TOEIC700点はすごいレベル？勉強時間の目安やおすすめの勉強方法を解説

TOEIC（Test of English for International Communication）は、ビジネスシーンでの英語コミュニケーション能力を測定する世界的に認知された試験です。特に日本では就職や転職、昇進の際の評価基準として広く活用されています。その中でも700点という数字は、多くの英語学習者が目標とするスコアの一つとなっています。

TOEIC700点は実際にどのくらいのレベルなのか、またそのスコアを達成するためにはどれくらいの勉強時間と学習方法が必要なのかについて、英語初学者の方にもわかりやすく解説していきます。

TOEIC700点の位置づけとレベル

TOEIC700点は、一般的に「中級者の上」から「上級者の入口」に位置づけられるスコアです。このレベルに達すると、「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」と評価されます。つまり、日常的な英語だけでなく、ビジネスシーンにおいても一定のコミュニケーションが可能なレベルといえるでしょう。

TOEIC受験者全体から見ると、2020年度の全受験者の平均点は620点であり、700点はそれを上回るスコアとなります。また、受験者全体の中で700点以上を取得できる人は約36％程度で、そのうち700点台の取得者は約18％です。つまり、TOEIC700点を持っていることは、英語力において全体の上位3分の1以内に入ることを意味します。

TOEIC700点は平均点より上なのか？

先述の通り、TOEICの平均点は620点ですので、700点は明らかに平均を上回るスコアです。より細かく見ていくと、社会人の平均点は637点、学生の平均点は607点となっており、どちらと比較しても700点は高い水準にあります。

つまり、700点を取得できれば「英語ができる人」という認識を得られる可能性が高く、特に就職活動や転職市場では有利に働くことが期待できます。ただし、業界や職種によって求められるTOEICスコアは異なりますので、目標設定の際には志望する業界・企業の基準を確認することをおすすめします。

TOEIC700点は英検では何級相当？

英語力を示す指標として、日本ではTOEICと並んで英検（実用英語技能検定）も広く知られています。英検とTOEICを比較した場合、TOEIC700点は英検では2級から準1級レベルに相当するとされています。

国際的な外国語学習者の習熟度を示す指標であるCEFR（Common European Framework of Reference for Languages）では、TOEIC700点はB1〜B2レベルに位置づけられます。B1は「自立した言語使用者」の基礎段階、B2はその応用段階に当たり、中級レベルの英語力を示します。

TOEIC700点のレベルで何ができる？

TOEIC700点レベルの英語力があれば、ビジネスにおいては業務関連の専門用語を覚えておくことで、大きな支障なく仕事ができるとされています。具体的には以下のようなことが可能です。

一方で、以下のような場面ではまだ困難を感じることがあります。

TOEIC700点取得に必要な英語力

TOEIC700点を取得するには、リスニングとリーディングの両セクションでバランスよく点数を取る必要があります。それぞれのセクションで必要な英語力について見ていきましょう。

リスニングで求められるレベル

TOEICでは、リスニングとリーディングがそれぞれ495点満点で構成されています。700点を目指す場合、リスニングでは理想的には350点以上の取得が目安となります。

このレベルに達するためには、日常会話はもちろん、ビジネスシーンでのやり取りや簡単なアナウンスなどが理解できる聴解力が求められます。具体的には、

日本人受験者の場合、一般的にリーディングよりもリスニングの方が点数が取りやすい傾向があるため、700点を目指す場合は、リスニングで375点以上（約75％の正答率）を目標とすると良いでしょう。

リーディングで求められるレベル

リーディングセクションでは、700点取得の目安として325点以上（約65％の正答率）が必要です。このレベルに達するためには以下のような英語力が必要とされます。

リーディングセクションでは時間配分が重要であり、特にPart 7の長文読解問題に対応するための速読力が求められます。基礎的な文法や語彙の理解を前提に、文脈から意味を推測する力や、必要な情報を素早く見つける力が重要です。

必要な語彙力と文法力

TOEIC700点レベルに必要な語彙数は、一般的には5000〜6000語程度とされています。ただし、単に単語を知っているだけでは不十分で、その単語がどのような文脈で使われるのか、どういった単語と一緒に使われることが多いのか（コロケーション）を理解することが重要です。

文法に関しては、高校レベルの文法事項を一通り理解していることが前提となります。特に以下の文法項目は重要です。

これらの基本的な文法事項を理解したうえで、実際の問題を解く際には素早く文の構造を把握する力が求められます。

TOEIC700点取得に必要な勉強時間

TOEIC700点を取得するための勉強時間は、現在の英語力によって大きく異なります。一般的な目安として考えてみましょう。

現在のスコア別の必要時間

現在のTOEICスコアから700点に到達するまでの必要な勉強時間の目安は以下の通りです。

これらはあくまで目安であり、個人の学習効率や学習方法、英語の基礎力などによって大きく変動します。一般的に、100点アップするためには200〜300時間の勉強時間が必要と言われていますが、点数が上がるにつれて、同じ点数アップに必要な時間も増加する傾向があります。

例えば、250点から700点を目指す場合は、950〜1150時間程度の勉強時間が必要になると考えられます。1日3時間の勉強を続けた場合、10ヶ月〜1年1ヶ月程度の期間が必要になるでしょう。

効率的な学習スケジュールの組み方

効率的に700点を目指すためには、計画的な学習スケジュールを組むことが重要です。TOEIC運営団体のIIBC（国際ビジネスコミュニケーション協会）のデータによると、800点未満のビジネスパーソンの週当たりの英語学習時間は平均して2時間40分程度です。

TOEIC700点を目指す場合は、少なくとも週に2時間40分以上の学習時間を確保することが望ましいでしょう。ただし、短期間での点数アップを目指す場合や、現在のスコアが低い場合は、より多くの学習時間が必要になります。

勉強時間を確保するコツ

忙しい日常の中で勉強時間を確保するのは容易ではありません。以下のようなコツを活用して、日々の生活の中に英語学習を組み込んでみましょう。

TOEIC700点を目指すための効果的な勉強法

TOEIC700点を効率的に達成するためには、単に長時間勉強するだけでなく、効果的な学習方法を採用することが重要です。ここでは、テスト形式に慣れるための学習法から、各パートの攻略法まで詳しく解説します。

テスト形式に慣れるための学習法

TOEICは独特のテスト形式を持っており、この形式に慣れていないと実力が発揮できないことがあります。以下の方法でテスト形式に慣れることを心がけましょう。

Part 1（写真描写問題）の攻略法

Part 2（応答問題）の攻略法

Part 3&4（会話・説明文問題）の攻略法

Part 5（短文穴埋め問題）の攻略法

Part 6（長文穴埋め問題）の攻略法

Part 7（長文読解問題）の攻略法

語彙力を効率的に伸ばす方法

TOEIC700点レベルでは、5000〜6000語程度の語彙力が必要になります。効率的に語彙力を増やすための方法をいくつか紹介します。

文法力を強化する方法

TOEICでは、基本的な文法事項が頻出します。効率的に文法力を強化する方法を紹介します。

TOEIC700点を取得するメリット

TOEIC700点を取得することには、様々なメリットがあります。ここでは、主に就職・転職での評価とその他のメリットについて解説します。

就職・転職での評価

TOEIC700点は、多くの企業で「英語ができるレベル」と認識されるスコアです。具体的には以下のようなメリットがあります。

その他のメリット

就職・転職以外にも、TOEIC700点の取得には以下のようなメリットがあります。

TOEIC700点に関するよくある質問

TOEIC700点は難しいですか？

TOEIC700点は、英語初学者にとっては決して簡単ではありませんが、計画的な学習と適切な方法で取り組めば達成可能なスコアです。全受験者のうち約36％が700点以上を取得していることからも、適切な努力を重ねれば手の届く目標といえるでしょう。ただし、英語力がゼロに近い状態からは、相当の時間と労力が必要になります。

TOEIC700点を取るのにどれくらいの期間がかかりますか？

現在の英語力や学習時間、学習効率によって大きく異なります。例えば、現在のスコアが500点程度で、週に5時間程度の学習を継続できれば、半年から1年程度で700点に到達する可能性があります。一方、現在のスコアが300点以下の場合は、1年以上の継続的な学習が必要になるでしょう。

TOEIC対策と英会話学習は両立すべきですか？

TOEIC対策は主にリスニングとリーディングに焦点を当てていますが、実際の英会話では発話力も重要です。可能であれば、TOEIC対策と並行して英会話の練習も行うことをおすすめします。ただし、時間に制約がある場合は、まずはTOEIC対策に集中し、目標スコアを達成した後に英会話学習に力を入れるという段階的なアプローチも効果的です。

TOEIC700点以上を持っていても、実際に英語で話せない場合がありますか？

はい、その可能性はあります。TOEICはリスニングとリーディングのみを測定する試験であり、スピーキングやライティングの能力は直接測定しません。そのため、TOEIC700点を持っていても、実際の会話では苦労する場合があります。実践的な英語力を身につけるためには、TOEICスコアの向上だけでなく、実際に英語を使うコミュニケーション機会を積極的に持つことが重要です。

TOEIC700点を維持するためにはどうすればよいですか？

一度TOEIC700点を達成した後も、定期的に英語に触れる習慣を継続することが重要です。例えば、英語のニュースやポッドキャストを聴く、英語の本や記事を読む、英語の映画やドラマを観るなど、日常生活の中で英語に触れる機会を作りましょう。また、半年に1回程度TOEICを受験して、自分の英語力をチェックすることもおすすめです。

独学でTOEIC700点は取れますか？

はい、独学でもTOEIC700点は十分に取得可能です。質の高い教材を選び、計画的に学習を進めることで、効率的にスコアアップを図ることができます。ただし、モチベーションの維持や学習方法の適切さについて不安がある場合は、英語学習アプリやオンライン講座、TOEIC対策講座などを活用するとよいでしょう。また、学習仲間を作ることで、互いに刺激し合いながら学習を継続することもおすすめです。

TOEIC700点あれば留学は可能ですか？

TOEIC700点は中級から中上級レベルの英語力を示しており、留学は十分に可能です。語学学校では入学時にプレイスメントテストを受け、自分の英語レベルに合ったクラスに振り分けられるため、700点という点数は多くの留学プログラムで受け入れられる水準です。もしTOEICの点数が不足していたり不安がある方は、留学・ワーキングホリデーならスマ留がおすすめで、従来の最大半額で留学・ワーホリできます。自分の語学力に合ったクラスで授業を受けられるため、今現在語学力に不安な方でも気になる方はぜひチェックしてみてください。

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まとめ

TOEIC700点は、ビジネスシーンでも通用する中級〜上級レベルの英語力を示すスコアです。この記事では、TOEIC700点のレベル感や必要な勉強時間、効果的な学習方法について解説してきました。ポイントをまとめると以下の通りです。

TOEIC700点は決して簡単に達成できる目標ではありませんが、適切な方法で継続的に学習を続ければ、必ず到達できるスコアです。ぜひこの記事で紹介した学習方法を参考に、計画的にTOEIC対策を進めてみてください。

英語力の向上は、将来のキャリアにおいて大きな武器となるでしょう。