「彼は学生ですよね?」「あなたは昨日学校に行きましたよね?」というように、文の最後に短い疑問形を付け加えて確認する表現が日本語にはあります。英語にも同様の表現があり、これを「付加疑問文」と呼びます。
付加疑問文は英語の文法においてとても実用的な表現で、日常会話でもよく使われます。この記事では、英語初学者の方でも理解できるように、付加疑問文の基本から応用まで、例文を交えて分かりやすく解説します。
付加疑問文とは?基本的な意味と使い方

付加疑問文とは、平叙文(普通の文)の後に短い疑問形を付け加えた文のことです。日本語では「~ですよね?」「~じゃないですか?」などと訳されることが多いです。
付加疑問文の主な使い方は以下の通りです。
- 相手に確認する
例:You are a student, aren’t you?(あなたは学生ですよね?) - 同意を求める
例:The weather is nice today, isn’t it?(今日の天気はいいですね?) - 会話を続ける
例:You went to Tokyo, didn’t you?(東京に行きましたよね?)
付加疑問文は日常会話でよく使われ、文末に短い質問を付けることで、相手に応答を促し、会話をスムーズに進めることができます。
付加疑問文の基本的な作り方
付加疑問文の基本的な作り方は、前半の文が肯定文なら付加部分は否定形に、前半の文が否定文なら付加部分は肯定形にするというルールがあります。
肯定文の後の付加疑問(否定形)
肯定文の後には、否定形の付加疑問をつけます。
例文
- You like soccer, don’t you?(あなたはサッカーが好きですよね?)
- She is a teacher, isn’t she?(彼女は先生ですよね?)
- They went to the park, didn’t they?(彼らは公園に行きましたよね?)
否定文の後の付加疑問(肯定形)
否定文の後には、肯定形の付加疑問をつけます。
例文
- You don’t like math, do you?(あなたは数学が好きではないですよね?)
- He isn’t at home, is he?(彼は家にいませんよね?)
- They didn’t come to the party, did they?(彼らはパーティーに来なかったですよね?)
付加疑問文を作る際に大切なのは、前の文の主語と時制(現在・過去など)を正確に反映させることです。
一般動詞の付加疑問文
一般動詞(play, eat, study など)を使った文に付加疑問をつける場合、助動詞(do, does, did)を使って付加疑問を作ります。
現在形の一般動詞
現在形の一般動詞の文では、do/does を使います。
例文
- You play tennis, don’t you?(あなたはテニスをしますよね?)
- He speaks English, doesn’t he?(彼は英語を話しますよね?)
- They live in Tokyo, don’t they?(彼らは東京に住んでいますよね?)
過去形の一般動詞
過去形の一般動詞の文では、did を使います。
例文
- You watched TV last night, didn’t you?(昨夜テレビを見ましたよね?)
- She visited Kyoto last year, didn’t she?(彼女は去年京都を訪れましたよね?)
- They played soccer yesterday, didn’t they?(彼らは昨日サッカーをしましたよね?)
be動詞の付加疑問文
be動詞(am, is, are, was, were)を使った文では、その be 動詞をそのまま使って付加疑問を作ります。
現在形のbe動詞
現在形の be 動詞(am, is, are)を使います。
例文
- You are a student, aren’t you?(あなたは学生ですよね?)
- He is busy today, isn’t he?(彼は今日忙しいですよね?)
- They are from Canada, aren’t they?(彼らはカナダ出身ですよね?)
過去形のbe動詞
過去形の be 動詞(was, were)を使います。
例文
- You were at home yesterday, weren’t you?(あなたは昨日家にいましたよね?)
- She was sick last week, wasn’t she?(彼女は先週病気でしたよね?)
- They were happy about the news, weren’t they?(彼らはそのニュースを喜んでいましたよね?)
助動詞を含む付加疑問文
助動詞(can, will, must, should など)を含む文では、その助動詞をそのまま使って付加疑問を作ります。
例文
- You can swim, can’t you?(あなたは泳げますよね?)
- He will come to the party, won’t he?(彼はパーティーに来るでしょうね?)
- They must study hard, mustn’t they?(彼らは一生懸命勉強しなければならないですよね?)
- She should see a doctor, shouldn’t she?(彼女は医者に診てもらうべきですよね?)
命令文の付加疑問文
命令文(指示や依頼を表す文)に付加疑問をつける場合は、通常 “will you?” または “won’t you?” を使います。
例文
- Open the window, will you?(窓を開けてくれませんか?)
- Help me with this homework, will you?(この宿題を手伝ってくれませんか?)
- Don’t forget your lunch, will you?(昼食を忘れないでくださいね?)
- Be quiet, won’t you?(静かにしてくれませんか?)
命令文の付加疑問では、will you? は普通の依頼、won’t you? はやや丁寧な依頼や招待のニュアンスがあります。
Let’s で始まる文の付加疑問文
“Let’s”(~しましょう)で始まる提案の文に付加疑問をつける場合は、通常 “shall we?” を使います。
例文
- Let’s go to the park, shall we?(公園に行きましょう、いいですか?)
- Let’s have lunch together, shall we?(一緒に昼食を食べましょう、どうですか?)
- Let’s not tell anyone about this, shall we?(これを誰にも言わないようにしましょう、いいですか?)
“Let’s” は “Let us” の短縮形であり、「私たちが~しましょう」という提案を表します。
この場合の付加疑問は “shall we?” となります。
付加疑問文の特殊なケース
付加疑問文には、いくつか特殊なケースや例外があります。ここでは代表的なものを紹介します。
I am の付加疑問文
「I am」の付加疑問文は、「aren’t I?」が一般的です(文法的には am I not? が正しいですが、会話では aren’t I? がよく使われます)。
例文
- I am late, aren’t I?(私は遅刻していますよね?)
- I’m going to the right place, aren’t I?(私は正しい場所に行っていますよね?)
there is / there are の付加疑問文
「there is / there are」の文では、付加疑問も同じ形を使います。
例文
- There is a book on the table, isn’t there?(テーブルの上に本がありますよね?)
- There are many students in the classroom, aren’t there?(教室にはたくさんの生徒がいますよね?)
否定語を含む文の付加疑問文
nothing, nobody, never などの否定語を含む文は、文全体が否定の意味を持つため、付加疑問は肯定形になります。
例文
- Nothing happened, did it?(何も起こりませんでしたよね?)
- Nobody came to the party, did they?(誰もパーティーに来なかったですよね?)
- You never eat meat, do you?(あなたは決して肉を食べませんよね?)
付加疑問文の答え方
付加疑問文に対する答え方は、質問の内容(前半の文)が事実かどうかによって決まります。
日本語の「はい」「いいえ」と違い、英語の “Yes” と “No” は少し異なる使い方をするので注意が必要です。
肯定文への付加疑問の答え方
前半が肯定文の場合
- 内容が事実なら “Yes”(はい、その通りです)
- 内容が事実でなければ “No”(いいえ、違います)
例文
- You like soccer, don’t you? – Yes, I do.
(あなたはサッカーが好きですよね? – はい、好きです) - You like soccer, don’t you? – No, I don’t.
(あなたはサッカーが好きですよね? – いいえ、好きではありません)
否定文への付加疑問の答え方
前半が否定文の場合
- 否定内容が事実なら “No”(いいえ、その通り~ではありません)
- 否定内容が事実でなければ “Yes”(はい、実は~です)
例文
- You don’t like math, do you? – No, I don’t.
(あなたは数学が好きではないですよね? – はい、好きではありません) - You don’t like math, do you? – Yes, I do (actually).
(あなたは数学が好きではないですよね? – いいえ、(実は)好きです)
日本語では「はい」が同意、「いいえ」が否定を表しますが、英語ではあくまで事実関係に対して “Yes” または “No” で答えることに注意してください。
英語の付加疑問文に関する練習問題
以下の問題を解いて、付加疑問文の理解を深めましょう。
- You are a student, _______?
- They don’t live in Tokyo, _______?
- She likes music, _______?
- He can’t swim, _______?
- Your father is a doctor, _______?
- We went to the park yesterday, _______?
- You will help me, _______?
- Let’s go to the movies, _______?
- I am late, _______?
- There are many books on the shelf, _______?
- Open the window, _______?
- She has never been to Osaka, _______?
- You should study harder, _______?
- They weren’t at school yesterday, _______?
- There is a problem with this computer, _______?
- The children are playing in the garden, _______?
- Nothing was stolen, _______?
- He must finish his homework, _______?
- You’ve seen this movie before, _______?
- I’m doing this correctly, _______?
付加疑問文に関するよくある質問
- 付加疑問文で主語が「I」の場合、付加部分は何になりますか?
-
「I am」の付加疑問は「aren’t I?」になるのが一般的です。その他の動詞の場合は普通のルールに従います。
例:I like coffee, don’t I?(私はコーヒーが好きですよね?) - 付加疑問文の答え方で気をつけることはありますか?
-
日本語と英語では「はい/いいえ」の使い方が異なります。英語では、実際の事実に基づいて “Yes” または “No” で答えます。「You don’t like coffee, do you?」という質問に対して、もしコーヒーが好きなら「Yes, I do.」と答えます。
- 命令文の付加疑問はどうなりますか?
-
命令文の付加疑問は通常「will you?」または「won’t you?」を使います。
例:Open the door, will you?(ドアを開けてくれませんか?) - 付加疑問文と疑問文の違いは何ですか?
-
一般的な疑問文は情報を求めるためのものですが、付加疑問文は主に確認や同意を求めるために使います。また、付加疑問文は平叙文の後に短い疑問形を付け加える形になります。
- 否定語(never, nobody など)を含む文の付加疑問文はどうなりますか?
-
否定語を含む文は全体として否定の意味を持つため、付加疑問は肯定形になります。
例:Nothing happened, did it?(何も起きなかったですよね?)
まとめ

この記事では、英語の付加疑問文について詳しく解説しました。付加疑問文は、文の最後に短い疑問形を付け加えて確認や同意を求める表現です。
主なポイントをまとめると、
- 基本ルール
- 肯定文 → 否定の付加疑問
- 否定文 → 肯定の付加疑問
- 動詞別のルール
- 一般動詞 → do, does, did を使う
- be動詞 → am, is, are, was, were をそのまま使う
- 助動詞 → can, will, must などをそのまま使う
- 特殊なケース
- I am → aren’t I?
- Let’s → shall we?
- 命令文 → will you? / won’t you?
- 否定語を含む文 → 肯定の付加疑問
- 答え方
- 事実に基づいて Yes または No で答える
付加疑問文は日常会話でよく使われる表現で、会話をスムーズに進めたり、相手に確認したりするのに役立ちます。この記事で紹介した基本ルールを覚えて、練習問題に取り組むことで、付加疑問文を正しく使えるようになるでしょう。
英語のコミュニケーションスキルを高めるために、ぜひ付加疑問文を日常会話に取り入れてみてください。相手に確認しながら会話を進めることで、より自然な英語表現ができるようになります。