「ever」は英語の副詞で、時間に関する表現でよく使われる便利な単語です。基本的には「今までに」「かつて」「いつか」「常に」などの意味を持ちますが、使われる文脈によってニュアンスが変わるため、英語初学者にとっては少し理解が難しい単語かもしれません。
この記事では、「ever」の基本的な意味から応用的な使い方まで、中学英語レベルの例文を使って分かりやすく解説します。
everとは?時間を表す便利な副詞

「ever」は英語の副詞で、時間に関する様々な概念を表現する便利な単語です。基本的には「時間を限定せず、どの時点でも」というニュアンスを持っています。日本語に訳すと「今までに」「かつて」「いつか」「常に」など、文脈によって訳し方が変わります。
英語学習において「ever」は現在完了形と一緒に学ぶことが多いですが、実際には現在形、過去形、未来形など、あらゆる時制で使うことができます。「ever」の本当の意味を理解することで、より自然な英語表現ができるようになります。
「ever」は主に疑問文や否定文でよく使われますが、条件文や比較表現でも頻繁に登場します。また、様々なフレーズの一部としても使われる重要な単語です。
everの基本的な意味と使い方
「ever」の基本的な意味は「いつでも」「どんな時でも」ですが、使われる文脈によって具体的な意味やニュアンスが変わります。ここでは、文の種類別に「ever」の使い方を詳しく解説します。
疑問文での「ever」の使い方
疑問文で「ever」を使うと、「今までに(一度でも)〜したことがありますか?」という意味になります。特に現在完了形と一緒に使われることが多いです。
例文
- Have you ever been to Tokyo?(あなたは今までに東京に行ったことがありますか?)
- Has she ever tried sushi?(彼女は今までに寿司を食べたことがありますか?)
- Did you ever meet my brother?(あなたは私の兄に会ったことがありますか?)
疑問文での「ever」は「今までの人生のどの時点でも良いから、一度でも〜したことがありますか?」というニュアンスがあります。経験を尋ねる際によく使われる表現です。
否定文での「ever」の使い方
否定文では、「ever」は直接使わずに「never(決して〜ない)」という形で使われることが多いです。「never」は「not ever」が短くなった形で、「一度も〜したことがない」という意味になります。
例文
- I have never seen a panda.(私はパンダを見たことがありません。)
- She will never forget your kindness.(彼女はあなたの親切を決して忘れないでしょう。)
- They never go to school by bus.(彼らは決してバスで学校に行きません。)
「never」をさらに強調したい場合は「never ever」として使うこともあります。これはより強い否定を表します。
例文
- I will never ever tell your secret.(私は決してあなたの秘密を話しません。)
条件文での「ever」の使い方
「if」や「when」などの条件を表す単語と一緒に使うと、「もし(いつか)〜するなら」という意味になります。
例文
- If you ever come to my town, please call me.(もしいつか私の町に来たら、電話してください。)
- When you ever need help, I am here for you.(あなたがいつか助けが必要なとき、私がここにいます。)
条件文での「ever」は「いつであっても、もし〜するなら」というニュアンスがあり、具体的な時期を限定せずに条件を表します。
比較表現での「ever」の使い方
比較級や最上級と一緒に使うと、「今までで一番〜」「かつてないほど〜」という意味になります。
例文
- This is the best book I have ever read.(これは私が今まで読んだ中で最高の本です。)
- She looks happier than ever.(彼女はかつてないほど幸せそうに見えます。)
- The city is more beautiful than ever.(その都市はかつてないほど美しいです。)
比較表現での「ever」は「これまでの全ての時点と比較して」というニュアンスがあります。
everを含む便利なフレーズと表現
「ever」は単独で使われるだけでなく、いくつかの便利なフレーズや表現の一部としても使われます。ここでは、よく使われる「ever」を含む表現を紹介します。
ever since(それ以来ずっと)
「ever since」は「それ以来ずっと」という意味で、ある時点から現在まで継続している状態や行動を表します。
例文
- I have loved music ever since I was a child.(私は子供の頃からずっと音楽が好きです。)
- He has been sick ever since he came back from the trip.(彼は旅行から帰ってきて以来ずっと病気です。)
- Ever since we met, she has been my best friend.(私たちが出会って以来、彼女は私の親友です。)
forever(永遠に)
「forever」は「for」と「ever」が組み合わさった単語で、「永遠に」「いつまでも」という意味です。
例文
- I will love you forever.(私はあなたをいつまでも愛します。)
- Nothing lasts forever.(何も永遠には続きません。)
- We will be friends forever.(私たちはいつまでも友達です。)
than ever(今までにないほど)
「than ever」は比較級と共に使って、「今までにないほど〜」という意味を表します。
例文
- She is more beautiful than ever.(彼女は今までにないほど美しいです。)
- The problem is bigger than ever.(その問題は今までにないほど大きいです。)
- I am studying harder than ever for the test.(私はテストのために今までにないほど一生懸命勉強しています。)
他のeverを含む表現
他にも「ever」を含む便利な表現がいくつかあります。
例文
- hardly ever(めったに〜ない)
I hardly ever eat fast food.(私はめったにファーストフードを食べません。) - if ever(もし一度でも〜するなら、ほとんど〜ない)
He seldom, if ever, comes to the party.(彼はほとんどパーティーに来ません。) - ever after(その後ずっと)
They lived happily ever after.(彼らはその後ずっと幸せに暮らしました。) - as ever(いつものように)
She was as kind as ever.(彼女はいつものように親切でした。)
everの様々な時制での使い方
「ever」は基本的にどの時制でも使うことができます。ここでは、様々な時制での「ever」の使い方を例文と共に見ていきましょう。
現在形での「ever」
現在形で「ever」を使うと、習慣や一般的な事実について、「いつでも」「時々」という意味になります。
例文
- Do you ever go fishing?(あなたは釣りに行くことがありますか?)
- Does she ever help you with your homework?(彼女はあなたの宿題を手伝うことがありますか?)
- I ever wonder why the sky is blue.(私はなぜ空が青いのか不思議に思うことがあります。)
過去形での「ever」
過去形で「ever」を使うと、過去のある時点での経験について尋ねることができます。
例文
- Did you ever visit that museum?(あなたはその博物館を訪れたことがありましたか?)
- Did he ever tell you about his childhood?(彼は彼の子供時代についてあなたに話したことがありましたか?)
未来形での「ever」
未来形で「ever」を使うと、将来のある時点での可能性について話すことができます。
例文
- Will you ever forgive me?(あなたは私を許してくれるでしょうか?)
- Do you think we will ever find a cure for cancer?(私たちはいつかがんの治療法を見つけると思いますか?)
everの文中での位置
「ever」は文中での位置も重要です。基本的には以下のようなルールがあります。
例文
- 助動詞や be動詞の後、一般動詞の前に置く
Have you ever been to Japan?(あなたは日本に行ったことがありますか?)
She is ever so kind.(彼女はとても親切です。) - 現在完了形では、助動詞「have/has」と過去分詞の間に置く
I have ever seen such a beautiful sunset.(私はこんな美しい夕日を見たことがありません。) - 文末に置くこともある(特定の表現で)
I will love you forever.(私はあなたをいつまでも愛します。)
We have been friends ever since.(私たちはそれ以来ずっと友達です。)
everとneverの関係
「ever」と「never」は密接な関係にあります。「never」は「not ever」の短縮形で、「一度も〜ない」という意味です。以下のように対応関係にあります。
| ever | never |
|---|---|
| Have you ever been to Paris? (あなたは今までにパリに行ったことがありますか?) | I have never been to Paris. (私は一度もパリに行ったことがありません。) |
| If you ever need help, call me. (もし助けが必要なら、電話してください。) | I will never need your help. (私はあなたの助けを必要としないでしょう。) |
| Do you ever eat sushi? (あなたは寿司を食べることがありますか?) | I never eat sushi. (私は決して寿司を食べません。) |
「never」は否定語なので、文中に他の否定語(not, no, nothingなど)と一緒に使わないように注意しましょう。二重否定になってしまうからです。
everのよくある間違いと注意点
「ever」は便利な単語ですが、使い方を間違えやすい側面もあります。ここでは、よくある間違いと注意点を解説します。
肯定文での使い方の誤り
最もよくある間違いの一つは、肯定文の現在完了形で「ever」を使うことです。例えば、以下のような文は誤りです。
✖ I have ever seen that movie.(私はその映画を見たことがあります。)
⭕ I have seen that movie.(私はその映画を見たことがあります。)
肯定文で「今までに〜したことがある」と言いたい場合は、「ever」を使わず、単に現在完了形を使います。「ever」は疑問文、否定文、条件文、比較表現などで使います。
ただし、以下のような特定の表現では、肯定文でも「ever」が使われることがあります。
例文
- This is the first time I have ever tasted sushi.(これが私が初めて寿司を食べた時です。)
「今までに」と「いつでも」の違い
「ever」は文脈によって「今までに」とも「いつでも」とも訳せるため、混乱しやすいです。基本的には以下のように使い分けます。
例文
- 現在完了形の疑問文:「今までに」
Have you ever climbed a mountain?(あなたは今までに山に登ったことがありますか?) - 条件文:「いつでも」「いつか」
If you ever visit Japan, try sushi.(もしいつか日本を訪れるなら、寿司を試してみてください。)
everとalwaysの違い
「ever」と「always」は両方とも時間を表す副詞ですが、意味と使い方が異なります。
例文
- ever:主に疑問文、否定文、条件文、比較表現で使用
Have you ever been to Kyoto?(あなたは今までに京都に行ったことがありますか?) - always:主に肯定文で使用し、「いつも」「常に」という意味
I always go to school by bike.(私はいつも自転車で学校に行きます。)
| 表現 | 主な使用場面 | 意味 |
|---|---|---|
| ever | 疑問文、否定文、条件文、比較表現 | 今までに、いつか、一度でも |
| always | 肯定文 | いつも、常に |
everに関する問題
ここでは「ever」の使い方を確認するための問題を10問用意しました。自分の理解度をチェックしてみましょう。
- Have you ( ) been to Kyoto?
- I have ( ) seen a lion in the wild.
- This is the best movie I have ( ) watched.
- If you ( ) need my help, just call me.
- She looks happier than ( ).
- I ( ) forget your kindness.
- He has loved music ( ) since he was a child.
- We will be friends ( ).
- I ( ) eat breakfast.
- This is the first time I have ( ) tried this food.
everの使い分け表
「ever」の様々な使い方を理解するために、以下の表を参考にしてください。
| 使い方 | 表現 | 例文 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 疑問文 | Have you ever…? | Have you ever been to Kyoto? | あなたは今までに京都に行ったことがありますか? |
| 否定文 | never | I have never seen a panda. | 私はパンダを見たことがありません。 |
| 条件文 | If you ever… | If you ever come to Japan, call me. | もしいつか日本に来たら、電話してください。 |
| 比較表現 | than ever | She is happier than ever. | 彼女はかつてないほど幸せです。 |
| 表現 | ever since | I have lived here ever since. | 私はそれ以来ずっとここに住んでいます。 |
| 表現 | forever | I will love you forever. | 私はあなたをいつまでも愛します。 |
| 表現 | hardly ever | I hardly ever eat meat. | 私はめったに肉を食べません。 |
「ever」に関するよくある質問
- 「ever」と「always」の違いは何ですか?
-
「ever」は主に疑問文、否定文、条件文、比較表現で使われる副詞で、「今までに」「いつか」などの意味があります。一方、「always」は「いつも」「常に」という意味で、主に肯定文で使われます。
- Do you ever eat sushi?(あなたは寿司を食べることがありますか?)
- I always eat sushi on Fridays.(私は金曜日にはいつも寿司を食べます。)
- 「Have you ever」と「Did you ever」の違いは何ですか?
-
「Have you ever」は現在完了形で、「今までの人生で一度でも〜したことがありますか?」という意味です。一方、「Did you ever」は過去形で、「過去のある時点で〜したことがありますか?」という意味になります。
- Have you ever visited Paris?(あなたは今までにパリを訪れたことがありますか?)
- Did you ever visit Paris when you lived in France?(フランスに住んでいた時、パリを訪れたことはありましたか?)
- 「ever」を使った挨拶や決まり文句はありますか?
-
「ever」を含む決まり文句や表現はいくつかあります。
- Yours ever(いつまでもあなたのもの)- 手紙の締めくくりとして使われます
- Happily ever after(その後ずっと幸せに)- おとぎ話でよく使われる表現です
- Ever since(それ以来ずっと)- ある時点から現在まで継続している状態を表します
- 「ever」と「never」はどう使い分けますか?
-
「ever」は主に疑問文や条件文で使われ、「今までに」「いつか」という意味です。「never」は「ever」の否定形で、「一度も〜ない」という意味です。
- Have you ever eaten sushi?(あなたは今までに寿司を食べたことがありますか?)
- I have never eaten sushi.(私は一度も寿司を食べたことがありません。)
- 「ever」は肯定文で使えますか?
-
基本的に、単純な肯定文では「ever」は使いません。しかし、以下のような特定の表現では使うことができます。
- 最上級や比較級を使った表現
This is the best cake I have ever tasted.(これは私が今まで食べた中で最高のケーキです。) - 「first time」などと共に使う表現
This is the first time I have ever seen snow.(これが私が初めて雪を見た時です。) - ever sinceのような決まった表現
I have loved cats ever since I was a child.(私は子供の頃から猫が好きです。)
- 最上級や比較級を使った表現
まとめ

この記事では、英語の副詞「ever」の意味と使い方について詳しく解説しました。「ever」は時間に関する幅広い意味を持つ便利な単語ですが、使う文脈によって意味やニュアンスが変わるため、正しい使い方を理解することが重要です。
ここで学んだポイントをまとめると次のようになります。
- 「ever」は副詞で、基本的には「時間を限定せず、どの時点でも」というニュアンスを持つ
- 疑問文では「今までに(一度でも)」という意味で使われる
- 否定文では「never(一度も〜ない)」という形で使われる
- 条件文では「もし(いつか)」という意味になる
- 比較表現では「今までで一番」「かつてないほど」という意味を表す
- 「ever since」「forever」「than ever」など、便利な表現がある
- 肯定文の現在完了形では通常「ever」を使わない
- 「ever」は全ての時制で使うことができる
「ever」の正しい使い方を身につけることで、より自然な英語表現ができるようになります。ぜひ日常会話や英作文で積極的に「ever」を使ってみてください。
英語力向上のための一歩となるでしょう。

