けたりした場合に備えて、シャープペンや鉛筆は2本以上持っていくことをおすすめします。マークシートを塗りやすい太めの芯のシャープペンシルが便利です。
- 腕時計:会場によっては壁掛け時計がない場合があります。特にリーディングセクションでは時間管理が重要なため、必ず腕時計を持参しましょう。スマートウォッチは使用できないので注意してください。

あると便利な持ち物
必須ではありませんが、試験をより快適に受けるために以下のものを持参すると便利です。
- ティッシュ:試験中に急に鼻水が出たり、くしゃみが出たりする場合に備えて持っておきましょう。
- マスク:2023年4月以降はマスク着用は必須ではなくなりましたが、アレルギーや喘息などの疾患がある場合は着用をお願いされることがあります。また、自身の体調管理のためにも持参しておくと安心です。
- 着脱しやすい服装:試験会場の温度は人によって感じ方が異なります。暑さや寒さに対応できるよう、カーディガンやジャケットなど、着脱しやすい服装で臨みましょう。
- 飲み物:試験直前に水分補給するために持参しましょう。ただし、試験中は原則としてトイレに行けないので、飲みすぎには注意してください。
- イヤフォン:会場までの移動時間や試験直前にリスニング練習をする場合に便利です。
- 軽食:チョコレートやラムネなどの糖分を含む軽食を会場に入る前に摂取すると、集中力を高める効果があります。
- 目薬:会場が乾燥している場合があるので、特にコンタクトレンズを使用している方は目薬を持参しておくと安心です。
試験当日は緊張して思わぬものを忘れがちです。特に受験票と腕時計は忘れやすいアイテムなので、前日に準備しておきましょう。
TOEIC試験当日のタイムスケジュール
TOEIC試験は午前と午後の2回実施されており、どちらを受験するかによってスケジュールが異なります。全体の流れを把握しておくことで、心に余裕を持って試験に臨むことができます。

午前と午後の時間割
TOEIC試験の一般的なタイムスケジュールは以下の通りです。
項目 | 午前実施 | 午後実施 |
---|---|---|
受付 | 9:25〜9:55 | 14:05〜14:35 |
試験の説明・音テスト | 9:55〜10:20 | 14:35〜15:00 |
試験開始〜試験終了 | 10:20〜12:20 | 15:00〜17:00 |
問題用紙・解答用紙の回収 | 12:20〜12:35 | 17:00〜17:15 |
解散 | 12:35(予定) | 17:15(予定) |
受付時間終了までに受付を済ませないと受験できません。また、受付後は休憩や退室が認められないため、トイレなどは事前に済ませておくことが重要です。全体で約2時間40分の間、退席ができないことを念頭に置いておきましょう。
受付から試験開始までの流れ
受付では、受験票と身分証明書の提示が求められます。これらを事前に取り出しやすいところに準備しておくと、受付がスムーズに進みます。受付が終わったら指定された席に着き、解答用紙に必要事項を記入します。
試験開始前には、試験の説明と音声テストが行われます。音声テストは重要で、リスニングの音量が適切かを確認します。少しでも聞き取りにくいと感じたら、必ず試験官に申し出ましょう。
席に着いたら、携帯電話の電源を切り、鞄の中にしまいます。試験中に電子機器の音が鳴ると退場を求められることがあるので注意が必要です。
試験中の流れ
TOEIC試験は、リスニングセクション(約45分)とリーディングセクション(約75分)の合計2時間で構成されています。全部で200問(各セクション100問ずつ)を解答します。
リスニングセクションは自動的に音声が流れ、問題が進行します。一方、リーディングセクションでは自分のペースで問題を解いていきます。リスニング中にリーディングの問題を見ることはルール違反となるので注意しましょう。
試験終了後の流れ
試験時間が終了したら、すぐに解答を止めましょう。終了の合図後も解答を続けていると注意を受け、違反とみなされる可能性があります。
試験監督者が問題用紙と解答用紙を回収します。すべての用紙が回収され、数が確認できたら解散のアナウンスがあります。問題用紙と解答用紙の持ち出しは禁止されているため、必ず提出しましょう。
解散後は、次回のTOEIC試験の日程や結果発表日などについての案内があります。
TOEIC試験前日の準備
試験前日の準備も重要です。慌てずに試験当日を迎えるために、以下の準備を整えておきましょう。
持ち物の最終確認
前日に必要な持ち物をすべて揃えて、チェックリストを作成しておくと安心です。特に以下の項目は重点的に確認しましょう。
- 受験票に証明写真が貼られているか
- 身分証明書の有効期限が切れていないか
- 筆記用具は十分な量があるか
- 腕時計は正確な時間を示しているか
これらを前日に確認しておくことで、当日の忘れ物を防ぐことができます。
会場までのルート確認
試験会場の場所を事前に確認し、どのように行くか計画を立てておきましょう。公共交通機関を利用する場合は、時刻表も確認しておくと良いでしょう。また、余裕を持った時間設定をして、遅刻のリスクを減らしましょう。
受験票に記載された会場の住所や地図を確認し、初めて行く場所であれば、Googleマップなどでルートをチェックしておくことをおすすめします。
睡眠と食事の調整
前日は十分な睡眠を取り、体調を整えましょう。試験当日の朝に慌てないよう、早めに就寝することが大切です。また、食事も消化の良いものを適量摂り、体調を崩さないように気をつけましょう。
特に試験前日の夜は緊張して眠れなくなることもあるので、リラックスできる環境を作ることが重要です。
TOEIC試験当日の過ごし方
試験当日は緊張するものですが、計画的に行動することで落ち着いて試験に臨むことができます。
朝の準備と会場への移動
朝は余裕を持って起床し、朝食をしっかり摂りましょう。食事は空腹で集中力が落ちないよう、かといって満腹で眠くならないよう、適量を心がけましょう。
会場への移動は、受付開始時間よりも早めに出発しましょう。交通機関の遅延などのトラブルを考慮すると、30分〜1時間程度の余裕を持つことをおすすめします。
会場到着後の行動
会場に到着したら、まず受付場所と試験会場を確認しましょう。受付時間内に必ず受付を済ませることが重要です。受付が済んだら、トイレを済ませておくことをお忘れなく。試験中は原則として退室できないため、事前に済ませておくことが大切です。
試験会場に入ったら、指定された席に着き、受験票を机の上に置きます。その後、解答用紙の記入を始めましょう。
試験開始前の心構え
試験開始前は緊張するものですが、深呼吸をして落ち着きましょう。これまでの学習の成果を発揮するチャンスです。試験の説明をよく聞き、不明点があれば試験監督者に質問することも大切です。
特に音声テストの際には、音量が適切かをしっかり確認しましょう。少しでも聞き取りにくい場合は、迷わず手を挙げて試験監督者に伝えましょう。
TOEIC試験中の効果的な時間配分
TOEIC試験では時間配分が非常に重要です。特にリーディングセクションでは、全ての問題を解き切るために効率的な時間配分が必要です。
リスニングセクションの時間配分
リスニングセクションは自動的に音声が流れるため、自分でペースを調整することはできません。ただし、Part 3(会話問題)やPart 4(説明文問題)では、先読みが重要です。問題文や選択肢を事前に読んでおくことで、何を聞き取るべきかが明確になります。
各パートの間にある説明(Directions)の時間を利用して、次のパートの問題を先読みする習慣をつけましょう。また、わからない問題に固執せず、次の問題に集中することも大切です。
リーディングセクションの時間配分
リーディングセクションは75分間で100問を解く必要があります。効率的な時間配分の目安は以下の通りです。
- Part 5(短文穴埋め問題): 約20分
- Part 6(長文穴埋め問題): 約10分
- Part 7(読解問題): 約45分
特にPart 7は問題数が多く、長文を読む必要があるため、時間がかかります。まずは問題文を読んでから本文を読むようにすると、効率よく解答できます。また、わからない問題に時間をかけすぎず、マークしておいて後で時間があれば戻るという戦略も有効です。
効率良く解くコツ
TOEIC試験で効率良く解くためのコツをいくつか紹介します。
- スキミングとスキャニングを活用する: リーディングでは全文を読む必要はありません。必要な情報を素早く見つけるスキミング(全体を流し読みする)とスキャニング(特定の情報を探す)の技術を活用しましょう。
- 先読みを活用する: リスニングでは次のパートの問題を先に読んでおくことで、何を聞き取るべきかが明確になります。
- マークミスに注意する: 解答番号と問題番号を間違えないように注意しましょう。定期的に確認することをおすすめします。
- 消去法を活用する: 明らかに間違っている選択肢を先に消去していくことで、正解の可能性を絞り込むことができます。
- 全問解答する: TOEICは間違っても減点されないため、わからない問題でも必ず何かしらマークしておきましょう。
TOEIC試験直前におすすめの対策
試験直前でも効果的な対策があります。ここでは、試験直前に行うべき対策をリスニングとリーディングに分けて紹介します。
リスニング直前対策
- 倍速でリスニング音声を聞く: 試験直前に倍速でリスニング音声を聞くと、実際のリスニング音声が遅く感じて聞き取りやすくなります。スマートフォンのアプリなどで倍速再生機能を使うと良いでしょう。
- ウォーミングアップをする: 試験直前に簡単なリスニング問題を解いて、耳を英語に慣らしておくことも効果的です。難しい問題ではなく、確実に解ける簡単な問題を選びましょう。
- フレーズをリピートする: 基本的なフレーズやよく出る表現を声に出して繰り返すことで、聞き取りの感覚を取り戻すことができます。
リーディング直前対策
- 目慣らしをする: 試験直前に英文を読むことで、英語の語順に脳を慣らすことができます。長文ではなく、短い記事や段落を読むことをおすすめします。
- 文法のキーポイントを確認する: 頻出の文法事項や語彙の最終確認をしておくと、自信を持って解答できます。
- 速読の練習をする: 時間内に全ての問題を解くためには、速読力が重要です。簡単な英文を使って、素早く内容を把握する練習をしましょう。
精神面の準備
- ポジティブなイメージトレーニング: 試験で良い結果を出すイメージを持つことで、実際の試験でも落ち着いて解答できます。
- 深呼吸でリラックス: 緊張すると呼吸が浅くなりがちです。深呼吸をして酸素を十分に取り込み、脳の働きを活性化させましょう。
- 自分を信じる: これまでの学習の成果を信じて、自信を持って試験に臨みましょう。過度な不安は実力を発揮する妨げになります。
試験前日に新しい学習方法を始めることは避けましょう。慣れない学習法は逆効果になることがあります。これまでの学習の総復習として、得意分野を確認するような学習が効果的です。
TOEIC試験に関するよくある質問
ここでは、TOEIC試験に関してよくある質問とその回答をまとめました。初めて受験する方の不安を解消するのに役立つでしょう。
- TOEIC試験中にトイレに行けますか?
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基本的には、受付時間終了後から試験終了までトイレに行くことはできません。ただし、試験開始前のオリエンテーション時や、緊急の場合はリーディングセクション中であれば許可されることもあります。体調管理のため、事前にトイレを済ませておくことをおすすめします。
- 受験票を忘れてしまった場合はどうすればいいですか?
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受験票がないと原則として受験できません。万が一忘れてしまった場合は、すぐに試験会場の受付に相談しましょう。状況によっては対応してもらえる可能性もありますが、基本的には受験票は必須です。
- スマートフォンは持ち込めますか?
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スマートフォンの持ち込みは可能ですが、試験中は電源を切ってカバンの中にしまっておく必要があります。試験中に音が鳴ったり、使用したりすると退場を求められることがあります。
- TOEIC試験の結果はいつ頃わかりますか?
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通常、試験から約2〜3週間後に公式認定証が郵送されます。オンラインでの閲覧が可能な場合もあります。具体的な日程は試験終了時にアナウンスされることが多いです。
- TOEIC試験の点数は何点あれば良いですか?
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目標とする点数は個人の目的によって異なります。一般的には、初学者の場合は高校卒業レベルとされる600点を目標にすると良いでしょう。この点数があれば、簡単な連絡事項の理解やメールでの応答が可能なレベルと評価されます。
- 試験当日は何時に会場に着くべきですか?
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受付開始時間の10〜15分前には会場に到着することをおすすめします。受付は混雑することが多いので、余裕を持って行動しましょう。ただし、あまりに早く到着しても会場に入れない場合もあるので注意が必要です。
- TOEIC試験の服装に規定はありますか?
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特に決まった服装の規定はありませんが、リラックスして集中できる服装がおすすめです。会場の温度調節に対応できるよう、着脱しやすい服装で臨みましょう。
まとめ

TOEIC試験の準備から当日の流れまで詳しく解説してきました。最後に、ポイントをまとめておきましょう。
- TOEIC試験当日の必須持ち物:受験票、証明写真、身分証明書、筆記用具、腕時計を忘れずに持参する。
- 便利な持ち物:ティッシュ、マスク、着脱しやすい服装、飲み物、軽食、目薬なども準備しておくと安心。
- 時間管理:受付時間に遅れないよう余裕を持って行動し、試験中は効率的な時間配分を心がける。
- 試験前の準備:前日には持ち物の確認、会場へのルート確認、十分な睡眠をとることが大切。
- 当日の過ごし方:早めに会場に到着し、受付後はトイレを済ませ、試験開始前に落ち着いた状態を作る。
- 試験中の心構え:リスニングでは先読みを活用し、リーディングでは時間配分を意識して解答する。
- 直前対策:倍速でのリスニング、基本的な文法確認など、自信を持って臨むための対策を行う。
TOEIC試験は、準備が半分以上の成功を決めると言っても過言ではありません。この記事を参考に、万全の状態で試験に臨み、自己ベストスコアを目指しましょう。試験当日は緊張するかもしれませんが、これまでの努力を信じて落ち着いて解答すれば、きっと良い結果につながります。
初学者の方も、この記事で紹介した内容を参考に、一歩一歩着実に英語力を高めていってください。TOEIC試験はあなたの英語力を客観的に評価する良い機会です。ぜひチャレンジしてみてください。