英語を学んでいると「分詞」という言葉をよく耳にしますが、具体的にどんなものなのか理解できていますか?「現在分詞」「過去分詞」など分かりづらい用語が多く、初学者にとっては混乱しやすい文法項目です。しかし、分詞は英語表現を豊かにする重要な要素であり、マスターすれば英語力が格段に向上します。
この記事では、分詞の基本から応用まで、具体的な例文を交えてわかりやすく解説します。英語初学者の方でも理解できるよう、シンプルな説明と実用的な例文で、分詞の使い方をマスターしましょう。
分詞とは?英語の文法における基本概念

分詞とは、動詞から派生した形で、動詞の性質と形容詞の性質を併せ持つ言葉です。英語の文法において、分詞は「現在分詞」と「過去分詞」の2種類があります。
「現在分詞」は動詞に「-ing」をつけた形(例:walk → walking)で、「〜している」という意味を表します。一方、「過去分詞」は一般的に動詞に「-ed」をつけた形(例:walk → walked)または不規則変化した形(例:write → written)で、「〜された」「〜している状態」という意味を表します。
分詞の特徴は「1人2役」をすることです。つまり、動詞としての性質(動作や状態を表す)と形容詞としての性質(名詞を修飾する)を同時に持っています。このような特徴から、分詞は様々な場面で活躍し、英語表現を豊かにする重要な文法要素となっています。
現在分詞の基本と使い方
現在分詞は動詞に「-ing」をつけた形で、主に「〜している」という進行中や能動的な意味を表します。
日常的によく使う表現にも多く含まれており、マスターすることで英語表現の幅が広がります。
現在分詞の形と作り方
現在分詞は基本的に動詞の原形に「-ing」を加えるだけですが、いくつかのルールがあります。
- 一般的な動詞:動詞 + ing
- walk → walking
- read → reading
- play → playing
- 語尾が「e」で終わる動詞:「e」を取って + ing
- write → writing
- make → making
- come → coming
- 短い母音+子音で終わる一音節の動詞:最後の子音を重ねて + ing
- run → running
- swim → swimming
- stop → stopping
- 語尾が「ie」で終わる動詞:「ie」を「y」に変えて + ing
- lie → lying
- die → dying
- tie → tying
現在分詞の3つの主な用法
現在分詞には主に3つの使い方があります。
進行形を作る用法
「be動詞 + 現在分詞」の形で、動作が進行中であることを表します。
例文
- I am studying English now.(私は今、英語を勉強しています)
- She was reading a book when I called her.(私が彼女に電話したとき、彼女は本を読んでいました)
- They are playing soccer in the park.(彼らは公園でサッカーをしています)
形容詞的用法
現在分詞が名詞を修飾して、「〜している」という状態を表します。名詞の前にも後ろにも置くことができます。
例文
- The running boy is my brother.(走っている少年は私の兄です)
- I saw a girl crying in the classroom.(教室で泣いている女の子を見ました)
- The teacher talking to my mother is Mr. Smith.(母と話している先生はスミス先生です)
- Look at those children playing in the garden.(庭で遊んでいるあの子供たちを見てください)
分詞構文での用法
文と文をつなげる際に、接続詞を省略して簡潔に表現する方法です。
例文
- Walking home, I met my old friend.(家に歩いて帰る途中、私は古い友人に会いました)
- Feeling tired, she went to bed early.(疲れを感じて、彼女は早く寝ました)
- Not knowing the answer, I asked my teacher.(答えを知らなかったので、私は先生に尋ねました)
過去分詞の基本と使い方
過去分詞は規則動詞では「-ed」の形、不規則動詞では特有の形をとり、主に「〜された」「〜している状態」という受動的または完了の意味を表します。
過去分詞の形と作り方
過去分詞の形は、規則動詞と不規則動詞で異なります。
- 規則動詞:動詞 + ed
- walk → walked
- play → played
- learn → learned
- 不規則動詞:特定の形(覚える必要あり)
- go → gone
- see → seen
- write → written
- break → broken
過去分詞の3つの主な用法
過去分詞にも主に3つの使い方があります。
完了形を作る用法
「have/has/had + 過去分詞」の形で、動作が完了していることを表します。
例文
- I have finished my homework.(私は宿題を終えました)
- She has lived in Tokyo for three years.(彼女は3年間東京に住んでいます)
- They had already eaten dinner when I arrived.(私が着いたとき、彼らはすでに夕食を食べていました)
受動態を作る用法
「be動詞 + 過去分詞」の形で、「〜される」という受け身の意味を表します。
例文
- This book was written by a famous author.(この本は有名な作家によって書かれました)
- English is spoken in many countries.(英語は多くの国で話されています)
- The window was broken by the strong wind.(窓は強風によって壊されました)
形容詞的用法
過去分詞が名詞を修飾して、「〜された」「〜している状態」を表します。
例文
- The broken window needs to be fixed.(壊れた窓は修理する必要があります)
- I found a lost dog in the park.(公園で迷子の犬を見つけました)
- The teacher showed us the completed project.(先生は私たちに完成したプロジェクトを見せました)
- The books written in English are on that shelf.(英語で書かれた本はあの棚にあります)
現在分詞と過去分詞の違いとは?
現在分詞と過去分詞は形も意味も使い方も異なります。
ここでは両者の違いを明確にして、適切に使い分けられるようにしましょう。
形の違い
- 現在分詞:動詞 + ing(running, speaking, writing)
- 過去分詞:規則動詞は動詞 + ed(played, worked)、不規則動詞は特定の形(gone, seen, written)
意味の違い
- 現在分詞:主に「〜している」という能動的・進行的な意味
- 過去分詞:主に「〜された」「〜している状態」という受動的・完了的な意味
使い方の違い
同じ動詞から作られた現在分詞と過去分詞では、意味が大きく異なります。
比較例
- exciting(興奮させる)vs. excited(興奮した)
- The game is exciting.(その試合は興奮させるものです)
- The children are excited about the game.(子供たちはその試合に興奮しています)
- interesting(興味深い)vs. interested(興味を持った)
- This is an interesting book.(これは興味深い本です)
- I am interested in this book.(私はこの本に興味があります)
- boring(退屈させる)vs. bored(退屈した)
- The class is boring.(その授業は退屈です)
- The students are bored in the class.(学生たちはその授業で退屈しています)
分詞の一覧表と例文
よく使う動詞の現在分詞と過去分詞を一覧表にまとめました。中学英語レベルの例文と一緒に覚えましょう。
現在分詞の一覧表と例文
動詞 | 現在分詞 | 例文 |
---|---|---|
play | playing | The playing children are in the park.(遊んでいる子供たちは公園にいます) |
read | reading | The boy reading a book is my friend.(本を読んでいる少年は私の友達です) |
run | running | The running water is very clean.(流れている水はとてもきれいです) |
smile | smiling | I like the smiling faces of children.(私は子供たちの笑顔が好きです) |
sleep | sleeping | Please don’t wake up the sleeping baby.(寝ている赤ちゃんを起こさないでください) |
cry | crying | Who is the crying girl?(泣いている女の子は誰ですか?) |
swim | swimming | The swimming boys are very fast.(泳いでいる少年たちはとても速いです) |
wait | waiting | The waiting room is full of people.(待合室は人でいっぱいです) |
過去分詞の一覧表と例文
動詞 | 過去分詞 | 例文 |
---|---|---|
break | broken | The broken toy is in the box.(壊れたおもちゃは箱の中にあります) |
write | written | The letter written by my friend arrived yesterday.(友達によって書かれた手紙が昨日届きました) |
make | made | This cake is made from chocolate.(このケーキはチョコレートから作られています) |
use | used | Don’t throw away used paper.(使用済みの紙を捨てないでください) |
open | opened | There is an opened box on the table.(テーブルの上に開けられた箱があります) |
close | closed | All the stores are closed today.(今日はすべての店が閉まっています) |
lose | lost | I found the lost key under the sofa.(私はソファの下で失くした鍵を見つけました) |
steal | stolen | The stolen bike was found by the police.(盗まれた自転車は警察によって見つけられました) |
分詞構文とは?基本から理解する
分詞構文は、分詞(現在分詞または過去分詞)を使って文と文をつなげ、より簡潔に表現する方法です。
英語の文章をより洗練させるために役立ちます。
分詞構文の基本的な作り方
分詞構文は主に以下のような方法で作ります。
- 主語が同じ2つの文を見つける
- 従属節の接続詞と主語を削除
- 動詞を分詞に変える
例文
- 元の文:When I arrived at the station, I found that the train had already left.
- 分詞構文:Arriving at the station, I found that the train had already left.
(駅に着いたとき、電車はすでに出発していたことに気づきました)
分詞構文で表現できる内容
分詞構文は主に以下のような意味関係を表現できます。
時間関係(〜するとき)
- Walking home, I met my old friend.(家に歩いて帰る途中、私は古い友人に会いました)
理由(〜なので)
- Not knowing the answer, I asked my teacher.(答えを知らなかったので、私は先生に尋ねました)
条件(もし〜なら)
- Studying hard, you will pass the exam.(一生懸命勉強すれば、試験に合格するでしょう)
付帯状況(〜しながら)
- She came into the room, carrying many books.(彼女は多くの本を持ちながら部屋に入ってきました)
結果(その結果〜)
- He fell off the ladder, breaking his leg.(彼ははしごから落ちて、足を骨折しました)
英語の分詞に関する練習問題20選
英語の分詞(現在分詞と過去分詞)に関する問題を解いて、理解を深めましょう。
用法や形の変化、分詞構文など幅広く出題します。
- 次の動詞の現在分詞と過去分詞を書きなさい
write, see, go, take, make - 次の文の空欄に適切な分詞(現在分詞または過去分詞)を入れなさい
The movie was very _____ (excite). - 次の文の空欄に適切な分詞(現在分詞または過去分詞)を入れなさい
The _____ (break) window needs to be fixed. - 次の二つの文を分詞構文を使って一つの文に書き換えなさい
She was walking in the park. She saw her old friend. - 次の現在分詞と過去分詞のペアの意味の違いを説明しなさい
interesting / interested - 次の文を分詞構文に書き換えなさい
Because I was tired, I went to bed early. - 次の文の下線部の分詞は形容詞的用法か、分詞構文か答えなさい
The boy sitting by the window is my brother. - 次の文の空欄に適切な形の分詞を入れなさい
_____ (complete) his work, he went home. - 次の英文の間違いを訂正しなさい
Excited by the news, I was calling my friends immediately. - 次の文の空欄に適切な分詞(現在分詞または過去分詞)を入れなさい
I found the book _____ (lose) by my friend. - 次の分詞構文に適切な主節を加えて文を完成させなさい
Walking along the street, _____. - 次の文を否定の分詞構文に書き換えなさい
As she didn’t know the answer, she asked her teacher. - 次の文の空欄に適切な完了形の分詞構文を入れなさい
_____ (finish) the project, we celebrated our success. - 次の文の下線部の分詞は能動態か受動態か答えなさい
The building being constructed is a new library. - 次の文で使われている分詞の用法を説明しなさい
Generally speaking, this restaurant is excellent. - 次の文を分詞構文を使って書き換えなさい
While I was waiting for the bus, I read a book. - 次の文の意味が通るように空欄に適切な分詞を入れなさい
_____ (consider) his age, his achievement is remarkable. - 次の文を接続詞を使った文に書き換えなさい
Walking home, I met an old friend. - 次の文で使われている独立分詞構文を見つけ、その意味を説明しなさい
Weather permitting, we will have a picnic tomorrow. - 次の二つの分詞の使い分けを説明し、適切な方を選びなさい
The story was (fascinating / fascinated), so I couldn’t stop reading it.
これらの問題を通して、英語の分詞の様々な用法を学ぶことができます。現在分詞と過去分詞の形や意味の違い、分詞構文の作り方、形容詞的用法と副詞的用法の区別など、分詞は英語の文法において非常に重要な要素です。
特に分詞構文は英語らしい簡潔な表現を可能にします。うまく使いこなせるようになりましょう。
分詞に関するよくある質問
- 現在分詞と動名詞の違いは何ですか?
-
現在分詞と動名詞は形が同じで「-ing」がつきますが、役割が異なります。現在分詞は形容詞的に名詞を修飾したり、進行形を作ったりしますが、動名詞は文中で名詞の役割を果たします。
- 現在分詞:The girl singing a song is my sister.(歌を歌っている少女は私の姉です)
- 動名詞:Singing songs is my hobby.(歌を歌うことは私の趣味です)
- 過去分詞と過去形の違いは何ですか?
-
過去分詞と過去形は形が同じこともありますが、役割が異なります。過去形は文の主動詞として過去の出来事を表しますが、過去分詞は完了形・受動態を作ったり、形容詞として名詞を修飾したりします。
- 過去形:He opened the door.(彼はドアを開けました)
- 過去分詞:The opened door let in fresh air.(開けられたドアから新鮮な空気が入ってきました)
- 分詞構文はいつ使うべきですか?
-
分詞構文は主に次のような場合に使います。
- 同じ主語を持つ2つの文を簡潔につなげたいとき
- 文をより洗練された形で表現したいとき
- 主文に対する付加的な情報(時間、理由、条件など)を提供したいとき
日常会話ではあまり使われませんが、書き言葉ではよく見られる表現です。
- 現在分詞と過去分詞の見分け方は?
-
形で見分けるのが最も簡単です。現在分詞は「-ing」で終わり、過去分詞は規則動詞なら「-ed」、不規則動詞なら特有の形になります。また、意味からも判断できます。現在分詞は「〜している」という能動的な意味、過去分詞は「〜された」「〜している状態」という受動的・完了的な意味を持ちます。
- 不規則変化する過去分詞はどう覚えるのがいいですか?
-
不規則変化する過去分詞は以下の方法で覚えるとよいでしょう。
- グループ分けして覚える(同じパターンで変化する動詞をまとめる)
- 三単現形(現在形・過去形・過去分詞)をセットで覚える
- 短い文の中で使って覚える
- よく使う動詞から優先的に覚える
例えば「write-wrote-written」「break-broke-broken」といった形で三形をセットで覚えると効率的です。
まとめ

英語の分詞は、「現在分詞」と「過去分詞」の2種類があり、動詞の性質と形容詞の性質を併せ持つ便利な文法要素です。
この記事で学んだ主なポイントは以下の通りです。
- 現在分詞
- 形:動詞 + ing
- 意味:「〜している」という能動的・進行的な意味
- 用法:進行形を作る、名詞を修飾する、分詞構文で使う
- 過去分詞
- 形:規則動詞は動詞 + ed、不規則動詞は特有の形
- 意味:「〜された」「〜している状態」という受動的・完了的な意味
- 用法:完了形を作る、受動態を作る、名詞を修飾する
- 現在分詞と過去分詞の違い
- 形の違い(-ing か -ed か)
- 意味の違い(能動的か受動的か)
- 使い方の違い
- 分詞構文
- 分詞を使って文をより簡潔に表現する方法
- 時間、理由、条件などの関係を表す
分詞は一見難しく感じるかもしれませんが、基本的な概念を理解し、具体的な例文を通じて使い方を学ぶことで、マスターできるようになります。英語の文法において重要な要素ですので、少しずつ練習して身につけていきましょう。
分詞をマスターすると、より自然で洗練された英語表現ができるようになります。