TOEICのリーディングセクションの中でも、多くの受験者が苦手意識を持つPart6。問題数は少ないものの、Part5の文法知識とPart7の読解力の両方が求められるため、効果的な対策が必要です。
本記事では、英語初学者の方でも理解できるように、Part6の基本情報から解き方のコツ、効率的な勉強法まで詳しく解説します。試験本番で時間に追われることなく、確実に得点できる力を身につけましょう。
TOEICのPart6の基本情報
TOEICのリーディングセクションには3つのパートがありますが、Part6はその中間に位置する「長文穴埋め問題」です。文法問題と読解問題の両方の要素を持ったパートで、効率よく解くことができれば、スコアアップの大きな武器になります。
Part6は、メールやお知らせ、記事などの文書の中に空欄があり、4つの選択肢から最も適切なものを選ぶ形式です。問題数は16問で、4つの文章に対してそれぞれ4問ずつ出題されます。リーディングセクション全体（100問）の中では最も問題数が少ないパートとなっています。
問題形式と特徴
Part6の問題は、一つの文書の中に4つの空欄があり、それぞれの空欄に入る最適な選択肢を選ぶという形式です。出題される文書の種類は多岐にわたり、ビジネスメール、お知らせ、記事、レポートなどがよく出題されます。
文書の長さはPart5の短文よりは長く、Part7の複雑な長文よりは短いという中間的な位置づけです。1つの文書につき4問の設問があるため、文脈を理解することが非常に重要になります。
問題数と配点
Part6の問題数は全部で16問です。これはリーディングセクション100問中の16%を占めており、数だけ見れば少ないようですが、得点配分上の重要性は決して低くありません。
TOEICの配点は問題ごとに異なるわけではなく、正解数に応じて換算されるシステムになっています。そのため、Part6で確実に得点を重ねることは、総合スコアアップに直結します。
Part5・Part7との違い
Part6はPart5やPart7とどのように異なるのでしょうか。
Part5は短い一文の中の空欄を埋める問題で、文法や語彙の知識を問う問題が中心です。対してPart6は、より長い文脈の中で適切な言葉を選ぶ必要があり、文章全体の理解が求められます。
Part7は複数の文書を読み、設問に答える読解問題です。Part6はPart7ほど長くはありませんが、文章を全体的に理解する読解力が必要という点では共通しています。
TOEIC Part6の時間配分と効果的な解き方
TOEICのリーディングセクション全体の制限時間は75分で、Part5（30問）、Part6（16問）、Part7（54問）の合計100問を解きます。Part6にかける時間の目安とその解き方について解説します。
リーディングセクションにおける位置づけ
リーディングセクションの試験時間は全体で75分です。その中でPart5（30問）、Part6（16問）、Part7（54問）の合計100問を解くことになります。
Part6は問題数が少ないため、効率よく解くことができれば、最も問題数の多いPart7により多くの時間を割くことができます。逆に、Part6で時間をかけすぎると、Part7で時間が足りなくなり、全体のスコアに悪影響を及ぼす可能性があります。
理想的な時間配分
リーディングセクションの中でPart6にかけるべき時間は、約10分が理想的です。つまり1問あたり約40秒で解く計算になります。ただし、これはあくまで目安であり、自分の得意・不得意に合わせて時間配分を調整するとよいでしょう。
例えば、Part6が得意な人は8分程度で終わらせ、苦手なPart7に時間を多く残すという戦略も考えられます。初心者の場合は、まず1問45秒を目標にし、慣れてきたら時間を短縮していきましょう。
効率的な解き方のステップ
Part6を効率的に解くためのステップを紹介します。
- 文章全体を把握する：まず、文章全体に目を通し、どんな内容か把握します。
- 選択肢を先読みする：問題文を読む前に選択肢を確認し、どのタイプの問題か判断します。
- 問題を解く：適切な解き方で問題を解いていきます。
- 解けない問題は飛ばす：わからない問題に時間をかけすぎないよう、一旦飛ばして次に進みます。
- 時間があれば見直す：余裕があれば、飛ばした問題に戻ります。
文脈を理解するコツ
Part6で重要なのは、文脈を理解することです。以下のポイントに注意しましょう
- メールの場合、宛先・差出人・件名をチェック：これだけで文章の大枠が把握できます。
- 各段落の最初と最後の文に注目：重要な情報は段落の冒頭や結びに書かれていることが多いです。
- 代名詞の指示対象を確認：「it」「they」「this」などが何を指しているのか確認します。
- 話題の転換点に着目：「However」「Moreover」などの接続語は、文の流れを変える重要なポイントです。
TOEIC Part6の問題タイプを理解しよう
Part6の問題には、いくつかのタイプがあります。問題タイプを理解することで、効率的に解くことができるようになります。
文法問題
文法問題は、文法的に正しい選択肢を選ぶ問題です。例えば、時制や態（能動態・受動態）、品詞（名詞・動詞・形容詞・副詞）などが問われます。これらの問題は、Part5と似ていますが、より文脈を考慮する必要があります。
例文
- The company ( ) its annual report next month.
選択肢
- A) releases
- B) will release
- C) has released
- D) is releasing
このような問題では、文章全体から「いつ」の話なのかを読み取る必要があります。
語彙問題
語彙問題は、文脈に合った単語や熟語を選ぶ問題です。ビジネスに関連する語彙が頻出するため、ビジネス英語の基本的な表現を覚えておくと有利です。
例文
- We need to ( ) our marketing strategy to reach younger customers.
選択肢
- A) enhance
- B) adapt
- C) reduce
- D) eliminate
文脈から「若い顧客にリーチするためにマーケティング戦略を何する必要がある」のかを考えます。
文挿入問題
各文章で必ず1問は、まるまる1文を選択する文挿入問題が出題されます。これは、前後の文脈から最も自然につながる文を選ぶ問題です。
例文
- ( )
選択肢
- A) Please confirm receipt of this email by Friday.
- B) The meeting will be held in the conference room.
- C) We apologize for any inconvenience caused.
- D) I look forward to your prompt response.
この問題では、前後の文脈を理解し、最も自然に流れる文を選びます。
接続語・代名詞問題
文と文をつなぐ接続語（However, Therefore, Meanwhile など）や、何かを指す代名詞（it, they, this など）を選ぶ問題もあります。これらは文脈からその関係性を読み取る必要があります。
例文
- We have completed the project ahead of schedule. ( ), we were able to reduce costs significantly.
選択肢
- A) Therefore
- B) However
- C) Nevertheless
- D) Meanwhile
このタイプの問題では、前後の文の論理関係を把握することが重要です。
TOEIC Part6の効果的な勉強方法
Part6で高得点を取るための効果的な勉強方法を紹介します。基礎から応用まで、段階的にスキルを高めていきましょう。
文法力を強化する
Part6では文法問題が多く出題されるため、基本的な文法知識が欠かせません。特に以下のポイントを押さえておきましょう。
語彙力を鍛える
ビジネス関連の語彙を中心に、TOEICでよく出る単語を覚えましょう。特に以下の分野の単語は重要です。
- ビジネス用語：会議、プレゼン、契約などに関する表現
- オフィス関連：社内メール、通知、報告書などで使われる表現
- マーケティング：広告、販売促進、顧客関係などの用語
- 人事関連：採用、評価、研修などに関する表現
精読と速読のバランスを取る
Part6では、精読（正確に読む）と速読（素早く読む）のバランスが重要です。
精読の練習
- 文章をじっくり読み、全ての単語や文法構造を理解する
- わからない単語や表現はその場で調べる
- 文と文のつながりや論理展開を意識して読む
速読の練習
- 時間を測りながら、できるだけ速く文章を読む
- スキミング（概要把握）やスキャニング（特定情報検索）の技術を身につける
- 一度に把握できる単語の塊（チャンク）を増やす
両方の練習を組み合わせることで、正確かつ素早く文章を理解する力が身につきます。
実践的なトレーニング方法
具体的なトレーニング方法をいくつか紹介します。
- 公式問題集で演習する：本番と同じ形式に慣れることが大切です。
- 時間を測って解く：制限時間内に解けるよう、タイマーをセットして練習します。
- 解説を丁寧に読む：間違えた問題は、なぜ間違えたのか理解することが重要です。
- 類似問題を繰り返し解く：同じタイプの問題を何度も解いて、パターンに慣れます。
- 実際のビジネス文書に触れる：英語のメールやニュースレターなどを日常的に読むことで、実用的な表現に慣れます。
TOEIC Part6の問題タイプ別攻略法
問題のタイプによって、効果的な解き方は異なります。ここでは、タイプ別の攻略法を詳しく解説します。
独立型問題の解き方
独立型問題とは、空欄がある1文だけを読めば解ける問題です。主に文法問題や品詞問題がこれに該当します。
攻略のポイント
- 空欄の前後をよく読み、文法的に正しい選択肢を選ぶ
- 品詞（名詞、動詞、形容詞、副詞）に注目する
- 前置詞や接続詞の使い方を確認する
例えば、「The manager ( ) the new policy yesterday.」という文では、「yesterday」があるので過去形が入ることがわかります。このように、文法のルールから自動的に答えがわかる問題は、素早く解きましょう。
文脈型問題の解き方
文脈型問題とは、空欄がある1文だけでなく、前後の文脈も読まないと解けない問題です。代名詞や接続語の問題が典型的です。
攻略のポイント
- 代名詞（it, they, thisなど）が何を指しているか確認する
- 接続語が前後の文をどのように関連づけているか考える
- 文と文の論理関係（原因・結果、対比など）を把握する
例えば、「The project was completed on time. ( ), there were some quality issues.」という文では、プロジェクトが時間通りに完成したという肯定的な内容と、品質問題があったという否定的な内容の間に接続語が入ります。このような場合、逆接を表す「However」などが適切です。
文挿入問題の解き方
文挿入問題は、空欄に入る文全体を選ぶ問題です。Part6では各文章に1問は出題されます。
攻略のポイント
- 前後の文脈から、どのような内容が入るべきか予測する
- 代名詞や指示語が何を指しているか確認する
- 文の論理的なつながりを考える
- メールなどの場合、結びの文や依頼文などの定型表現に注意する
例えば、会議の通知メールの最後に空欄がある場合、「Please confirm your attendance by Friday.」のような出席確認の依頼文が入る可能性が高いです。
ハイブリッド型問題の対処法
ハイブリッド型問題とは、独立型としても文脈型としても解ける可能性がある問題です。時制問題や語彙問題がこれに該当することがあります。
攻略のポイント
- まずは空欄のある文だけで解けるか試みる
- 解けない場合は前後の文脈も読んで判断する
- 時制については、文書全体の時間軸を確認する
- 語彙については、ビジネス文書における一般的な表現を知っておく
例えば、「The company ( ) its annual report last week.」という文では、「last week」から過去形が入ることがわかります。しかし、中には文脈を読まないと適切な語彙が選べない場合もあります。
TOEIC Part6に関するよくある質問
Part6対策に関して、よく寄せられる質問にお答えします。
- Part6で時間が足りないときはどうすればいいですか？
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時間が足りない場合は、まず問題の優先順位をつけることが重要です。動詞問題や代名詞問題など、比較的短時間で解ける問題を先に解き、時間のかかる問題は後回しにする戦略も有効です。
また、日頃から時間を測りながら練習することで、自分のペースを把握し、時間配分の感覚を養いましょう。本番では、わからない問題に固執せず、マークして次に進む決断力も必要です。
最終的には、継続的な練習によってリーディングスピードを上げることが、時間不足の根本的な解決策になります。
- Part6と他のパートのどちらを先に勉強すべきですか？
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一般的には、Part5の基礎固めをしてからPart6に取り組むのがおすすめです。Part5で文法や語彙の基礎力を養ってから、より複雑なPart6の問題に挑戦するという順序が効率的です。
ただし、必ずしもこの順序にこだわる必要はなく、自分の弱点に応じて学習計画を立てるのが良いでしょう。例えば、長文読解が苦手な方は、Part6とPart7を並行して学習するのも一つの方法です。
いずれにせよ、バランスよく学習を進めることが、全体のスコアアップには効果的です。
- Part6の文法問題で特に注意すべきポイントはありますか？
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Part6の文法問題では、時制の一致、能動態と受動態の使い分け、代名詞の一致、接続詞の用法などが重要です。特にビジネス文書では、「The report is prepared by our team.」のように受動態がよく使われるので注意しましょう。また、文脈全体から適切な時制を判断する必要もあります。
- Part6の文挿入問題のコツはありますか？
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文挿入問題では、前後の文との論理的なつながりを考えることが大切です。また、代名詞（it, they, thisなど）が何を指しているかをチェックすると、不自然な選択肢を除外できます。ビジネスメールなどでは、結びの定型表現や依頼の仕方にも注目しましょう。
- Part6の文法問題と語彙問題の見分け方は？
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選択肢を見れば、どのタイプの問題かある程度判断できます。例えば、選択肢が動詞の異なる形（develop, develops, developed, will develop）なら文法問題、意味の異なる単語（convenient, comfortable, necessary, important）なら語彙問題である可能性が高いです。
問題タイプを見極めたら、それに応じた解法を適用しましょう。文法問題なら文法ルールに基づいて、語彙問題なら文脈から適切な意味を選びます。
この見分け方に慣れることで、問題を素早く分類し、効率よく解答することができます。
- Part6の得点アップのコツは？
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Part6での得点アップには、次のコツが有効です。
- 文書の種類を必ず確認し、内容を予測する
- 選択肢を先読みして問題タイプを見極める
- 全文を読んで文脈を把握する
- 迷ったら次の文に進み、文脈からヒントを得る
- 日頃から精読と多読を組み合わせた学習を行う
また、間違えた問題は必ず復習し、なぜ間違えたのかを分析することも重要です。同じミスを繰り返さないように意識しましょう。
定期的に模擬テストを受けて、実際の試験環境に慣れることも大切です。本番と同じ時間配分で解く練習を重ねることで、試験当日の緊張感にも対応できるようになります。
まとめ
TOEICのPart6対策について、初学者の方にも分かりやすく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
- Part6は長文穴埋め問題で、全16問（4つの文章×4問）出題される
- リーディングセクション全体で75分、Part6は約10分が目安
- 問題タイプには、文法・語彙問題、時制問題、代名詞問題、接続詞問題、センテンス問題がある
- 解き方のコツは、文書の種類の確認、全文を読む、選択肢の先読み、迷ったときは次に進むこと
- 効果的な勉強法は、文法の基礎固め、語彙力の強化、精読トレーニング、多読など
- 初心者はPart5の基礎を固めてからPart6に取り組むのが効率的
- 紙の教材で学習し、本番環境に近い状態で練習するのが望ましい
Part6は、文法力と読解力の両方が問われるパートです。基礎をしっかり固め、問題の解き方のコツを押さえることで、確実に得点力を上げることができます。
継続的な学習と実践が、TOEIC高得点への近道です。この記事を参考に、効率的なPart6対策を進め、目標スコアの達成に向けて頑張りましょう！
